アメリカ陸マイラー界の重大ニュース・トップ5(2020年第2四半期)

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初めてこのブログにお越しの方は、アメリカ駐在員が年間100万マイル&ポイントを貯めた方法をまとめた>こちらのエントリ<からご覧ください。

こんにちは、アメリカ駐在員のKenji(@sorakoge)です。

 

さて、今回は2020年第2四半期の重大ニュースを振り返ります。

この3か月もIHGがチャート制から徐々にダイナミック・プライシングを導入したり、アメックスのカード制限枚数が5枚から4枚へ変更になったりと、激動の3か月になりました。



第5位:マリオットがコロナ禍対応で右往左往

第5位には、顧客つなぎ止めのためのもろもろの施策に右往左往する世界最大のホテルチェーン、マリオット・ボンヴォイの話題を選びました。

 

初の60%オフのポイントセール

まずは、過去最大60%のポイントボーナスセールのニュースです。

マリオットはコロナ不況に苦しんでいるのか、宿泊需要の喚起に躍起になっているようです。

 

今回のポイントセールはどちらかというと手元資金の確保のためという意味合いが強かったように思いますが、60%というボーナスポイントの水準は、Marriott Bonvoyのプログラム開始後で見ると最高の水準です。

 

さらに、6月30日付の追加アナウンスで、なんと7月15日までプロモーションが延期されました。


当初の予定ではプロモーションは6月30日までの設定であったため、2週間の延長になります。

 

私の知る限りではこのような延長措置は初めてのことで、マリオットの手元資金が想定以上に苦しいことを如実に表しているような気がします。

 

ホテルの宿泊費もほぼ「投げ売り」

ポイントセールだけでなく、ホテルの宿泊費自体も相当落としてまで、需要を喚起しようとしている姿が目に留まります。

 

たとえばこちらはまだコロナ第一波真っただ中の5月20日前後の段階での「マリオット軽井沢」と「コートヤード・マリオット白馬」の宿泊プラン。どちらも一泊1万円という破格の値段でほぼ投げ売りの状態でした。


そしてこちらは6月初旬に出てきた「沖縄マリオット」のシークレットセール。

こちらはオフシーズンとはいえ、コロナが収まっていることが期待されている11月、12月の宿泊が、50%オフの1万円ぽっきりの状態でセールに出ていました。

沖縄マリオットのシークレットセールには私も便乗して予約を入れてみましたが、実際に行くかどうかはやはりコロナの動向次第で、営業を再開したホテルにとっては稼働率の上昇のために今後も気をもむ展開が当面続くことになると思います。

 

追加の宿泊実績付与まで

さらにさらに・・・!

 

マリオットはエリート会員向けのつなぎ止めの措置まで打ち出しています。

 

その内容は、2019年の宿泊実績の50%をエリート会員向けに付与するというもので、エリートステータスの延長措置だけでなく、宿泊実績の付与を行ってまで、とにかくマリオットグループへのつなぎ止めを図ろうとしていることがわかります。


とにかく「あの手この手」で旅行需要の喚起と、顧客のつなぎ止め手元資金の確保に奔走しているのがマリオットです。

 

他のメガホテルチェーンと比べても悪く言えば財政状態に余裕がなく、消費者の視点で良くとらえれば「賢くお得に」利用するボーナスタイムがマリオットに訪れているということが出来ると思います。

 

第4位:AMEXが追加ベネフィットを拡大

続いて第4位は、カード会社、特にAMEXがコロナ禍を受けて打ち出したカテゴリーボーナスや、追加ベネフィットについてのアップデートを選びました。

 

公式サイトで明記こそされていませんが、カードベネフィットが拡大されたのが、コロナ禍の影響を受けた措置であることは明らかです。

 

特に、外出自粛系のムードにあって、カードに付帯する旅行系のベネフィットが消化できないことは明らかであり、かつ、収入減少も見込まれる中にあって、高い年会費を払っているクレジットカードを解約してしまおうと考えるのは、自然な流れだと思います。

 

追加ベネフィットの内容

そのためにカード会社が打ち出しているのが

① カード付帯の宿泊権利の期限延長

例:Hilton AspireのWeekend night award、Marriott Bonvoy BrilliantのSuite Night Awardの有効期限延長

② 既存のカードクレジットの対象拡大

例:Hilton Aspireのリゾートクレジットのレストランカテゴリーへの拡大措置

③ 新しいベネフィットの追加

例:AMEX Greenの携帯電話料金についての10ドルクレジット

④ カテゴリーボーナスの拡大

例:Delta AMEX Goldのグロッサリーカテゴリーの追加x2倍ポイント付与

 

などであり、期間限定のベネフィットが多いものの、とにかく色々な手でカード保有のベネフィットを前面に打ち出しています。

 

なお、アメックス発行のクレジットカードについてコロナ影響下で追加されたベネフィットは、下記公式サイトからカード一覧とともに確認が出来ますので、ここでは詳しい説明は割愛します。

 

US国外では原則使えないことに注意

ちなみに・・・これらの追加ベネフィットはUS居住者向けに限定されていることがほとんどであることには注意が必要です。

 

当たり前と言えば当たり前ですが、私のようにすでに帰任している方、コロナ禍を受けて日本へ一時帰国している人にとってはハードルが高いベネフィットばかりというのは少し残念です。

 

ホテル業界の対応

なお、グローバルチェーンのホテルの対応について個別にエントリを立てました。

各航空会社・ホテルグループともにいまも対応に追われている状態です。

 

下でも触れるとおり、航空業界では破たんするところも出てきており、今後も目が離せない業界になることは間違いなさそうです。

 

第3位:IHGの変動制導入

続いて第3位は、グローバルホテルチェーンの一つ、IHGの話題。

 

