『北村薫のうた合わせ百人一首』がいい
■自分の口臭は、本人には感じ取れません。老臭はどうだろうと、腕に鼻をあててみました。無臭。この試みで同窓会のときに、友人が放った一言を思い出しました。30年振りに顔を合わせた初恋の人のことを、「老けていてがっかりした」といったのです。彼は自分の老化に、気づいていないのでしょう。■『北村薫のうた合わせ百人一首』(新潮文庫)は、毎日1ページずつ読み進めています。2つの短歌を組み合わせて、その世界を広げたり深く見詰めたりしています。北村薫らしい独特な世界が、2首の短歌に彩りを与えてくれます。短歌にはこんな謎解きができるのだ、と感心しました。
山本藤光2019.11.21
■自分の口臭は、本人には感じ取れません。老臭はどうだろうと、腕に鼻をあててみました。無臭。この試みで同窓会のときに、友人が放った一言を思い出しました。30年振りに顔を合わせた初恋の人のことを、「老けていてがっかりした」といったのです。彼は自分の老化に、気づいていないのでしょう。■『北村薫のうた合わせ百人一首』(新潮文庫)は、毎日1ページずつ読み進めています。2つの短歌を組み合わせて、その世界を広げたり深く見詰めたりしています。北村薫らしい独特な世界が、2首の短歌に彩りを与えてくれます。短歌にはこんな謎解きができるのだ、と感心しました。
山本藤光2019.11.21