ぬくぬくかめ日和

ヘルマンリクガメの飼育日記を記録していくブログ

リクガメ 飼育環境② 温度管理編

前回の記事、飼育環境① ケージ編の続き 「温度管理編」のご紹介です。

 ご参考までに前回の記事です↓↓

kamebiyori.hatenablog.com

 

リクガメ飼育上、最も大切なことと言っても過言ではない温度管理ですが、ぼーちゃんを飼い始める前、どれだけ調べてもなかなかすぐには理解できませんでした…。何が、というと・・・。

電球??電球であったまるの???え、その電球も何個もいるの?種類があるの?紫外線も電球?それはあったかくなるのとは違うの????

 

そもそも飼育についての情報が少ないリクガメ。本を買ったり分かりやすく紹介してくれているサイトを探しては調べる毎日なのでした。実際に買い始めて3年近くが経とうとしている今では何という事はなく理解しているのですが、当時は大変苦労した思い出があります。今回の記事も、そんな誰かのお役に立てればと思い書くことにしました。

 

まず、温度管理をするうえで理解しておきたい大切な3つのポイント。

①リクガメにとって心地よい<ケージ内の全体的な温度>を整える必要がある。

②リクガメが自分で体温を調整できるように、<一部分だけ特に温度が高い場所>を作る必要がある。

③甲羅や骨を健康に成長させるために<紫外線>を用意する必要がある。

そして、基本的にはこの3つについてそれぞれ対応した電球(グッズ)が必要になります。

 

それでは一つずつ、順番に説明していこうと思います。

 

【①リクガメにとって心地よい<ケージ内の全体的な温度>を整える必要がある。】

リクガメの種類によって適した温度は違うみたいです。ぼーちゃん(ヘルマンリクガメ)の場合はだいたい28~30度が目安のようですので、大体そのくらいを保つように設定しています。夜は気温が下がる関係でケージ内の温度も下がりますが、26度くらいまでを目安にしています。

さて、このケージ内を一定の温度に保つために必要なグッズが、所謂「保温球」と呼ばれる保温用ライトです。日中だけでなく夜であってもケージ内を温める為、光を発しないライトになるようです。ケージの大きさと保ちたい温度によって、どのワット数の電球が必要か、1つでよいのか2つ必要なのか等を検討することになります。

 

実は、私はケージ内の全体的な温度管理について、保温球は使っておりません。保温球に代わるケージ内全体を温めるグッズもいくつか世の中には出ているようで、私はその中の一つである「暖突(だんとつ)」と呼ばれる商品を愛用しています。(飼育環境① ケージ編にも少しだけ書いていますが…)

 

 これがとっても便利なもので、保温球の3倍以上の熱量を持っていながら、3分の1程度の電力しか消費しないと。(電気代がお得!) そして、タマ切れの心配がないので電球を買いなおす必要もないと。お財布にとても優しいのです。また、輻射型遠赤外線ヒーターというものらしく、大きなケージでもジンワリと、でもシッカリとケージの中の空気を全体的に温めてくれます。そして、ヒーター部分は熱くなりすぎないため、触ってもヤケドせず、ダントツからの火事の心配も要らないのも大きな魅力でした。

うちのケージは大き目なので、最初は保温球を2つかなあ…と思っていたのですがこのダントツLサイズ1つと後にご紹介するバスキングライトでケージの中は28~30度程度に保たれます。夜はバスキングライトは消えますが、寝床であるヤシガラコーナーの真上にダントツを付けているので、寝ている間も28度程度は保たれており本当に保温球要らずの現状です。サイズもいろいろと展開されている様子なので、ご自分のケージの大きさによって選ぶとよいと思います。

 

しかしながら、このダントツもスイッチONにしたままでは温度が温まるばかりです。そこで、登場するのが「サーモスタット」。我が家ではこの商品を愛用中です。

このサーモスタットでは時間や温度で(保温球、バスキング、紫外線ライト等を)ON/OFFできる温度計です。これがなければ、いくら電球を用意したところで温度をコントロールができませんので飼育には不可欠のグッズでしょう!!

