象が転んだ

たかがブロク、されどブロク

”東京ブラックホール”に隠された金塊の謎〜「戦後ゼロ年」の国家ぐるみの悪質な犯罪とは〜

2020年02月20日 04時03分52秒 | 戦争・歴史ドキュメント

 ”戦後ゼロ年”とは1945年8月15日からの1年間の事である。それは東京、つまり今の日本が形作られた原点だった。
 そして今、”戦後ゼロ年”を記録した貴重な未公開映像やCIA機密文書が次々と発掘されている。そこから浮かび上がってきたのは、ヒト•モノ•カネを貪欲に飲み込む欲望の”東京ブラックホール”なのだ。
 ”戦後ゼロ年”とは?”東京ブラックホール”とは一体なにもの?
 最新のデジタル技術で、戦後ゼロ年の東京にタイムスリップ!絶望と野望がせめぎ合うルールなき世界で、我々は何を見るのか?


「戦後ゼロ年〜東京ブラックホール」の闇

 終戦直後の東京を記録した鮮明な映像が次々に発掘されている。更には、極秘扱いだった10万頁に及ぶCIA文書が情報公開法によって続々と公開され、敗戦直後の東京をめぐる新たな真実が明るみに出てきた。
 そこに浮かび上がってきたのは、ヒト•モノ•カネをブラックホールの様にのみ込み膨れ上がる東京の姿。
 焼け跡に最初に出現したブラックホールは”闇市”だった。日本軍や米軍のヤミ物資が大量に横流しされ、大金を手にした野心家が、新しいビジネスを興す。
 六本木や銀座には治外法権の”東京租界”生まれた。占領軍を慰安するショービジネスから、戦後の大衆文化を担う人材が生まれた。

 以下、"ディレクター貴志謙介が描き出す「占領都市TOKYOの本当の姿」とは?"から抜粋&編集です。

 NHKの番組に限らず、この「戦後ゼロ年」が取り上げられる時は、その殆どが高度成長の話の“前フリ”です。
  要するに、”我々は負けた、そして全部ゼロになった。 けれど、それを乗り越え復興して高度成長に邁進した。結果、日本は世界有数の経済大国になり、めでたし!めでたし!”というありきたりのストーリー。
  その描かれ方も、当然ステレオタイプになり、いつも同じだ。”耐え難きを耐え…”から始まり、少しだけヤミ市の映像が出て煙を巻き、”けれど日本人は立ち上がりました”と。
 つまり、「戦後ゼロ年」“終わった時代”、もしくは“克服した時代”であり、その時の苦労話を延々やる必要はないという事かもしれない。しかし、「新•映像の世紀」の制作途中で出会った生の映像を観たり、資料や文献を調べたりするうち、随分と”戦後”のイメージが変わってきた。「戦後ゼロ年」について違った見方が可能な筈だという確信があった。


次々に暴かれる”戦後ゼロ年”の日本 

 番組の冒頭に出てくる日本軍の隠匿物資の一部で、現在の価値で数兆円とも言われる”金塊の山”が海から引き上げられる映像は、実はフランスのものだ。
 一方で、印象に強く残った売春施設の映像は、オーストラリアの戦争博物館からだ。
 当時の記録は、全てアメリカに残されてるだけと思ってたが、そんな事はない。別の国のアーカイブも丹念に発掘作業を行い、番組で使われてる。特にオーストラリアの映像は本当に貴重だ。 売春施設の中で働いている人も含め、全てが完璧に撮られている。 

 連合軍の専用列車、貴賓室の様な豪華な客車の中の映像もオーストラリアで見つけたものだ。一方でアメリカ公文書館に所蔵されてるのは、基本は公式記録なので売春施設など見せたくないものは残っていない。
 連合軍とは言え、実際はアメリカによる占領だ。つまり米軍は、占領をいかに上手にやったかを世界に宣伝したいが故に、目的にそぐわないものは隠すか撮影させない。

 例えばヤミ市とかもダメ、アメリカ人が銀座を大勢で闊歩しているのもダメ、焼け跡もダメ、売春施設も勿論ダメ。その上、アメリカ人が贅沢な暮らしをしてる所もダメ。
 その財源は日本が出したお金(終戦処理費)だからだ。日本人のお金で、アメリカ人が物凄く贅沢し、箱根や熱海の温泉に行っておいしいものを食べている。そういう映像が残ると都合が悪い。”民主主義を日本に植え付けようとしているのに、日本のお金で贅沢するのはおかしいじゃないか!”となる。

 一方で日本は戦争に負けた時、機密資料を全部燃やした。市ヶ谷の陸軍省や霞が関の海軍省•外務省•内務省•大蔵省、三宅坂の陸軍参謀本部ビルなど。玉音放送の直後から各所で公文書の焼却が始まり、3日間ずっと煙が上がったという。


闇市って何処から?

