前回のブログで、「敦賀(鞠山)陣屋」が「日本三大陣屋」であることから派生して三大陣屋の一つの「飯野陣屋」(千葉県富津市)のお話にも触れました。

 

その「飯野藩」の藩主となった「保科家」は、元々は「武田家」の家臣でしたが「徳川家康」が家臣として取り立てられ、「保科正光」が「高遠城」城主であった時に、二代将軍「徳川秀忠」は妾の子として誕生した「正之」を、正室の「お江与の方」の嫉妬を恐れたことから、「保科正光」に預けて育てられた話をしました。

 

そして、「正之」を「保科家」の養子として継がせたことから、「正光」の弟である「正貞」がその後幕臣として取り立てられ、さらに度重なる加増や大坂定番に任じられて摂津内で1万石が与えられたことから、1650年頃に所領が1万7千石となり大名となって居所を飯野に定め「飯野陣屋」を設けたこともお話しました。

 

それに伴い「保科正貞」の居所は、摂津での役職(大坂定番や大坂加番)が多かったことや所領も摂津の方が多かったので、房総での居所であった「飯野陣屋」(千葉県富津市)に加えて、摂津には「浜屋敷(陣屋)」(大阪府豊中市浜町)に築いて居所としました。

 

「飯野藩浜屋敷跡」碑と説明書き

 

以上のことを前回ブログで触れましたので、急に、大阪府豊中市にある「浜屋敷」跡付近を見たくなり、昨日の午後からマイカーで出かけました。

 

場所は、天井川となっている「天竺川」と「豊中吹田線」の道路との交差している付近が「屋敷(陣屋)」だったようです。「飯野藩浜屋敷跡」碑と説明書きがある場所は、「天竺川」の東側土塁の下で「豊中吹田線」道の上下線の間に立ちます。

 

碑の両脇は「豊中吹田線」の道路でこの向こうに「天竺川」の土手がある

説明書き

「天竺川」の土塁と「豊中吹田線」道(南側から)

 

周囲には、蔵を持つ古民家が建っていたり、天井川なので川底が土塁のように盛り上がっている地形となっていたりするので、何となく「陣屋」を構えられるような場所のようでした。

 

附近の蔵を持つ古民家

 

天井川になっている「天竺川」の川底が周囲の土地よりも高くなり、自然土塁の上には松並木となっているので景観は凄く美しいし、また高さもあるので周囲も良く見える場所です。

 

「天竺川」の南方向

「天竺川」の北方向

「天竺川」から見下ろした辺りが「浜御殿」跡

 

さて、そこから少し足を延ばして、以前(平成11月4月)に訪問したことがある「水堂(みずどう)代官所」(兵庫県尼崎市)の「屋敷門」をデジカメで写真を撮りたかったので、そちらへ向かいました。

 

「浜御殿」からは、ナビで確認すると西方向へ幹線道路を進み30分くらいの場所にあるのですが、結構な車量と信号の多さで時間を要してやっと到着しました。

 

が、ところがです!

 

ナビが案内した場所には、大きなお宅の敷地となり、確かに壁には以前に写真を撮った時に移っていた「水堂代官屋敷、水堂宝篋印塔」の看板表示があるものの、「屋敷門」そのものが無くなっていました。

 

「水堂代官屋敷、水堂宝篋印塔」の看板表示

以前はここに「屋敷門」がありましたが今は塀になっていました

現在の「水堂代官屋敷」跡

現在の「水堂代官屋敷」跡の南側にはJR西日本神戸線が走ります

 

そのお宅は、「水堂代官所」の代官のご子孫が住まわれている所で、多分老朽化して消却されたのかもしれません。非常に残念でしたが、以前の写真を掲載しておきます。

 

以前の「水堂代官屋敷」(平成11年4月撮影)

以前の「水堂代官屋敷門」(平成11年4月撮影)

以前の「水堂代官屋敷門」(平成11年4月撮影)

 

また、「水堂(みずどう)代官所」についての歴史的な背景を触れておきますと、当代官所は、「尼崎城」城主であった「青山幸成」が1643年頃に、次男の「幸通」に摂津地域8カ所の3,000石を統治させる為に設けた地方代官所ということです。

 

その代官を代々務めていたのが「貴田家」でした。明治時代に入り、鉄道(現在は南すぐにJR西日本の神戸線が走る)や道路が通されて、建物が90度西向きに替えられたと、以前の説明書きには掲載されていました。

 

以前撮影していた「水堂代官屋敷」の説明書き

 

そこを後にして、近くに残る「宝篋印塔」跡を見ようとマイカーで細い道を入るも、一方通行で結局辿り着けず断念してしまいました。

 

前回のブログでは、敦賀方面のお城巡り三城目「敦賀(鞠山)陣屋」→日本三大陣屋→「飯野陣屋」繋がりを記載しました。

 

そして昨日は、その繋がりで飯野藩主の摂津居所「浜御殿(浜陣屋)」→大名藩の分地統治拠点→尼崎藩の代官所「水堂代官所」という繋がりでお城巡りをしてきましたので、今回はそのブログを記載しました。

 

次回ブログでは、前回まで進めてきた敦賀方面のお城巡りの四城目「金ヶ崎城」をお届けします。

 

 

 

下記バナーのクリックをどうぞよろしくお願いいたします。


お城巡りランキング

にほんブログ村 歴史ブログ 城・宮殿へ
にほんブログ村

 

シロスキーのお城紀行 - にほんブログ村

 

PVアクセスランキング にほんブログ村