ダントツはこのタイマーサーモで冬は28度以下になればON,32度以上になればOFF設定、夏は26度以下になればON,32度以上でOFF設定です。(夏は26度くらいの低めにしておかないと、例えば28度にしていると、室温で28度になったらONになって32度になるまで付いちゃうのでケージが全体的にサウナ状態になっちゃいます…)

 

【②リクガメが自分で体温を調整できるように、<一部分だけ特に温度が高い場所>を作る必要がある。】

一部だけ高い温度の場所(ホットスポット)を作ります。そこで必要になるのが、ホットスポット用ライト<バスキングライト>です。

 

このライトの直下が35~40度になるようにワット数を考えて購入し設置します。そうすると、リクガメは変温動物ですので、自分で体を温めたいときにこのホットスポットにやって来て、ぬくぬく…ぬくぬく…します。(激カワ!!!!!)リクガメが自分で体を温めて体温調節をするための場所ですので、肌寒い時期や冬場は特に必要です。真夏で何にもしなくてもケージ内の温度が30度近くまで上がる時なんかは、バスキングを付けることによってケージ内の温度がさらに上がり過ぎることがあるので、その時期はバスキングをOFFしています。

このバスキングライト、温度があるのでヤケドや火事の危険がありますので取り扱いには要注意です。また、まだ赤ちゃんのカメのとき、うちのぼーちゃんもそうでしたが、いろいろなところによじ登っては、ひっくり返りバタバタ…バタバタ…やります。すぐに助けてあげていましたが、もし目を離しているスキにバスキングライトの真下でひっくり返って動けなくなったら……。体温が上がりすぎて大変危険ですので、バスキングライトの近くには、ひっくり返る原因になりそうなものは置かないことが大切だと思います。今ではもうひっくり返ることもなくなりましたが・・・。

そして、このバスキングライトもサーモスタットに接続して、朝7時ON、夜5時OFFにしています。

 

【③甲羅や骨を健康に成長させるために<紫外線>を用意する必要がある。】

さて、とうとう来ました紫外線!!!リクガメにとっての太陽光の必要性については、以前の記事で力説した通りです。

ご参考までに…↓↓

kamebiyori.hatenablog.com

 あたたかい時期であれば日光浴させてあげるのが理想ですが、寒い時期であったり天気がすぐれない日が続いたり自分とのタイミングが合わなかったりと、理想と現実には違いがありますね…。室内での飼育においては紫外線ライトも必須になります。

 まず紫外線ライトの購入検討にあたり、太陽光における紫外線についても少しだけおさえておくと購入の際に迷わずに検討できると思います。私もそこまで詳しくないのですが、太陽光から発せられる紫外線には大きく分けて3種類あると言われているようです。

(1)UVA (2)UVB (3)UVC

UVCはオゾン層に吸収されて地上には届かないそうです。リクガメ飼育で重要となるのも、UVAとUVBです!まず、分かりやすいように人間からみた紫外線の影響から考えてみます。

UVBは波長280-320nm、UVAは320-400nmです。波長が短いほど生物に対する影響が強いのですが、波長が長いほど皮膚の深くに入りこむという性質もあります。

公益社団法人日本皮膚科学会より引用

https://www.dermatol.or.jp/qa/qa2/q03.html

UVB⇒波長が短く肌表面への影響を起こす。真夏の海で真っ赤に日焼けする原因。シミ、シワ、皮膚がんへの影響も大きい。しかし、波長が短い分UVAに比べ地上に到達する量は少ない。日陰や窓などを介すことによってある程度防御が可能

 UVA⇒波長が長くUVBほど急激な変化はもたらさないが、地上に多く到達する。また、日陰や窓ガラス越しであっても通り抜けやすい性質があり、さらに皮膚の奥まで届くためじわじわと肌への影響を与える。

 

ではリクガメにとっての影響を考えてみます。

 UVB ⇒UVBを浴びることによって活性化ビタミンDを作り出し、甲羅・骨の成長に必要なカルシウムをしっかりと吸収することができる!!UVB、とっても大切!!でも…日陰や窓ガラス越しの日光浴ではUVBを浴びることが出来ない

 UVA⇒カルシウムの吸収には直接関与しないが、食欲を増進させリクガメを活動的にさせる役割がある。窓ガラス越しの日光浴でもこの効果については得ることが出来る

 

