心の奥がまっすぐに自分の奥につながっている時、必ず自分自身から湧き上がってくるものを掬い上げることができる。
そっと。ゆっくり。そして、たしかに。
息を吸う時、すべてがわたしの中を巡っていき、
息を吐く時、わたしが世界を巡っていく。
世界のすべてでわたしの中が循環し、
わたしの中で世界のすべてが循環していく。
わたしの呼吸するまさに今のこの空気は、一体、いつ生まれたのだろう。
この空気は、わたしが吸う前は誰が、何が吸っていたのだろう。
わたしのこの吐いた空気はいったいどこを巡っていくのだろう。
そして、誰のもとに、何のもとに届くのだろうか。
ああ、呼吸を意識するだけで、
わたしたちのすべてが繋がっていることを理解できるの。
内側ですべてが繋がっていることを、呼吸がわたしに証明してくれる。
なんてキラキラと穏やかに煌めいているのだろうか。
この空の下で星を見ているわたしが吐いた息を、
どこの空の下の何を見ている人が吸うのだろうか。
子供と笑っている時のわたしが吸う空気は、
誰が何をしている時に吐いた空気だろうか。
巡る。めぐる。メグル。
わたしたちは、こんなに優しくたしかに繋がっている。
無理に確かめようとしなくても、この柔らかくて明らかな真実の中でいつもわたしたちは生きている。
わたしが感じるこの愛おしい想いを、どこかの内側で誰かも感じている。
わたしが感じるあの寂しい気持ちを、どこかの内側で誰かも感じている。
それはなんて美しいことなんだろう。
世界はなんて楽しくて、美しいものに満ちているのだろう。
この地球はなんて美しいものばかりを抱いているんだろう。
こんなに魂を震わせることに溢れている。
なんてない日常の、今日の、一瞬がかけがえなくて、魂にはダイアモンドに見えるんだ。
退屈さえも楽しいと思っているんだ。
なんて可愛らしいものとしてわたしたちは存在しているんだろうか。
この命があることがこんなに尊いことだなんて本当はずっとわかっていながら、目を塞いでぐるぐる苦しんでいたのさえも、魂は知りたかったなんて。
ほんとおもしろい。
だから、この命が尊いことをちゃんとまっすぐに抱きしめながら、わたしはもっとたのしく煌めきながら、この命にまっすぐに生きていくんだ。