占いの不発と偏見 | 運命ハック

運命ハック

オリジナル占術を幾つか編み出しましたので、それを用いて不定期に占っていきます。
今後も独自の占術を産み出し、完成させていきます。

占星術の図形的な座相、アスペクトには有効範囲、オーブがあります。
星によって、または占い師によってそれを何度とするかは様々ですが、仮にオーブを5度とし、角度の種類にこだわらず、「アスペクトを組んだら特定の事象が発現する」と見定めた場合、大体人類の半分から三分の一くらいがその有効範囲に入ります。

アスペクトの種類は1~12の多角形に依拠し、かつ倍数も含めれば自ずと有効範囲は広がり、多くをカバーするようになります。
単純に計算しても12角形×倍数2×オーブ前後3度の6で144となり、360度の内40%を占めます。
しかし有効範囲に入れば全て発現するかと言えばそんな訳もなく、不発の場合、占いは外れと見なされ、予測は偏見だったと断罪されます。


例えば地震予知に使う木星と土星のアスペクトも一年の半分から三分の一くらいは有効範囲に入ります。
その中で本当に地震が起きるのは数日であり、残りの有効範囲に入る期間は全て不発であり、外れと言えます。
しかし有効範囲外の期間と比べれば、範囲内の地震発生率は有意に差があり、それゆえ予測の技法として成り立ちます。

同様に火星とパラスのアスペクトがセックス依存性と関係があるとの見立てを採用する場合、人類の半分から三分の一くらいは有効範囲に入ります。
その中で本当に性的スキャンダルをやらかすのは僅かな人数であり、残りの人々は大半が不発であり、外れと言えます。
しかしアスペクトの有効オーブに該当しない外の人々と比べれば、該当者のスキャンダル発生率は有意に差があり、それゆえ予測の技法として成り立ちます。


問題は「特定の事象」が不名誉な内容で、占いの予測によって風評被害をこうむるケースでしょう。
それは予測が発現するまでは常に不発であり、その瞬間までは対象の名誉を毀損し続けます。
では占わず、予測せず、沈黙を守れば良いのかと言えば、それも詰まらないでしょう。

結局のところ、占いの未来予測はそれが自分の死活問題でない限り、退屈さを緩和させる目的の悪趣味な覗きであり、ゲスの勘繰りに過ぎません。
その自覚と自戒の中で初めて人を侮辱しない良識ある占断が可能なのでしょうが、それでも不発と偏見の助長のリスクは減らないでしょう。

それは占いが本質的に人を惑わす魔道に属することに起因します。