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今回は、

演奏において、「一瞬の勇気」をいかに持つか、

というテーマです。

 

 

演奏、特にお客さんを前にした本番での演奏は、

一瞬の勇気を持って決断することの連続です。

 

 

私は、チェロでオーケストラによく参加しますが、

みんなで同じ音を出していても、

やはり決断の連続ではあります。

 

なかでも、主席奏者として、

ソロパートを1人だけで弾くときには、

短いソロの中でも、

多くの決断を勇気をもってしなくてはなりません。

 

楽器を人前で弾く機会のある方は、

皆さんはお分かりの通りです。

 

この一瞬の勇気がちょっと不足して、

失敗する経験もしてきました。

 

例えば、

シュトラウスの皇帝円舞曲で、

緊張のあまり一瞬迷いが生じて

美しいチェロソロのメロディで

うまく鳴らないない音があったり、

 

ツァラトゥストラのチェロソロの1オクターブの跳躍で、

直前にちょっとだけ恐怖感を抱いてしまい、

跳躍した高い音の音程が低めにずれてしまったり、

 

ということを経験しました。

 

いずれも、

練習の時にはノーミスをキープしていたにもかかわらず、

本番で一瞬の躊躇とか恐怖心が起きて

その後失敗するというパターンでした。

 

 

 

過去を振り返ってみると、

若い20代の時には、ソロでの失敗は一切ありませんでした。

 

しかし、30代に1回失敗して以降、

それなりの確率で起こるようになってしまいました。

 

1回目の失敗は油断か練習不足だっと思いますが、

以降は相当反復練習しても、

失敗が起きる様になってしまいました。

 

初回の失敗以降と

それ以前に成功し続けていた時の違いは何なんでしょうか。

 

 

 

失敗は、

感覚としては

「一瞬の勇気」の不足の原因

という感じです。

 

これは一体どうして起こるのでしょうか。

 

ここで、

コーチング的な見方をしてみると、

 

自分がそれをやる能力が

あるという自己評価である、

「エフィカシー」

が低下していると

起きやすいのではないでしょうか。

 

またさらに、

エフィカシーの低下が、

普段意識化出来ない領域、

コントロールできない領域に

「無意識化」していることも考えられます。

 

無意識に失敗の可能性が書き込まれてしまうと、

無意識は意識の100万倍の情報量で圧倒的な影響力を持っているので、

意識には上らずとも、

失敗は常に起こりやすい状態になってしまいます。

 

 

対策ですが、

無意識化したエフィカシーの低下を

少しずつ改善していくしかないと思われます。

 

無意識領域は、意識経由でしか書き換えられません。

 

従って、

ことあるごとに自分を褒める、

演奏が出来た自分をイメージしてその時の感情味わう、

というのを毎日繰り返すことが、

遠回りの様で近道かと思います。

 

加えて、

正しい動作を反復することで身体に染み込ませることも、

重要です。

 

メンタルと身体動作の両方で、

脇を固める感じですね。

 

 

 

2年前の話ですが、

大好きな、マーラーの交響曲第3番のチェロソロ(たった6小節くらいですが)

を弾く機会がありました。

 

この時ばかりは、

昔からやっている反復練習に加え、

 

常に自分をほめて、成功をイメージし、

メロディーが始まる直前の一呼吸で、

完璧に弾けている自分をイメージしました。

 

それから、それを落ち着いてトレースするように、

弾いてみたところ、

20代の頃の様に、

久々にチェロソロが自分で納得できるくらいしっかり弾けました。。

 

 

やはり、

練習だけすればよいのではなくて、

意図的に成功を作り出すという心構えと、

自己評価を高く保ち続ける意志が必要なのだと感じました。

 

普段から一瞬の勇気のために、

自己評価を上げ、

自分を自分で常に褒めて気持ちを持ち上げて、

 

心の面からも失敗という選択肢を

排除していく努力が大切だと思います。

 

 

ということで、

演奏をけなすのは他人にがイヤでもやってくれるので、

自分の演奏を自分で褒めて、

自分を成功に導こうというお話でした。

 

 

それでは。