マイクロ・スカジットという選択肢 パート1 – OPST Micro Skagit フライロッド & コマンドヘッド

2022/02/154番タックル,commando head,OPST,アトランティック サーモン,コマンドヘッド,サイエンティフィックアングラー,シングルハンド スカジットライン,シングルハンドスペイ,スカジット,フライフィッシング,フライライン,マイクロスカジット,本流,止水

OPSTのロッドの性能について詳しく知りたい方は、下まで読み進めてください。使い勝手だけ知りたい方はこちらからどうぞ:

年末に初めて「トラウトフェスタ」へ行ってきました。SANSUIが主導するフライフィッシングを盛り上げるイベントで、各社のブースが出ていて新製品を実際に見たり試したりできるだけでなく、現地販売会の楽しみもあります。

SIMMSブースが異常に盛り上がっていましたが、とりあえずウェーダーやブーツには困っていないので、まずは主催のSANSUIの方達や知人の方達へご挨拶をしてから、スカンジとスカジット関係を回ることにしました。

FML-OPST ブース

今回の本命はOPST製品の日本人R&D仲野さん率いるFMLのブース。「魂の杖」ことOPST マイクロスカジットロッドのデモンストレーションを仲野さんがやられるセッションを見に行きたかったのと、OPSTから新発売されて即売してしまったエド・ワードのスカジットロッドの在庫が無いかお願いしに行くつもりでした。

デモまで時間があったので、活気のあるFMLブースで欲しかったアイテムが詰まった福袋をゲット!

フライのマテリアルやLaserライン、アパレルなどが詰まっていて、超・お得でした!

すでにCommando Headだけで150, 175, 225, 325, 450の5本まで増えてしまったOPSTフリークとなっている私は、仲野さんからOPSTのヘッドやティップは全て30lbコアで作られていることを教えていただき、ソルトフライ用のシステムも見えたのでした。

さらにNewロッドの在庫は無いか、買えないならばせめて試せないかお聞きしましたが、在庫が入荷するまで我慢する代わりにエド・ワードや仲野さんたちがこのロッドシリーズに込めたコンセプトやスカジット魂を感じとることができました。

FML仲野さんによるOPST Micro Skagit ロッドのデモンストレーション

OPST フライロッド (Micro Skagit Rod) を解説するFML仲野さん

待望のデモンストレーションではさらなる開発秘話や仲野さんのスカンジ-スカジット遍歴と同時進行で待望のOPSTロッドの実働をついに生で見ることに!10フィート以上の長さのロッドとは思えないティップの戻りの速さに目が丸くなりました・・・。ロッドについてのフル解説は、こちらの号のフライフィッシャーの「魂の杖」というコラムに余すことなく書かれています。詳細はそちらで!様々な勝負パターンのフライが満載でお買い得です。

OPST新ロッドの素材的進化・・・「グラフェン」

OPSTロッドには、BeulahのG2シリーズにも採用された「グラフェン Graphene」という新しい分子構造のグラファイトシートから作られる第2世代のグラファイトが使われています。グラフェンは強度を保ったままより薄く作れるだけでなく、引っ張り強度に優れているので曲がった後の反発が格段に速いことが特徴とされています。例えば同じ12フィート6番ロッドであれば、より軽くできるだけでなく、ラインスピードも上げることができるので、ループの持つパワーが向上することになります。

もしくは今までは考えられなかった、より長くより低い番手のロッドを作ることもできるので、新しい規格のトラウトスペイやユーロニンフロッドも作ることができるようになります。もちろんオーバーヘッドで飛距離を重視したいアングラーには、ロングベリーのライン(ヘッド部が30フィートでなくて40フィートのもの)がキャストし易くなるので、ソルトの釣りでも活躍すると思われます。

OPST Micro Skagit / Pure Skagit フライロッドのラインナップ

大きく分けると渓流でも使えるマイクロスカジットと本流や湖で使えるピュアスカジットの2つの系統がリリースされました。企画から商品化されるまでにかかった年月は実に6年!YouTubeでエド・ワードが使っている謎のロッドが気になっていたファンもやっと発売でほっとしたのではないでしょうか。

マイクロスカジット

里川から本流のドライ、ニンフ、ウェットに適したレンジ。

  • 9フィート9インチ 3番
  • 10フィート 4番
  • 10フィート4インチ 5番

ピュアスカジット

本流や湖のトラウトに限らずバスやソルトでも使いやすいレンジが揃っています。

  • 10フィート8インチ 6番
  • 11フィート 7番
  • 11フィート6インチ 8番

OPST Micro Skagit 10フィート4番を実際に使ってみた

OPST フライロッド

1月に入って、私の「魂の杖」OPST 10フィート4番「マイクロスカジット」ロッドが渋谷SANSUIに届いたので、早速試しにいきたかったのですが、諸事情で忙しくあっという間に2月に入ってしまいました。ちゃんとウェーディングできない管理釣り場で試すのは微妙なれど、ラインとの相性やキャスティング具合、プレゼンテーション具合、釣り具合も試しておかないでいきなり実釣へ投入するのは無茶です。