 この「戦後ゼロ年〜東京ブラックホール(NHK出版)」には、池袋•新宿•銀座•大森•新橋と色んな町並みが登場するが、銀座と新橋は”東京租界”と言われていた。
 東京の殆どは焼け跡になり、モノがなくなった筈だった。しかし、その中でもモノがあった空間が2つあった。
 一つはヤミ市”何故モノが沢山あるのだ?どっから来たんだろう?”と。しかし実は、それこそが横流しされた日本軍の隠匿物資だったのだ。

 そして、もう一つモノが沢山あった所が”東京租界”だ。これは米軍が接収したエリアで、それこそコカコーラやハンバーガー、サンドウィッチにアイスクリームなどの食べ物が溢れていた。
 つまり、”モノがあった世界”と”モノがない世界”が隣り合う一方で、贅沢な料理が食べられ、他方では残飯、或いは虫が食べられてたという、奇妙な空間構成だったのだ。

  その奇怪な空間の外側にいた一般の人間には、その実態は見えなかった。米軍のコントロールもあるが、その”内側はよくわからない”という状況がずっと続いた。
 70年も経って、”あ、そうだったのか?”と内実が見える様になった。内実を知る事を我々が躊躇ってた事もあるが、驚くべきはそれだけ米軍のコントロールが利いてたという事だ。
 この本の内容を、今の日本の状況や日米関係に重ね合わせると歴史の裏側が見える。ここから更に補助線を引けば、日本の“今”を理解する事も可能だろう。


闇市とカジノと利権と権力と

 戦時中、本土決戦が起きるとしたら米軍は千葉から上陸するのではないかと軍部が考えていた事もあり、千葉に軍部の物資あった。
 敗戦後それらを横流しし、辿り着いたのが秋葉原ヤミ市として繁栄し、電化製品の町になっていった。
 東京だけでなく、日本全土にまたがり、ヤミ物資の物流ネットワークがどんどん出来上がっていく。東京の物資が不足すると、大阪や神戸に買い出しに行く。

 一方で物資を台湾から密輸し、沖縄経由で本国へ、というケースもあった。台湾から与那国島あたりを経由し、神戸にたどり着き、それから東京へ。物流ネットワークの結節点の神戸•大阪•東京のヤミ市は、自然とその規模も拡大した。池袋では、後方には大農業地帯が広がってるから野菜などの食料品が取り引きされた。池袋も元はヤミ市から始まったし、新宿も渋谷も上野も同じだった。
 そうした物流のネットワークができ上がると、悪知恵が働く奴がヤミ市では次々と成金になっていく。
 戦前のガチの階級社会は既になくなり、実力次第で良いも悪いもなく、能力のある者が成り上がりボスになり、戦後社会の黒幕なった。

 この本の中では、東京の一等地を買占め、「ヤミ市の帝王」と称された、王長徳の発言も紹介されてる。
 ”銀座にバクチ場をつくるのは反対で、私は国営バクチ場を東京に近い島に作る事が必要だと信じてる。日本政府はそこから税金をとり、外人が遊びに来て何億という外貨を落して行く様にすれば、日本の為になる。
 私が日本の政治家を後援するのは、日本に国営バクチ場を立法化させるのが目的だ”

 この王長徳の宿願が70年経ってようやく実現する皮肉の結果だ。メンバーも世代も変わってる筈なのに、そういう利権の構造だけが残ってるのだ。

 東京オリンピックに大阪万博にカジノと、”在りし日の日本”に戻ってる様にも思える。結局カジノとは言っても、単純に利権になるというだけで、しがみついたら一生食えるという凄く大きな利権になる。
 全くいたたまれない事だ。こんな利権の塊の東京に、どんな未来が待っているんだろうか?


ブラックホールを直視するには?

