日本政策投資銀行(DBJ) 日本総合サービス

日本政策投資銀行職員の送迎に従事していた運転手が偽装請負の改善を要求後強制異動させられ雇止めされた事件を社会に公表する。

日本政策投資銀行事件 9-2

2018-10-19 10:58:11 | 日記

第3 予想される争点及び争点に関連する重要な事実

本件配転命令は権利濫用に当たるか否か
(1)被告は異動命令に異議なく従う旨の原告誓約書を証拠として提示し正当な異動と述べている。しかし異動(配転命令)は絶対的なものではなくその濫用は違法であり、それによっておこなわれた配転は無効である。 

(2)配転無効の法的根拠
 
1 配転命令が権利の濫用に当たるとされる判断基準は最高裁第二小判決(東亜ペイント事件)に示されている。それには 1業務上の必要性の有無 2業務上必要性があったとしても配転命令が不当な動機・目的等によってなされた場合 3労働者に通常甘受すべき程度を著しく超える不利益が生じている場合である。さらにこの判決において原告(1.2審)被告(最高裁)は 被告が全国規模の会社に営業職として入社し主任待遇であり、さらに会社内で定期的に配転が行われていたという事実を示した。

2 信義則上一定の手続きを取ることが要求されそれを無視して強行された配転命令は権利の濫用に当たる。配転に関し使用者側は労働者側に対し内示や意向聴取を行い配転の内容や必要性を説明するなど労働者に必要な情報を時間的余裕をおいて十分に提供する必要がある(三井造船事件 『大阪地裁』昭和57年) 

(3)権利濫用の評価根拠事実について

1 この配転は業務上必要性がない 
(一)業務上必要性を認めるためには「①労働力の適正配置 ②業務の能率増進 ③労働者の能力開発 ④勤務意欲の高揚 ⑤業務運営の円滑化」が必要である。

(二)①において原告は平成28年1月4日より支店勤務の常勤運転代務員をやらされているがこの職種は県内に点在する運転手が休暇等に備えて代わりにその勤務先に移動して運転する業務である。しかしながら移動するための手段として自家用車が不可欠であり原告は自家用車を保有していない。支店にある社用車を使用するも自宅に駐車するスペースがないため現実的に代務員の資格はない。これについては平成27年3月下旬、支店において佐藤支店長と面接した際、運転代務員を提示されたが原告が自家用車を持たない理由から採用にはならず原告自身からもお断りした経緯がある。

(三)平成27年4月1日から3日にかけ3度に渡り支店K課長より日本政策投資銀行への紹介の電話が原告にあった。4月7日、午後にK課長より日本政策投資銀行から面接したいとの希望の電話が原告にかかってきた。4月9日、午後に日本政策投資銀行の事前面接を受けた。応接室ではK課長が同席し原告の履歴書が渡され、前支店長、前次長、青木総務課長兼次長、T運行管理責任者との直接会話による面接を受けた。翌日、K課長より電話があり原告の採用が決まり4月15日より勤務することとなった。派遣先での事前面接は禁止行為であり直接雇用でなければこの行為は許されないはずである。被告は労働審判答弁書(以下、答弁書)で平成27年4月4日に内定を原告に告げ事前面接ではないと述べているが内定を受けたのであれば内定通知書が渡されるのでその証書を提示することができるはずである。しかし内定通知書は存在しない。

原告の先にも日本政策投資銀行に求人する複数の人が面接を受けたが、すべて50代の方達であり、委託先から長く勤めてもらう為に若い方を望むという意向を受けて原告は採用された。要するに原告の日本政策投資銀行の配属は委託先の要望であり、同銀行の面接で「どのくらいの期間勤められますか?」の質問に対し原告は「定年まで勤めさせてください」と述べており仮に短い期間を述べていれば採用にならなかった可能性を否定できない。翌日10日、K課長より原告の携帯電話に「日本政策投資銀行から気に入られたみたいだよ」と連絡が入りこの時点で実質的な内定を受けているのである。正式な配属日は未定であったが4月13日にK課長より15日に前任者のO運転手が気仙沼方面に送迎するのに伴いこの日から同乗研修をかねて働き始める指示を得たのである。                    

