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東からの放浪者

様々なソフトウェア開発を経験してきた視点から、開発、マネジメント、経済などについて書いています。
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参議院選挙2019:政党・党首たちは、緊縮か反緊縮か

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参議院選挙2019:政党・党首たちは、緊縮か反緊縮か

前回の記事で、東京選挙区の候補者たちを 緊縮 と 反緊縮 に分類してみました。
今日は政党、及び党首を判定します。

まぁ、政策がまともな場合でも、その政策が実施されるとは限りませんがね。
でも、正しい財政の知識を持っているか否かは、大事な点。

ちなみに前回同様、財政以外の思想や政策は考慮していませんので、あしからず。

自由民主党 (党首:安倍 晋三)


なぜか、直近のつぶやきや、政党サイトの公約に
消費税財政に関する情報が、ほとんどありません。

まぁ現与党なので、政権の政策を見ればよい話です。

骨太の方針2019 (PDF)

国・地方の基礎的財政収支(以下「PB」という。)の対GDP比は、2012 年度の▲5.5%から 2018 年度には▲2.8%に縮小する見込みである。

政府の黒字化(=民間の赤字化)を目指すそうです。
いい加減「誰かの黒字は、誰かの赤字」の基本くらい理解してくれ。

消費増税の理由が書いてありませんが、それは前年の資料に書かれています。

骨太の方針2018 (PDF)

現役世代の不安等に対応し、個人消費の拡大を通じて経済活性化につなげるためには、2019 年 10 月1日に予定されている消費税率の8%から 10%への引上げを実現する必要がある。

日本人は、消費増税されると消費を増やすことになっているらしい。。。

そして党首にしても、この ↓ 認識です。

消費税増税を安倍首相の発言から追う
https://bunshun.jp/articles/-/9411?page=2

「私もできれば上げたくありません。それは本当にそうなんですが、昨年の衆院選で約束した幼児教育の無償化を来年10月から始め、再来年、高等教育の無償化をスタートするには、やはり消費税を上げなければなりません」

産経ニュース 9月30日

税金は、景気の調整所得の再分配が主な目的で、政府の財源の基本は国債なんですよ。
(参考:中央銀行の誕生と税金の役割

完全にダメだな、この政党( ´_ゝ`)

西田 昌司 (にしだ しょうじ)

自民党候補者にも、財政の正しい知識を持っている人は(ほんのわずかですが)います。

自民党・西田昌司「安倍総理、今からでも消費税増税の凍結を!」
https://jisin.jp/domestic/1753414/

「そもそも、国は中央銀行(日本銀行)を通して、通貨を発行することができます。いくら国債を発行しても、財政破綻することはありません」
「デフレ下のいまこそ、どんどん国債を発行すべきだと考えています」

まぁ、ただ自民党には党議拘束があるので、党の意見に従わざるを得なくなるでしょう。

基礎的財政収支の黒字化目標、自民2回生「撤回を」提言へ https://www.nikkei.com/article/DGKKASFS25H0K_25062017PE8000/

自民党の当選2回の衆院議員が、2020年度の基礎的財政収支(プライマリーバランス=PB)黒字化目標の撤回を求める提言をまとめることが分かった。経済成長を優先し、PB赤字を気にせず公共事業や教育分野の歳出を増やすべきだと訴える。19年10月に予定する10%への消費増税の凍結や教育国債の創設も盛り込んだ。

(太字は管理人による)
2017年に提出されたこの提言も、ガン無視されましたからね。

公明党 (党首:山口 那津男)


党首は、東京地区の候補者なので、前回の記事をご参照ください。m(_ _)m

政党のサイトも、党首の意見が色濃く反映されています。
消費増税、そして身を切る改革(歳出削減)です。

政府の赤字は民間経済の黒字。政府の黒字は民間経済の赤字。

民間経済を赤字化させることが公約のようです。
小学生でも分かる国民経済の基本を分かっていない。

日本維新の会 (党首:松井 一郎)


気になるツイートは以下。

財源を捻出するために、他のところを削ったら意味ないんだよ( ´_ゝ`)
歳出自体を増やさないと。


大阪では、教育無償化のために、他の誰かが犠牲になったわけですね。
それから、地方自治体と違って、中央政府は通貨を発行できるんだから。

国家の財政を全く理解していない。

立憲民主党 (党首:枝野 幸男)


政党サイトでは、消費増税の凍結を謳っていますが、
政党サイト、党首サイト共に、財政拡大には触れていません。

最新の公約では、消費税減税・廃止になっているようです。
ただ、これは党員からの圧力によって変遷したものです。

立憲の候補予定者、相次ぎ「消費税ゼロ」主張 党方針は「増税凍結」だが...
https://www.j-cast.com/2019/06/03359107.html

この直後に演説した枝野氏は家計収入を底上げする重要性を強調。サービス残業をやめさせたり保育士や介護職員の賃金を上げたりすることを訴えたが、「消費税」の3文字が登場することはなかった。

本来、政党・党首は緊縮派なわけですが、
党員の中に、薔薇マーク認定候補者(※)も出てきてしまったので、
変えざるを得なくなったようです。

党首の力が弱い政党ならでは、ですね。

※薔薇マークキャンペーン
主に左派を中心とした「正しい財政の知識を身につけ、財政拡大を訴える」運動

国民民主党 (党首: 玉木 雄一郎)


