横須賀うわまち病院心臓血管外科

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救急隊員向け講演会(第2回横須賀病院前医療研究会):心臓血管外科における劇的救命

2020-02-20 09:13:38 | 心臓病の治療
 心臓血管外科における劇的救命とは、やはり大動脈解離によるタンポナーデを解除し大動脈置換術によって救命したり、大動脈瘤破裂の緊急手術で救命するなど日常的に行われている緊急手術がそれにあたり、救命できた場合の喜びは患者さん本人、ご家族と同じくらい担当する医師も感動と喜びを感じます。

 来る3月10日に横須賀消防の救急隊向けの勉強会を担当させて頂く予定です。演題は、「心臓血管外科における劇的救命」です。

 放置した場合、確実に死亡する疾患や外傷、病態に対して積極的に医療資源を投入した結果、救命できるドラマ、これが劇的救命です。
 心臓血管外科においては、
①心タンポナーデや臓器血流障害を呈している急性大動脈解離
②大動脈瘤破裂や大動脈断裂
③心筋梗塞の機械的合併症(心破裂、乳頭筋断裂、心室中隔穿孔)
④外傷による出血で外科的止血が必要な状態
⑤急性動脈閉塞
これがTop 5でしょうか。他に、感染性心内膜炎や弁膜症に対する緊急手術が続くと思います。

 心臓血管外科は院内でも緊急手術が多く、夜中に呼び出されて急いで手術すなどのハードなイメージがある診療科ですが、上記の病態に対して市民の命を守ることを大きな使命としている診療科です。この劇的救命を成功させることの喜びは、まさに「医者冥利に尽きる」、といえます。この喜びが大きな原動力となって心臓血管外科医は24時間、家庭や自分の健康も顧みず患者さんの命を最優先にして働くことができるのです。
 この使命感、まさに国土を守る自衛官、市民の治安を守る警察官、そして市民の健康を守る救急隊の人たちと共通するところがあると思います。
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