前回、傷ついた卵管を修復して自然妊娠につなげるFT(卵管鏡下卵管形成術)についてお話しました。
今回はFT法の実際についてご案内しましょう。
FT法とは、詰まっていたり、狭くなっている卵管を通すカテーテル手術です。
従来、卵管の手術といえば、入院による開腹手術や腹腔鏡手術が中心でした。
しかしこのFT法は、外来での日帰り手術も可能です。
FT法に用いられる卵管鏡は、円筒状の伸長性バルーンカテーテルと、その内側に毛髪ほどの細さのカメラを組み込んだシステムで、卵管内腔の病態を直接把握し、治療することができるのです。
手術中は簡単な麻酔を施しますので、痛みはほとんどありません。
さらにFT法は体へのダメージが少なく、保険診療が適用されることから費用面でもとてもメリットがあります。
体外受精とは別の観点で妊娠をサポート
治療成績としては、卵管の開口が80%以上に確認され、術後の妊娠率も非常に良好です。
不妊治療における診断で医師に卵管の病変を指摘され、体外受精のすすめられている患者さまにとって、FT法は非常に有効な治療法かもしれません。
体外受精を検討する前に、事前検査を受けてトライしてみる価値は十分にあるでしょう。
以前の記事もご参照ください
卵管因子の不妊治療 自然妊娠につなげるFT(卵管鏡下卵管形成術)について
不妊症の一般的な検査 ⑥子宮卵管造影 レントゲン撮影でたくさんのことがわかります
文責:[不妊コーディネーター部門] 山本 健児 [理事長] 塩谷 雅英
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