気になるツイートは以下。

私の知る限りでは、財政法の問題に切り込んだ人は、野党では初めて。
(参考:消費税と財政法の理念と危険なマネージャ


マスコミは「放漫財政・バラマキが経済悪化の原因」とか事実を無視したことを書くけど、
過少投資が経済悪化の原因と指摘した党首は、初めてな気がする。

あと、参考になる動画は以下。



財政に関する知識は、正しいものが多い。
ただ、消費減税は謳っておらず、政党の政策になると財政拡大はトーンダウンしている。

党首が孤軍奮闘している感じ。

社会民主党 (党首:又市 征治)


財政に関する情報が、ほとんどありませんでした。
消費減税という言葉だけがありますが、財政拡大には触れていません。

緊縮財政の色が濃い政党です。

相原 倫子 (あいはら りんこ) 

とはいえ、やはりここにも薔薇マーク認定候補者()が。


財政に関する知識は、ほぼ正しい。
ただ、孤軍奮闘のようです。

日本共産党 (党首:志位 和夫)


消費増税中止を謳っていますが、財政拡大には触れていない。

それもそのはずで、日本共産党には以下のような党是があります。

憲法違反の特例公債法案/衆院本会議審議入り 宮本徹議員が批判
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2016-02-10/2016021002_01_1.html
財政法第4条の立法趣旨は、「公債のないところに戦争はない」「(第4条は)憲法の戦争放棄の規定を裏書き保証せんとするものである」(当時の主計局法規課長の見解)であることを紹介。

簡単に言うと「国債を発行すると戦争になる」と思っている、ということです。
財政拡大は党是に反するので出来ない、というわけです。

ただ、共産党には薔薇マーク認定候補者()も多数出てきています。
しかし、その認定候補者でさえ、ほとんどが国債発行には消極的です。

幸福実現党 (党首:釈 量子)


気になるツイートは以下。

この認識は正しい。日本政府が、財政破綻する心配などない。
(参考:返済負担のない負債


それで、何でこうなるんだろう・・・。
株式会社は、普通に破綻する存在なんだが。

政策サイトの方でも、気になる政策がいくつか。(太字は管理人による)

  • 経営者的な観点から国の財政のあり方を抜本的に見直します。
  • 大減税・徹底的な規制緩和による「小さな政府」
  • 雇用分野における規制緩和により、労働市場の流動化を促進
  • 外国人労働者の受け入れを進める

これって、普通は緊縮財政の政府が採る政策なんだが。
でも、消費減税と財政拡大は謳う。

・・・なんか矛盾したことを言う政党だ。

れいわ新選組 (党首:山本 太郎)


財政に関する気になる政策は、以下。(太字は管理人による)

  • 消費税をゼロに
  • 実際は世界から見て日本は公務員の数が少なく、現場は過酷です。
    公務員を増やす。安定雇用も経済政策です。
  • 公共事業のより大きな枠組み「公共投資」でみると、橋本総理から小泉総理までの10年の間に予算は半減
    防災対策だけでなく水道、鉄道などの公共性の高いものは国が主導し、積極的に支出します。
  • 財源は税収、が一般的ですが、私は、デフレ期には別の財源も活用します。
    新規国債の発行です。確実に足りない分野と人々に大胆に、財政出動を行い、生活を支え積極的に経済をまわします。
    国債発行は無限ではありません、リミットがあります。インフレ目標2%に到達するまで、です。

日本が実は公務員数が少ない国、というのはデータに基づいた正しい認識。

OECD諸国の公務員数対労働人口比率 05年(単位:%)
OECD諸国の公務員数対労働人口比率 05年(単位:%)


公共事業の予算が半減した、というのもデータに基づいた正しい認識。

日本の公的固定資本形成と対GDP比率
日本の公的固定資本形成と対GDP比率


国債発行のリミットが、残高ではなくインフレ率、というのも正しい認識。
(参考:中央銀行の誕生と税金の役割

日本の今の政治は、ひとむかし前まで素人政治家として散々に叩かれていた山本太郎が
財政について一番勉強しているという有様なわけです(*'-')

まとめ

テーブルにまとめると、以下のようになります。

参院選2019 政党・党首


判定で 不明 となっている政党に関しても、
個人的には財政拡大を謳っていない時点で、実質 緊縮 なのかなぁ、という気はします。
財政の知識に関しても - としてありますが、実際には × な気がします。

上記のテーブルは、各情報を機械的に判定したものです。

また、繰り返しになりますが、
本記事は、「緊縮・反緊縮」の分類、及び「財政に関する正しい知識を持っているか否か」
だけを純粋に判定しています。

それ以外の思想、政策について加味したうえで、各自投票先をご判断ください。m(_ _)m
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コメント

プロフィール

HN:
なかば
性別:
男性
職業:
元ソフトウェアエンジニア
自己紹介:
東京のゲーム会社でゲームプログラマ。
家電メーカーで組み込みエンジニア。
その後、京都に移動して観光を楽しみながら
製品開発、業務改善、QA管理などを経験。
今は東京に戻って暮らしています。

詳細な自己紹介は、こちら

ブログ紹介

管理人(なかば)の個人ブログです。

もともと、以前の職場で投稿していた社内ブログの延長で書き始めました。
エンジニア仲間に向けた雑な口調はそのままにしていますが、その辺は気にせず読んでもらえると嬉しいです(*'-')

諸事情により更新を停止していますが、生きています。そのうち再開する予定です。

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