横須賀うわまち病院心臓血管外科

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飲んではいけない薬

2020-09-09 12:45:01 | その他
 電車のつり革広告に、飲んではいけない薬という見出しを時々見ます。なかには実際に薬の銘柄もつり革広告にかかれていたりするようです。その中には、高脂血症の治療薬や降圧薬など、心臓血管外科で手術をした患者さんが、その後の再発や病状悪化をおさえる処方のものも含まれている場合があるようです、その広告をみた患者さんは、怖くなって内服を自己判断で中断。
 未だにそういうことが時々発生します。先週も一人そうおっしゃった患者さんがいました。実際に筆者はその記事を読んだことはないし、多くの患者さんはその記事の広告だけを見て、内容を読んだわけではないようですが、実際に服薬を自己中断することが時々発生しているのは事実です。

 おそらくですが、そのインパクトの高い広告はその雑誌を買わせるための見出しなんだと思いますが、そうした広告に薬剤名を記載された製薬会社や販売会社などは内容が事実と異なる場合は訴えたりしないのでしょうか?

 筆者はもちろん患者さんには、その処方によって患者さんの健康を脅かすことがあるとは全く思っていないし、治療における信念・責任をもって処方しています。患者さんには、衝撃的な見出しをつけて雑誌を買わせようとしているだけですよ、と説明して、理解が得られることが殆どです。悪意あるこうした記事を野放しにすることは許されてはいけないと思いますが、実は実際に内容を読むと、副作用が出て危険な場合もある、程度のことしか書いていないのかもしれません。なので、同時に患者さんには薬剤には不都合な副作用が出ることもあるので、定期的に採血や種々の検査をして有効かつ安全に治療が行われていることを確認しながら診療している、ということを説明しています。

 実際に記事が手に入ったら内容を是非確認したいですが、自分のお金を出してまだその雑誌が欲しいとは思えません。
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2 コメント

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Unknown (ぬけさく)
2020-09-20 17:47:20
薬局での待ち時間に記事を読みましたところ、リスクをはかりにかけ、必要性をよく検討したうえで処方されたものを服用しましょうみたいな、あたりまえのことが書いてあるだけでした。
ご記載のとおり、雑誌を買わせるためにインパクトのあるタイトルにしたかっただけみたいです。
とはいえ、いかにも有害一辺倒なものであること新聞の広告で万人の目にとめることはやめてほしいですね。
Unknown (gregoirechick)
2020-09-21 00:13:08
 コメントありがとうございます。やはり、雑誌の購買意欲を掻き立てるためのブラフなのですね。残念ながら日本国において、マスコミは中立ではないし、決してインテリジェンスの高い情報ツールではないことはご存知の通りです。その中で、マスコミのユーザーとしてはどの情報が正しいのか常に賢く情報の渦の中を渡っていく必要があります。情報の氾濫が便利な面とデメリットになる面と両方あると思います。
 今回の記事に関しては予想通りのことを教えていただいて、改めて日常診療に確信をもって患者さんに正しい情報を伝えながら今後も寄り添っていけると思いました。
 ありがとうございます。

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