りくのら夫は週末に房総鴨川で用事がありました。
ただ行って帰ってくるだけじゃつまらない、というので、行きは輪行した自転車を持って電車ででかけ、夕方の用事を済ませたらキャンプ場で泊まり、翌日、自転車で帰ってくる計画を立てました。
夏休みの房総観光地をナメていたため、キャンプ場の予約が取れずワタワタとしてましたが、なんとか開いているところを見つけたようです。
アンティークホテル ら・みらどーる → の前庭がオートキャンプ場になっているところだそうです。
ホテルの名前は相当なものですが、ちょっとだけ入って検分したところ、嵐の夜に交通および外部との連絡が断たれて(黒電話前提)、謎の殺人事件があり、閉じ込められた人々が恐れ慄くに雰囲気ぴったり、と申しておりました。
ぜひ一度、泊まりに行ってみたいものです。
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眠ろうとしていたら、テントの外でなにやら小さなものがゴソゴソとよじ登る気配がするのだそうです。
地面から出てきたセミの幼虫が、羽化せんとして足場を求めて何匹もよじ登っているんだそうです。
写真は、テントの窓の縁をここぞと定めて、殻を抜けたセミが、まだ白い羽を乾かそうとぶら下がっているところだそうです。
時間は夜の九時頃だそうです。
朝までかかって羽根をしっかりと固めて飛び立つんだそうです。
セミの羽化というのは大変な作業で、殻から抜け出す時の足場がしっかりしていないとうまくいかないようです。
一匹、気の毒にもテントの側面の壁をよじ登り始めてしまったやつがいて、テントの面は合成繊維でつるつるしているため足場が悪く、ずるずると滑り落ちながら羽化したために、朝になっても片方の羽根がしっかりと伸びきっていない、かたわなセミになってしまったんだそうです。
自転車に乗ろうとしたら、ハンドルにぶら下げてあったグローブの内側でも羽化したやつがいた模様。
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ちょっと待って。
もしかしたら、晴れて地面から出ようとしたセミの幼虫の真上にテントを張っちゃった可能性もあるというわけか。
地中生活期間が長いと(17年ゼミとか)、頭の上に家が建っちゃうこともあるそうです。
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荒川自然公園は、浄水場の施設の上に盛り土して作られている広い公園です。
都電荒川線では「荒川二丁目」停留所で降りると目の前です。
都電沿いに、公園入口まで遊歩道があります。
昔、この遊歩道には点々と虫のタイルが敷いてありました。
カブトムシ
テントウムシ
アゲハチョウ
カマキリ
トンボ
が順番に並んでいた、と思う。
りくのら子たちが小さい頃、自転車の前と後ろにひとりずつ乗っけて、自然公園に遊びに行った帰り、この道を通る時には、
あ、虫がいる、虫がいる、踏んじゃうよ~、カブトムシ、グチャ~!
なぞと言って、子どもたちをわあわあ騒がせて遊んだものです。
りくのら子たちは、虫を踏んでほしくないものですから、
よけて!
よけて!
と騒ぎますが、
ああっ、よけられない、よけられない、踏んじゃった、ぐしゃ~!
とやりますと、前後でぎゃあぎゃあと騒いだものです。
ちょっと大きくなって、子ども用自転車を走らせることができるようになると、虫のタイルを踏まないようにしてました。
が、ハンドル操作に習熟していないものですから、アゲハチョウのタイルを踏まないように頑張ったりくのら娘は、生け垣にずざ~っと突っ込んだことがあったなあ。
ごめんね、ごめんね。
そのうちに、絵だから! と相手にしてくれなくなりました。
という思いで深いその遊歩道の路面は、舗装が新しくなって、もう虫は一匹も描いてない。
残念だ。