右側にペリーポークが打てるスペースがある八王子のFish Up 秋川湖でじっくりやろうと思って行ったのですが、ちょっと事件があって、別の日に朝霞ガーデンで少しだけ試してきました。右側にラインスペースがあるけど足場は高い場所でしたから今回は限定的なことしか書けませんので、改めて続きを書こうと思います。

9フィート感覚で投げられる10フィートロッド

普段は8フィート3番ロッドと組み合わせて使っているCommando Head 150グレインにポリリーダー10フィート + ロングティペットをOPSTロッドへリールごとセットして見ました。足場が高くスペースが狭いのでスナップTで投げた感じですが、最初は「10フィートだから少しタイミングを調整しないと投げづらいだろう」と思っていたのですが、このロッドのティップの戻りの速さはまるで普通に9フィートロッドを振っている錯覚を起こします。ループ幅はロッドが長い分大きめにできるけど、ラインスピードは落ちないので既定の設計のロッドよりもパワーのあるループが投げられる、そういうコンセプトだと思いました。

OPST フライロッド

オーバーヘッドもティップが長い分タイミングが取りやすく、かといってティップが暴れないのでCommando Headを使っていて懸念であったループ調整やターンオーバーの調整が少しやりやすくなりました。これなら湖で使う大きいドライフライやニンフリグ、クロダイで使うジグフライも水面を荒らさずに打てそうです。

シングルハンドとツーハンドの「切替」がしやすい、本当の「スイッチ」ロッド

OPST フライロッド

ただしパワーがある分、4番ロッド + 150 グレインのウルトラライトなヘッドにも関わらず、右肩への反動はかなり感じてしまい、冷える季節の五十肩にはシングルハンドは少し辛かったです。そこでツーハンドに変えてスナップTやシングルスペイで投げて復活。楽になったらまたシングルハンド・・・。グリップ位置がとても自然なデザインなので、この切替がすごく自然にできるロッドです。

普段はツーハンドで投げておいて、コントロールが欲しい時はシングルハンドで投げる。シングルハンドで釣っておいて、辛くなったらツーハンドに変える・・・。仲野さんが「低番手のマイクロスカジットはエドが求める本来あるべき姿のスイッチロッド」っておっしゃっていた意味が少し分かりました。

アタリ感度

OPST フライロッド

魚のアタリは鋭敏に感じます。エド・ワードが「Lively = 生命感ある」と表現しているアクションですが、フライロッドの感覚というよりも、延べ竿で釣る感覚とでも言えばいいのでしょうか。先調子の竿で聞きアタリしているような感触です。

フライ- ロッドティップまでをフローティング一直線に張っている状態で、ソフトハックルを水面直下でゆっくりリトリーブで釣ってみます。下からライズしてくるニジマスのショートバイトがビンビンと手元に感じられます。

シンキング・ポリリーダーを忘れたので、一直線とは言えない緩んだ形でビーズヘッドのニンフを使って水面下1mをスローリトリーブで誘っている状態でも、追い食いするニジマスのショートバイトが感じられます。

10フィートの超軽量ロッドなので、ユーロニンフぽくバットハンドルを持って、ポリリーダーから先だけ出してジグニンフを1.5mくらいまでテンションフォールさせてみましたが、一発でフッキングが決まる感度の良さ!

実戦フィールドでの使い勝手

使い勝手も見えたので、箒川C&R区間でウェット、ストリーマー、ドライで試してみました。

北海道でいろいろな場面で徹底的に使い倒してきました。

小さめのウェットフライを丁寧に操作するため、スカジットではなくスカンジで使ってみました。

まとめと続き

いろいろな状況で使ってみた結果から言えば、仲野さんがおっしゃる通りの新機軸のロッドであることは間違いありません。今までの10フィートロッドやスイッチロッドの欠点を補うだけでなく、新時代のロッドの幕開けであることも間違いありません。オーバーヘッドキャストの正確性を持ちつつも、スペイキャストしやすいという美味しいどこどりはスイッチロッドという言葉の定義を変えるものだと思います。

汎用性の高さも気になるところです。ニンフの操作が非常にやりやすく、渓流へ持ち込んでもいいかもしれません。スモールマウスバスの釣りにも使い易そうだし、クロダイに関してはユーロニンフにヒントを得た釣り方を企んでいるので、しっかり使ってみてから、他のラインシステムと合わせてまた書いてみますので、続きをお待ちください。

北海道で徹底的に使い勝手を試してみたレポートはこちら。

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