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川越宗一『熱源』の書評執筆中

2020-02-19 | 妙に知(明日)の日記
川越宗一『熱源』の書評執筆中
川越宗一『熱源』(文藝春秋)の書評を書き始めました。冒頭部分を紹介します。

川越宗一『熱源』(文藝春秋)は、圧倒的な展開と筆力で直木賞に輝きました。作品の主たる舞台は樺太(サハリン)。主たる登場人物は、樺太アイヌのヤヨマネクフと樺太に島流しされたポーランド人のブロニスワフ・ピウスツキです。
樺太アイヌのヤヨマネクフは日本名を山辺安之助といい、南極探検隊の犬ぞり担当の実在人物です。またもう一人の主軸ポーランド人のブロニスワフ・ピウスツキも実在の人物です。
川越宗一は本書誕生の動機を、次のように語っています。
――妻との旅行で北海道に行って、白老(しらおい)町のアイヌ民族博物館に何となく立ち寄ったら、ブロニスワフ・ピウスツキの銅像があったんです。(中略)ポーランドの人なのに北海道の、アイヌの博物館に銅像がある。なんでだろうと思って少し調べてみたら、南極探検に行った山辺安之助(ヤヨマネクフ)とも知り合いだった。遠くと遠くの文明や文化、歴史がここで出会ったんだというのが、すごく興味深くて。(「好書好日」2019年9月29日)

次に紹介する引用は、本書誕生の背景となる著者の哲学です。これは書評執筆のうえで不可欠なものとなります。文章のどこかに配置したいと考えています。

――異なる背景を持った人たちが出会うことによる化学反応に興味を感じるところが多い。(「好書好日」2019年9月29日)

感動した作品ですので、早めにご紹介させていただきます。
山本藤光2020.02.19


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