プロレス統計

「プロレスの数字とプロレスする」をテーマにプロレスに関連する数字を調べ、まとめ、考えるブログです。

MENU

COVID-19による全世界のプロレス業界に対する影響調査

まさかこんな状況で新年度を迎えることになるとは思っても見なかったんですが、しかもこの状況がいつ収束するのかも目下不明というのがなんとも恐ろしい。
私の場合は今年度から大きく環境が変わることもあって時々刻々とそのスケジュールが変更・更新されていく様におののいています。

で、こんな状況を引き起こした原因たるCOVID-19は中国や韓国、日本などのアジアに収まらず今や世界中がその被害を被っているわけです。
先日は日本国内のプロレス業界への被害としていくつかの団体でキャンセルされた大会について紹介したわけですが、今回はさらに範囲を広げて全世界でのCOVID-19によるプロレス業界への影響を調べてみたいと思います。

 

調べたもの

今回もCagematchのデータベースから2019及び2020年の1月から3月にかけての全世界のプロレスイベントの情報をWebスクレイピングで収集しました。
いつもなら日本国内だけなんで楽なんですがさすがに世界中となると多少時間がかかりましたね。

プロレスイベント開催数

f:id:Rodyonsw:20200401214913p:plain

上図は1月(Jan)、2月(Feb)、3月(Mar)に行われた大会数をそれぞれ棒グラフで表示したもので2019年の大会数は青、2020年の大会数はオレンジで示しています。
実数は棒グラフ中に示していますが、参考として2020年は2019年と比較して何%の変化があったのかを2020年の棒グラフ上にそれぞれ示した居ます。
御覧のように1月は昨年比+3%の812大会が行われていたものの、2月には昨年比-10%の840大会が、そして3月には407大会のみ、昨年比-63%と大幅な減少を見せています。

1月中はほぼ昨年通りと言えますが、この時点ではCOVID-19の拡散はほぼ中国国外に至っておらず、同国があまりプロレス興行が行われていなかったためにプロレス業界への影響は小さかったと言えるでしょう。
2月になると徐々に日本での感染が拡大し、一部団体では政府からの要請に先んじて大会の中止などが始まり、月末には政府からの要請が出て、以降3月上旬までの興行の自粛が徹底されることになりました。
とはいえこの時点ではまだアジア圏が主であったため世界規模の影響ではなかったとも見えます。
しかし3月に入るとプロレス業界最大の市場でもあるアメリカでも拡散が始まり、政府からも8週間の50人以上の集会の自粛が通達された*1ことで一気に興行数が半分以下に減ったと見えます。
特に3月終わりから4月はじめにかけてのシーズンはアメリカプロレス界ではWWEのWrestleManiaに付随したWrestleMania Weekでにぎわうのが通例であったため、WrestleMania自体の無観客開催への変更もあり、大きな影響があったと言えるでしょう。

主要国イベント数推移

ここではCOVID-19による影響をよりつぶさに見るべく、1月~3月を上旬(B)・中旬(M)・下旬(E)に分け、2019年に対する2020年のイベント数を%で示してみます。
また以降ではプロレスが盛んとされるアメリカ(USA)、日本(Japan)、メキシコ(Mexiko)、イギリス(UK)の4か国に着目して、各国のデータのみを示しています。

f:id:Rodyonsw:20200401214926p:plain

示した結果がこちらですが、イギリスを除く3か国についていえば2月まではほぼ昨年と同程度の大会数前後だったのが3月の上旬(Mar_B)からいずれも減少傾向にあります(イギリスでも3月からの減少傾向は同様)
特にアメリカ、メキシコ、イギリスについては前年比の数%台になっておりほとんどすべての大会が中止になっていると言えるでしょう。
そういう意味で全く異なる現状を示したのが日本で、3月下旬(Feb_E)から3月中旬(Mar_M)に関してはアメリカとほぼ同様の推移を示していたものの、3月下旬でも前年比40%程度の大会が開催されていることが分かります。

アメリカについては上述のように3/16から「8週間のイベントの自粛要請」が行われ、
メキシコでも3/23から5000人以上の大規模イベントの延期要請を出していたのが先日31日からはより厳しくなり50人以上の集会の自粛要請に変化と、国家規模で大きな集会の自粛要請が継続している現状にあります。

イギリスでは当初あまり厳しい対策をとることはせず、3/13の時点での英国首相の声明*2でも「(12)我々は,スポーツの試合のような誰もが参加できる主要なイベントを禁止するかを検討しているところである。科学的アドバイスによれば,そうした禁止は今まで言ってきたとおり感染拡大にほとんど効果を持たない。」として検討中という話だったんですが10日後の23日の緊急スピーチ*3では「3人以上が公共の場で集うことや、結婚式等を含む社会的行事を中止する」とかなり厳しい方針に転換しています。

対する日本は3月中旬までは政府からのイベントの自粛要請はあったものの、それ以降は各自治体(東京都や埼玉県など)レベルでの要請に変化、それに伴い一部自治体ではイベントの再開も始まりつつあるようです。
その関係もあってか、大日本プロレス等の一部団体は現在も一部会場で大会を開催しているようです。
また有観客試合も行われてはいますが一方で無観客試合も最近では増えており、2019年時点では1~3月に2件のみだったのが今年は3月のみで17件の無観客試合が世界で開催されて、その内5件はアメリカ、12件が日本で開催されています。
うち9件がDDT・東京女子・NOAHのサイバーエージェントグループでありAbemaやDDTユニバースといったネット配信をうまく利用しているとも言えますね。

 

所感雑感

ということで世界のプロレス業界へのCOVID-19による影響でした。
裏方の話をすると1月分の興行データ(試合の情報を含まない)だけで1MBくらいあるのでこれはちょっと大規模には集計はできないなぁと思ったりしました、生活が落ち着いてもうちょっとPCのスペックが向上したら考えないでもない(やるとは言っていない)

それはさておき、当初は日本とアメリカで結構影響に時差があるんでは?と思いながら集計していたんですが、上中下旬のくくりになると思ったよりも時間差はなく各国に影響が出ているようにも見えますね。
というか逆に今現在では日本でのほうが大会が行われているというのは少し驚きなんですが、それに関してはやはり各国政府の出した要請の違いでもあり、各国のプロレス団体・プロモーションの違いでもあるかもしれません。
アメリカの場合プロモーションはあくまでも各選手とその大会に出るよう契約をして興行を成立させているので、日本の団体にような所属選手という構造もあまりないとか(WWEとかはそういう形式ですけど)。
そういう状況を見るとプロモーターは要請が有れば大会を中止するのみ、に対して団体は雇用している選手がいる以上何とか大会を継続して収入を得ないと生きていけない部分もあったりするとは思うので(プロモーターも返金対応で大変だとは思うけど)。

いずれにしろ終わりが一向に見えないこの状況、「早く終わればいいのに」とは思いつつもどうせだったら後世に残すようなデータをとっておこうと考え直す日々でもあったりします。
というわけで気が滅入らない程度に今後も色々調べたいところです。

きょうはこれまで、それでは