IHGグループは、4月の終わりからひっそりと需給に応じて必要ポイント数が変動する「Dynamic Pricing」を導入しており、私のブログでもこれを取り上げました。

当初台湾からスタートしたこのDynamic Pricingですが、最近の情報では、Dynamic Pricingは日本や、アメリカへも広がりを見せているようです。

事前のアナウンスなしにプログラムを改定するところあたりがいかにも米国の会社らしいというか、少なくとも個人的にあまり好感が持てる変更ではありませんでした。

 

ともあれ、このIHGの変更を受けて、メジャーホテルグループで残るのは、コロナ禍でシーズン制の導入を延期したハイアットだけになりました。


Kenji

Dynamic Pricing(変動チャート制)は、ホテル・エアラインにおけるポイントの使い道を考えるにあたっては、驚くことというよりも、ニューノーマルのひとつになっているのだと思います

 

第2位:航空会社破たん

第2位には航空会社破たんのニュースを選びました。

 

コロナの影響をもろに受けた業界が、ホテル業界、そして航空業界です。

第2四半期も航空業界にとっては暴風が吹き荒れた3か月と言ってよいと思います。

 

まずはドイツ最大の航空会社であり、事実上のフラッグキャリアであるルフトハンザ航空の話題。

こちらは政府救済のニュースが5月末に出た後も、株主総会での救済案の否決懸念や、EU欧州委員会による議案の蒸し返しが懸念されていましたが、いったんは救済の方向で決着が図られたようです。

 

破たんを受けてマイラーの立場として気になるものの一つがマイレージプログラムの行く末ですが、タイ航空はなんとマイルによる特典航空券の発券を一時制限するという通達を6月初旬にアナウンスしました。

その後、ウェブサイトでは若干の修正が入ったものの、基本的に内容は変わりません。マイルを使っての特典航空券の発券や、ホテルアワーズなどへの利用が制限されているようです。

At the current moment, the following awards are temporarily unavailable for redemption using Royal Orchid Plus miles;
• Air and Upgrade Awards with Star Alliance airlines
• Hotel Awards
• Some Lifestyle Awards i.e. vouchers for restaurants and spas

However, Royal Orchid Plus members can still redeem Air and Upgrade Awards with THAI and THAI Smile.

In addition, any unused Air and Upgrade Awards with Star Alliance airlines, Hotel Awards, and Lifestyle Awards can be returned for mileage re-credit without any fees. If any of the re-credited miles are expired, such miles will have their validity extended until 31 December 2020.

タイ航空のマイレージプログラムの最新の情報は下記のウェブサイトから確認が出来ます。

そして、直近では現地時間6月30日に「AEROMEXICO」もChapter 11の申請を行いました。


AEROMEXICOは日本在住だと ほとんど目にする機会するないですが、Skyteamのアライアンスメンバーであり、メキシコのフラッグキャリアです。

 

ANAも先日の株主総会で片野社長自ら5,000億円規模の銀行ローンと、さらにもう5,000億円のコミットメントラインを確保した旨を説明して、流動性懸念の払しょくに前のめりになっていましたが、フラッグキャリアであっても破たんを免れ得ない、大変厳しい経営環境が続いていると思います。

 

第1位:アメックスの5枚ルールに変更

第一位には、アメリカ陸マイラーへの影響が一番大きそうなものとして、アメックスのクレジットカード保有ルールの改定を選びました。

 

もともとアメックスのカード申請のルールとして、非公式ながらクレジットカードは5枚まで、チャージカードはビジネス・パーソナルがそれぞれ1枚ずつの合計7枚というのが通説になっていました。

それが今回Twitterの公式垢によって、保有は4枚までとアナウンスされたことは、枚数の制限もさることながら、公のアカウントがルールの存在を認めたという点で、2つの意味で陸マイラーに衝撃を与えたことと思います。

 

アメックスカード申請のニューノーマル

変更前(非公式):クレジットカードは5枚まで、チャージカードはビジネス・パーソナルがそれぞれ1枚ずつの合計7枚

変更後(公式):クレジットカードは4枚まで、チャージカードはビジネス・パーソナルが10枚まで

 

特にクレジットヒストリーの浅い駐在員の立場を考えるとこれは痛すぎる改定で、これがコロナ禍を受けた一時的なものでないとすると、今後はカード申請の戦略をより慎重に考えざるを得ないと思われます。

 

もっと詳しい情報が知りたいという方は、下記のPoints Guyのエントリあたりが詳しいです。

 

まとめ

今回は2020年第2四半期の重大ニュースを振り返りましたがいかがでしょうか。

 

重大ニュースはブログ内でも開設することがありますが、時間の制約もあってタイムリーなトピックはTwitterで共有することが多くなってきています。

よろしければ私のTwitterアカウント(@sorakoge)もフォローしてみてください。

 

 

過去の重大ニュースまとめは、下記からどうぞ。

振り返ってみると、結構懐かしいネタなどがある一方で、この界隈は激動だというのがよくわかると思います。

 

2019年の重大ニュース

・2019年第1四半期のニューストップ5はこちらから

・2019年第2四半期のニューストップ5はこちらから

・2019年第3四半期のニューストップ5はこちらから

・2019年第4四半期のニューストップ5はこちらから

 

2020年の重大ニュース

・2020年第1四半期のニューストップ5はこちらから

 

本日のエントリは以上です。

 







 

 

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Kenji

斎藤ケンジ(Saito Kenji) 30代男性、2017年夏からアメリカ・ニューヨークに駐在して2019年7月に日本へ帰任。 ニューヨークでは長男に恵まれ、妻と3人でマイル&ポイントを駆使しながら旅行を満喫。物価が高いアメリカ生活での生活事情、お金の運用や節約について奮闘するさまを見てやってください。

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