ふう・・・。結構まとめてみました。人間にとっては大敵な紫外線も、リクガメにとっては最重要なものなのですね。本物のおひさまの光に充ててUVAもUVBもしっかり浴びてもらうのがイチバンですね。しかし紫外線ライトを購入する場合は、UVAとUVBの役割の違いを頭に入れて購入する必要がありそうです。

実は先にご紹介したバスキングライト。昼間の太陽光を再現、自然の太陽光を再現と書かれています。あれ?ホットスポットも作れて太陽光も再現されているのならこれ一つでいいのでは??と思いますね。私も思いました。しかし、商品の詳細をよく見てみると、UVB照射量はゼロです。そもそも地上に到達するUVB量が多くないことを考えると間違っていない表現なのかもしれませんし、そこを批判するつもりもありません。そこのところは、やはり購入する側が正しい知識を持って選択をしなければならないのだと思います!!

という事で、我が家では2連ソケットにバスキングライトとUVBライトをつけました!

★2連ソケット

 

 

★紫外線ライト

 

そんでケージが広すぎるため…紫外線ライト1つではケージの一部分(カメさんがホットスポットに来てくれた時)しか紫外線が当たらない状況に。紫外線ライトとはいえ、本物の太陽に比べると紫外線の量は少ないという情報を見たため、もう一つソケットと紫外線ライトを用意しました。

 

★単体ソケット

 

 

★紫外線ライト

 

この単体ソケットは結構大きいですが、しっかり光を集めて照射してくれる感じが気に入っています。そして、こちらに取り付けている紫外線ライトは2連ソケットにつけているものをは種類を変えています。こちらの紫外線ライトは、UVAもUVBもある程度の量をしっかり照射してくれるというもの。調べると、どのライトは全然紫外線が出ていないやら、あっちのライトは使用後1か月で紫外線量が減っているやら…。紫外線が出ているかどうかは人間の目では分からない分、どのライトだと絶対に安心!!とも言えないので、とりあえず種類を変えて。実際に光の色も少し違います。ぼーちゃんは単体ソケットの方の紫外線ライトがお気に入りなのか、よくそっちで浴びてる様子をみます(笑)2連の方は、バスキングの方にいるのをよく見ますが、紫外線のほうではあまりじっとしているところをみません…。好みなのか何なのか…。でもぼーちゃんが「選べる」ようになってるのは結果的に良かったかなと。紫外線ライトを2個つけていますが、今の所ぼーちゃんも健康で元気に育っているので紫外線量が多すぎることもなさそうです。

バスキングと紫外線ライトはサーモスタットで朝ON,夜OFF設定にしていて、大体半年に1回を目安に交換しています。今の所、途中でタマ切れになったことはありません。

 

また、メタハラと呼ばれるメタルハライドランプというものの使用も選択肢にあるかと思います。我が家ではコスト面や安全面から選択には至りませんでしたので、使用感などはお伝え出来ませんが…。

メタルハライドランプ⇒熱量の確保(ホットスポット)とUVA,UVB照射が一緒に行えるライト。リクガメなどの紫外線が必須な生き物にとって適している。

(コストが高いのと、紫外線が強すぎでリクガメノ眼への影響が出る場合があるらしく、当時はまだ赤ちゃんだったため万が一を考えて購入には至りませんでした。ただ、いま改めて調べるとこれから環境を準備する方にとっては選択肢の一つになり得る便利な代物だと思いました。)

 

これらで一通りの温度管理用のグッズはそろいました。

あとはケージ内の温度を確認したい場所に置く温湿度計(100均に売ってますが精度は不明。心配な方はちゃんとしたのを購入しましょう。ホットスポットの所、ケージの真ん中、寝床、あたりの温度がそれぞれ確認できれば安心でしょうか。)、夏の暑い時期につかうファンや扇風機、温度ではなく湿度管理になりますが乾燥する時期に使う霧吹きなどあれば、と思います。

 

リクガメの飼育において、温度管理さえマスターできればあと一歩と言えそうです!!!お迎えするカメさんのことを考えながらいろいろと準備をする時間もとっても楽しいですよね(*‘ω‘ *)