 戦後は気が滅入る時代だったのも事実だ。庶民の目線でこの「戦後ゼロ年」を考えると余計に滅入ってしまう。勿論、歴史に光と闇はつきものだ。
 しかし、あまりにも闇の事が知られていない。東京や日本に偏在していた、そして今も存在する”ブラックホール”に目を凝らす。そうする事で光も見えてくる。
 皇居になだれ込む一般の人びとを描いた最終章では、光が見えないでもない。

 歴史は光と闇を織りなす織物。我々の暮らしもその頃に比べたら、良くはなっているが、光と闇の両方を知る事が必要だ。結局、そういう鬱々としたものをどう上手く伝えかがこれからの課題なのだ。
 明らかに“悪”なのに、なぜなくならないんだ?と普通は考える。でも社会のシステムは“悪”を含んで出来てる。「戦後ゼロ年」も良いとか悪いではなく、闇と光が絡まって出来てる。
 つまり、”ここに光があっちに闇が。こっちが正義であっちが悪だ”と、明確に分けられる程、世の中と歴史は単純ではない。それは韓国の反日を見れば明らかだろう。

 表の歴史と裏の歴史。しかし、そもそも日本は結局敗戦している訳だから、”敗者の歴史”が表の歴史(正史)としてある筈だが、あまり語られてはいない。日本や東京は、敗戦の歴史自体を表の歴史として、どれくらい受容できてるのだろうか。
 教科書には色々書いてるが、日本の歴史の殆どが神話や伝説のようなもの。日本には正史自体がありえないから、全てが神話で終わってしまい、今に繋がる受け止め方ができないから、日本は何かあっても次の日にはすぐ忘れてしまう。

 そうした状況の中で、この裏話をどう受け止めるのか?正直言うと読み手の事を考えて書いた訳ではない。忘れ去られた事が、知られてない事がある――そういう歴史の断片を拾い集めて伝えようと思っただけ。
 今、日本では歴史観が変わりつつある。資料も公開され始め、沢山の秘蔵映像も発掘されてきた。そうすると、正史の方もある意味でクリアになり、”裏の歴史”の持つ意味も解ってくる。表と裏がどう繋がってるのかが見えてくれば理想的なのだが・・・
 以上、NHK出版からでした。


最後に

 番組の冒頭では、結構な数の金の延べ棒が米軍ダイバーにより発見された。その映像を見て私は鳥肌が立った。
 これらは20億ドル(現在の数兆円)に及ぶ、日本軍が隠し持っていた隠匿物質の一部だとされる。
 敗戦を100%覚悟していた日本軍の上層部は、この様な贅沢な隠匿物質を隠し持ち、自分達だけが生き延びようとしていた。それも現場で戦い続けた兵士達を見殺しにし、その遺族や家族たちが餓死するのを見て見ぬふりをしてだ。
 軍上層部の多くは戦争責任を取る事なく、米軍に隠匿物質を与え、機密情報を漏らし、その引き換えにA級戦犯を免れていたのだ。

 一方、庶民は飢えに苦しんだ。もう日本に残されたものは何もないと信じ切っていた。
 ”天皇と大日本軍は我々国民と共にある。戦争に負けたんだから、日本には何も残ってはいないと。
 しかし、最低でも2年間は飲み食いできる食料や嗜好品が沢山残っていた。一部の軍上層部や政治屋は、その隠匿物質のおこぼれを盗み出し、温々と生き延びていたのだ。

 悲しいかな、軍人と民間人合わせて310万人の命が犠牲になった戦争の結果がこのザマである。それに、軍人戦没者230万人のうち過半数以上は、餓死によるものとされる。
 アメリカに戦争を売った時点で敗戦は判りきっていた。戦争になれば日本は真っ先に飢えで苦しむ事も判りきってた。
 現場の兵士も日本に残されたその家族も飢えで苦しみ、やがては死滅する事も、軍上層部には解っていた。
 だから戦争勃発後の早い内から、食料や嗜好品や金の延べ棒を国民から没収し、隠匿していたのだ。 

 結局、戦争とは軍上層部にとっては”美味しい果実”であり、国民にとっては”不都合過ぎる犠牲”でもある。何時の世も大衆は権力に踊らされ、最後には餓死する運命にある。
 それは今の時代も全く変わってはいない。



2 コメント

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闇菌ウッシーC (トンコルネおーら)
2020-02-20 16:53:40
児玉誉士夫や笹川良一らが
戦争のドサクサをバックに
此の国のフィクサー的存在となり
政治家を操って行った
イタリア系マフィアが
米国をクスリ漬けにして
大統領を利用し傀儡政権のもと
ブラックマネーロンダリングの
ゴッドファーザーとなる
トンコルネさんへ (象が転んだ)
2020-02-20 21:28:33
千の名前を持つkouunnさんへ(^^♪

イタリアが英国やドイツに代って欧州の派遣を握り、アメリカを潰すという夢を見ましたが。その通りになるかもです。もう今のアメリカはボロボロですもん。

アメリカは一日にして成るが、イタリアは一日にして成らずですかね。

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