つれづれ晴れ

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敏感すぎて生きづらいオタクがイラスト情報や書評を書き綴る雑記ブログ

日本人は「やめる練習」がたりてない。大人でもトライ&エラーをしてOK

「やめる練習」というタイトルに惹かれて読んだ本です。

日本人は「やめる練習」がたりてない (集英社新書)
 

 本書は、マレーシアと日本で子育てを経験したことのある著者が
「やめる」とう観点から日本とマレーシアを比較しています。

私が読みたいと思ったのは、転職を何度か経験した中で
「苦しくても、続けることが美徳なのか?」という疑問を
持ち始めたからです。

もうすこし「やめる」ということをゆるく考えてもいいんだ、
と前向きになる考え方を知りました!

 ハッピーじゃなければやめる

著者のマレーシア人の友人の子供は、転居をしていないにもかかわらず
何度も転校をしています。
彼らの考え方は「ハッピーじゃないなら転校する」というものです。

学校を変わる? いいんじゃない? 「ハッピーじゃなければ居場所を変える」という考え方は、とても気に入った。
だから長男がまたまた「学校が楽しくなくなった」と言い出したとき、「ではどうする? 他の学校を見に行く?」と気軽に聞くことができた。
彼が同意したので、近所にある学校を見学しに行った。そして試験を受けて転校することにした。

私にとって、学校は好きじゃなくても行かなければならない場所だと思っていたので
この考え方には驚きました。

私は性格が暗く、おとなしくて自分の意見を言えないタイプでだったので
嫌がらせを受けたこともあり「ハッピーじゃない」時期がありました。

でも「辞める」という選択肢は浮かぶはずもなく
学校は我慢して通うところだという認識でした。

「ハッピーじゃなければ居場所を変える」

大人ならば、転職をする際の基準として「自分がハッピーか?」
というシンプルな考え方を持ってみるのもいいと思いました。

同じクラブを続けてはいけない

マレーシアの学校では、毎年同じクラブ活動を続けることが推奨されていません。

興味があることをあえてやらせず、
色んなことにチャレンジして自分の可能性を探すことが優先されています。

この考え方も日本とは違って面白いと思いました。

私の通っていた学校では、部活動をやめるべきでないと強調する先生がほとんどでした。
たとえ、勉強する時間が取れなくて部活をやめたい生徒がいても
「部活動をやめたら、かえって成績が落ちるよ」と言う先生もいました。

本書では、日本の学校は「我慢の練習」をする場所で、
「やめる練習」は教えてくれないという立場です。

1つのことを継続すればするほど上達につながりますが
色んな可能性を探すことも、子供の頃には大事だと気付かされました。

つまり、興味のあることを「あえてやらせない」。そのかわりに、新しいことに挑戦させているというわけだ。
「自分にとって、ある活動が、おいしいかおいしくないか、全部トライして味を見極めることができるんだ。
喩えれば、子供は草がたくさん生えている〝可能性〟という宝探しの場所にいるようなもの。

 

大人でも仕事でトライ&エラーしてよい

マレーシアでは、子供の頃からやめる練習をしているので、
会社をすぐに辞める人も多いそうです。

日本においては、会社をすぐ辞めることは
「粘り強さが足りない」「本人に何か問題があるのでは」と思われてしまいがちです。

私も短期間で仕事をやめた事があるので、
面接の際に「短期間で辞めているが、何かあったのか」と質問されたことがあります。

私の場合は、ブラックな環境だったことが一因ですが
仕事は会社に入ってみないと、適性も環境も分からないことが多いです。
求人票と実際の労働条件が違うこともありました。

著者は大人でも「トライ&エラー」が必要と言う立場で
とても共感をしました。

「マレーシア人はちょっと怒るとすぐに辞めてしまう」とこぼしていたが、これは本当だ。
しかし、それは悪いことなのだろうか。これは単なる「トライ&エラー」の大人版に過ぎないのではないか。
結局のところ、適性なんて実際にやってみないとわからない。
頭でいくら考えたところで、自分が本当に好きか嫌いかは、大人だって理性だけではわからないものだと私は自分の経験から学んできた。
特に職業の持つ嫌な面や、環境に耐えられるのかどうかは、想像力で補うのが難しい。
それに辞めてみないと、新しいことを始めるのは難しい。

 

これからはやめる練習が必要

変化のスピードが速い時代、今ある仕事が今後続くか分からない中
「やめる練習」はより必要になっていくと思います。

早期退職募集が増えているというニュースもあります。

www.nikkei.com

本書では大人がやめる練習をする際に考えてみることをこのようにあげています。

・「ずっとやっていいこと」と「やりたくないこと」を分ける

・分かったら、今いる場所で自分に向いているものを強化できないか試してみる。

・社内に向きそうな部署があるのなら、異動願いもしくは転職を考える

・副業・アルバイト・ボランティアから始めてみる


何事にも複数の選択肢を持ち、1つの会社にこだわらずにAがだめならBというように考えれば自由度と選択肢は広がります。

 

やめる練習まとめ

ずっと日本に住んでいて、外国とのかかわりもあまりない方だったので
マレーシアの事例を知るたび「こんな考え方もあるのか!」目から鱗の連続でした。

日本でももう少し「やめる」ことに寛容な社会になればいいのでは、と感じました。

その一方で、やめるのでなく1つの事を続けることで得られるものもあると
感じ、両方の考え方を知ることが出来て勉強になりました。

読み応えもあり、新しい考え方を知ることの出来る楽しい本でした^^

日本人は「やめる練習」がたりてない (集英社新書)