眠れない夜の言葉遊び

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pomeraの魅力とは

2020-07-03 00:43:00 | フェイク・コラム
 もしかしたら、CMで見たことがあるという人もいるかもしれない。
 ポメラは、かわいくて頼りになるあれである。


「インターネットにつながらない」

 pomeraは文字入力に特化したガジェットである。逆に言えば、それ以外のことは何も得意ではない。ボンバーヘッドがボンバーヘッドを磨くことと理屈は同じだ。ネットにつなぐことは頭から眼中になかったのだ。
 インターネットにつながらないものなら他にもあると言う人もいるかもしれない。例えば、八百屋さんで売っているキャベツや玉葱だ。みかんやリンゴにしても、直接インターネットにはつながっていない。
 pomeraは見た目からしていかにもつながっていてもおかしくない。しかし、それができたら他の類似品、パソコンやタブレットと同じになってしまう。そのために手放してしまうものは、軽さ、機敏さ、安全性、コンパクトさ。何よりも「ネットにつながらない」というpomera最大の魅力を失ってしまうことになるのだ。
 pomeraのよさとは、文字入力に打ち込む純粋さなのである。
 今の時代は、やたらと「IoT」が叫ばれ、何でもインターネットにつながろうとする。そんな中だからこそ、pomeraの個性は他にはない光を放っている。私の友人にはpomeraを持っている人はいない。それは私がよい友人を持っていないせいである。


「孤独と集中力をくれるもの」

 物を書くという作業は孤独な作業ではないだろうか。インターネットに常につながっているということは、それを許してくれないという側面がある。少し気分転換のつもりで、ネットを開く。ブログを開く。ツイッターを開く。noteを開く。そういう風にして小刻みに孤独を奪われる。pomeraに向いている間は、そんな心配は一切無用だ。
 pomeraに向かえば、人はpomeraを向く他にすべきことは何もない。
 pomeraには、その他にもまだまだたくさんの魅力がある。一旦、pomeraを閉じてみよう。


「pomeraを閉じて一休み」

 pomeraは始まりと終わりをほとんど意識せずに使うことができる。電源ボタンはあるが、ほとんど触れる必要もない。使うとなったらpomeraを開く。終わる時にはただ閉じればいい。そして、この時の音! 
 pomeraは閉じる時にちょうどいい音がする。
 文字入力が一段落して一休みという時には、pomeraを閉じることをお勧めする。(何かをこぼしかけた時にも安心)
 閉じるとpomeraの背はまな板のようにフラットだ。そこに手を置いて一休みすることができる。他にもみかんを置いたり、メモ帳やボールペンなど好きなものを置くことができる。私はたまに飲みかけの珈琲を置いたりするが、これはあまりお勧めではない。さて、一休みしたらもうpomeraを開く他はない。


「3秒スタンバイの機敏さ」

 pomera DM100では、開いておよそ3秒ほどで文字入力を始めることができる。これはその辺にある広告の裏にペンで何かを書くのとほぼ同じ速さである。パソコンだとこうはいかない。スマホなどにしても、一旦ホーム画面を経由して文字入力のアプリに向かうと時が遅れる。
 pomeraは文字入力の顔しか持っていないことが、強みだ。
 咄嗟に浮かんだモチーフを文字にするという場合、1秒はものすごく大事な時間。モチーフを逃がさないために、またモチーフをいっぱい溜めておくために、pomeraは心強い味方になってくれる。


「キーボードがつながっている」

 タブレットなどでは後付けでキーボードをつなげたりすることがある。つなげたい時にだけつなげることができるというのは便利だが、どうせ必要不可欠なものなら、常につながっている方がより便利である。
 pomeraの主役は半分キーボードと言ってよい。
 キーボードが離れる心配をしなくていい。キーボードだけを充電したりしなくていい。キーボードが一体になっていても十分に軽い。慣れれば他は考えられないほどに快適な打ち心地! 
 pomeraからキーボードを取ったら、もうpomeraではない。


「乾電池で動く機種もある」

 DM100は乾電池で動かせる。(次のDM200はUSB充電に対応)これはなかなか面白い。もしも無人島に持って行くなら……。電気もWi-Fiもないなら、iPhoneは無意味だ。その場合には、無数の乾電池とpomera DM100という選択になるかもしれない。


「今、pomeraを買うなら」

 最新機種はDM200。私は今ある100が壊れたら200を買おうと考えている。しかし、使い慣れたpomeraには愛着があり、使える間は簡単に離れられそうにない。pomeraは他のスマホやタブレットと比較してもそう安いとは言えない。ネットを見て「意外に安いな」と思った時は、だいたいが保護フィルムの値である。
 多くの人は、「インターネットにつながらないのに、こんなにするの?」と思うのではないか。その気持ちはわかる。
 しかし、pomeraは他のスマホやパソコンなどに比べて遥かに丈夫に出来ている。そして簡単には古びない。まるで腕のいい職人さんが作った鞄のようだ。1年毎にサイズが変わったり、賢くなったり、速くなったりするような物ではない。持っているだけで心を落ち着かせてくれる。
 10年近く走ったDM100が壊れる時はくるのか。DM300が発売される日はくるのか。
 私はあまり心配も期待もしないことにした。
「訪れる時には訪れる」
 最後の一行を打ち込んで私はpomeraを閉じる。

(そう! この音がいい!)


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