下北沢駅から歩いて3分、餃子の王将の赤い看板が目印の下北沢囲碁会館は、この街で古くからやっている碁会所です。
もう少し駅に近い場所で始めたのを、現在の席亭の江澤俊彦さんが引き継ぎ、今の場所に移って10年だそうですが、その間、元旦を除く一年364日を年中(ほぼ)無休で開業してきた碁会所です。
こちらのブログ記事「碁会所探偵シホ&クニ」にとてもおもしろく書かれていますのでご覧ください。
何年か前の記事ですが、対局室の雰囲気や席亭さんの様子は現在とちっとも変っていません。
妖怪かな?
囲碁の妖怪なのかな?
10年の間、元日以外はお休みなしで営業してきた碁会所が、新型コロナウイルスという不慮想定外の原因で休業することになるなんて。
しかも2週間も?
と嘆き悲しんだのが3月の初めの頃。
終わりなく続くように感じられたのに、案外あっという間でした。
下北沢囲碁会館、3月20日の春分の日から復活しました!
久しぶりにお目にかかった席亭、江澤さんにとっては、全然あっという間ではなかったそうですが。
年をとって仕事を引退したら、毎日こういう日々が続くのか、と、事前シミュレーションさせられた気分だったそうです。
江澤席亭だったらたとえお店を退かれても、何もせずにぼんやりしている様子なんて、ちょっと想像しにくいですけどね。
☆o。:・;;.。:*・☆o。
下北沢囲碁会館の営業再開に伴い、ここを会場とする下北沢囲碁教室も、元の古巣に戻って開講できるようになりました。
一安心です。
営業再開日、春分の日の金曜日教室の様子です。
新型コロナウイルスの感染拡大が収まっていないことを考えると、外出を控えられる生徒さんも少なくはないだろうとの心配を他所に、再開を待ちかねていらしたたくさんの方においでいただきました。
ありがとうございます!
この日のトピックは、小学校のコロナ休校に続く春休み、の長いお休みを無為に過ごしてしまうのは惜しい、何か好きなことをじっくりやろう、そうだ、囲碁をやろう!という素晴らしい計画の元、父子で親子レッスンを受けてくださっていたおふたりが、教室デビューでご参加くださったことです。
金曜日教室で最高齢でいらっしゃる生徒さんのお生まれ年は大正14年。
初参加の小学生は春から3年生。
更に、今年から教室に来てくださるようになった大学生の若者は、モンゴルからの留学生。
年齢も、国境も越えて楽しめる囲碁の真骨頂が表れるような教室風景となりました。
☆o。:・;;.。:*・☆o。
さて、コロナ休業期間中の下北沢囲碁教室は、神楽坂の和風ダイニングバーLesAmis(レザミ)に疎開してシノいでいました。
生徒さんのお一人がご所有のお店の開店前の時間を、快く提供してくださったからこそできたシノギ筋でした。
神楽坂の坂のほぼてっぺんです。
飯田橋から坂を上がってくると、淀の競馬場の第三コーナーからの長い坂を駆け上る(そしてタレる)競走馬(古馬)の気持ちがよくわかる。
たぶん若くて元気なモンゴルからの留学生は、この坂を楽々と上っていたんだろうなあ。
外出を控えられた生徒さんが多く、小人数の研究会のような教室になりました。
それでも新しい会場まで休まず足を運んでくださった生徒さんに方は、感謝しかありません。
教材に使うのはいつものように、生徒さん同士で打たれた対局です。
レザミのU字型のバーの内側、バーテンダーのポジションに先生がお立ちになり、カウンターがヘアピンカーブするところに生徒(と、りくのら)が着席し、碁盤と先生、そして対局したご本人も目の前にして、並べながら解説を聞くという形でした。
こう打つのはどうですか?
これも考えたんですが。
と質問する時に、「ここ」と碁盤を差せるのはとても良いですね。
教室形式で大盤を使っていると、
「黒がそこに打ったら...」
「そこってここですか?」
「ちがうちがう、そっちの...」
「座標でおっしゃってみて」
「ええっと、四の8かな?」
「え、もう石ありますね、どこかな」
「ああ、八の4ですね」
「そっか、横から読むのか」
みたいになるんですよね。
ならない?
それに実際に碁石を並べていくと、自分が対局している気持ちになりやすい。
教えてもらってる、じゃなくて、研究しているって気分になります。
場所を提供してくださった生徒さんは、毎回、一番にいらっしゃって鍵を開けて待っていてくださいました。
ありがとうございます。
ありがとうございます。
講義が始まる前に、その日の教材の一局を並べる予習にまで付き合ってくださいました。
ありがとうございます。
ありがとうございます。
☆o。:・;;.。:*・☆o。
ご存知の通り、神楽坂の一帯はパリモンマルトルの街並みに似せたとも言われ、古くからの花街の雰囲気も残る歩いても楽しいところです。
中でも名の知られた鳥料理とうどんすきのお店に連れて行っていただきました。
ひとりで来たらとても入れないような立派なお店の設えです。
レザミオーナー様のお口ききで待たずに案内していただきました。
すごいな。
とても美味しい親子丼をいただいたんですけど、夢中で食べてて写真を撮ることは失念しました。
ご一緒したモンゴルからの留学生は、
「囲碁やっていてよかったです」
と、とてもまっすぐな感想を述べられました。
☆o。:・;;.。:*・☆o。
ところで、モンゴルでよく食べられている肉は5種類あるそうです。
牛、馬、羊、山羊、駱駝
なんだって。
羊、羊、羊、羊、羊
だと思っていたら、ちがいますよ、って笑われました。