(四)原告より先に常勤代務員として勤務しているK氏は平成27年10月より固定顧客先に常駐して勤務している。さらに原告が勤務していた日本政策投資銀行では原告の後、非常勤代務員であった者を務めさせている。つまり本来常勤代務員として採用されていた者が固定顧客先で勤務し、非常勤代務員が原告の後任として日本政策投資銀行に常駐し、当初より銀行で勤めていた原告を常勤代務員にするのは適正配置とは言えない。常勤代務員は面接により自家用車の使用を自ら認めて採用されているのであり、仮に原告が自家用車を保有してもそれを使用するか否かは自由でありそれを強制するのは財産権の侵害である。
   
答弁書で常勤代務員は一時的な対応としての勤務と述べているが、K氏は半年間、固定顧客先で勤務しておりこの勤務は一時的とはいえない。この期間に原告が常勤代務員の指示を受けているのでありK氏と原告が就業場所を交替しK氏を本来の常勤代務員に戻すことは可能であった。支店に常駐している代務員を「常勤代務員」その都度代務を依頼する代務員を「非常勤代務員」と述べていながら支店に常駐できなければ意味をなさず、日本政策投資銀行に非常勤代務員のS氏をその都度代務を依頼して配置しているわけではない。非常勤代務員であっても本人の同意を得て勤務体制を常勤に変更しているのに対し、原告には同意どころか本人の意向を無視している配置に適材適所の合理性はない。

「代務の場合の自家用車を業務用に使用する場合は、代務員の業務用使用の合意を得て行なっている」と述べているが仮に原告が自家用車を保有していても事件の経緯から合意することはありえなくこの時点で代務員の勤務を遂行することはできない。故に適材適所とはいえず権利の濫用といえる。

(五)支店には200名を超える運転手がいるが日常的に配転はおこなわれていない。入札不調や事故等頻繁に起こした場合の配転はあるが基本的に当初からの配属先に定年まで勤務することが一般的である。原告が勤めていた日本政策投資銀行を挙げれば同僚は2年間配転なくこの場所で勤務しており、原告の前任者も定年退職するまで10年以上この場所で勤務している。(定期異動は無い) 

(六)支店において原告の仕事というのは8時半から17時半までデスクワークもなく椅子に座っているだけがほとんどであった。たまに支店の営業職員の運転手をしていたが普段職員は自ら運転して営業しているので原告が運転する必要性はない。

(七)いずれは固定客につかせる為の臨時的な処置としても2ヶ月間ほぼ放置されている状態であり固定客の目途も立っていない。支店研修と述べても支店内には乗用車が4台あるのみで営業職員が日常的にそれらを使用している。1月2月を通して何度か客先の運転手が病気等により運転代務員の必要性が生じたが原告が運転代務員をしたことは1度もなく指導員や営業職員がその代わりを務めている。

答弁書で研修を十分に行なえなかったとあるが1月2月を通して勤務日数が29日あり、1月のみでも11日あり行なえなかったは誤りである。行なえなかったのではなく行なわなかったのである。なぜならば不当で必要性のない配転に研修事態ありえないからである。研修の必要性があるのならば29日間の研修記録が存在しているはずなので提示せよ。

原告が日本政策投資銀行に勤め始めた平成27年4月15日~24日まで実質8日間の前任者による同乗研修がされた後、27日(月)から独り立ちした。それに対し後任のS氏には上記のような研修もされず原告との面識すらない。被告は原告の研修を述べながら非常勤代務員のS氏を引継ぎや顔合わせもせず日本政策投資銀行に配属させたのは原告を同銀行から排除しようとした証拠である。

(八)②~⑤において原告は成人してから傷病を発し入院したことが無く、通院暦も極めて低く、職場においての欠勤は皆無に等しいほど心身健康であった。しかしながらこの配転により欠勤が続き、1月下旬には自宅療養をする結果となった。

(九)2月より気持ちを切り替えて職場復帰するも快復の兆しは程遠かった。しかしながら被告は原告の気持ちを理解すると信じ、3月1日には日本政策投資銀行に復職できるという望みから我慢したが2月23日の調停でその期待は裏切られ、さらに始めて渡された陳述書を見てその虚偽記載に憤り、特に原告が偽装請負を行ったと記載されたことに言葉を失った。その結果、精神的にもおかしくなり2月26日心療内科を受診した結果ウツ状態と診断された。診断を経て被告に病状は不当な異動によるものであり早急に異動撤回をすることによって職場復帰をしたい旨を伝えたが無視された。被告はその後も原告を放置しその結果3月14日の診断の結果、自宅療養の延長及び加療が施された。

この配転は業務上必要性を有する具体的事項に全く当てはまらず、それどころかこの行為によって原告の健康に著しい害をもたらしたものである。【甲2の1,2 診断書】 


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