「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」公開記念上演
海老蔵/堀越勸玄/新十郎/廣松/右若/福太郎/右左次/九團次/新蔵
遅ればせながらYouTube配信で観ました。映画「スター・ウォーズ」シリーズを1作目から観ている自分としては、今月公開の最終章は外せないわけで、それと連動しているこの公演って何なの?という好奇心🤔
このプロジェクトが誰の発案でどういう経緯で生まれたのかは分からないけど、ルーカスフィルムと海老さんが企画ということになっていて、もちろん本国公認、脚本もルーカスフィルムが監修したらしい。大真面目に取り組んでるようです。
正直言って怖いもの見たさでしたが🙇♀️ 予想していたのとは少し違っていたものの、観終わって最初の感想は「ホッとした……」というものでした😅 話題先行の、こけおどし的な、単なるお遊び的ショーなんじゃない?とたかをくくっていたのですが、本気で「歌舞伎でスター・ウォーズ」してました😳
確かに、映画公開前のお祭りイヴェント的な性格は帯びていたけど、定式幕柄の幕が上がり海老さんの口上というところから、もう歌舞伎。「スター・ウォーズ」第1作目は1977年公開(日本公開は1978年)で、海老さんと同じ生まれ年なんですね~。上演が始まると、「スター・ウォーズ」お馴染みの音楽に乗り、お馴染みのオープニングクロールが流れ、ちょっと気が引き締まった👍
今回のこれは、「スター・ウォーズ」前2作のストーリーを超早回しで展開させ、その中でカイロ・レンが、父ハン・ソロ、主君スノーク、師匠ルークを討ち倒すという、3つの戦いを見せ場にしてある。テーマは、そうした行為に出たカイロ・レンの深層に潜む「幼い頃に両親から切り離された」ゆえの苦悩との葛藤?
最初に言いたい、新十郎さんがすっごくカッコよかったよ~🎉😊🎉 ジェダイの近況をC3POに報告しに来るお役なんだけど、役名が八十七(やそしち)。映画内の誰の役なのか分からなくて、新たに作ったキャラかと思ったら、フィンでした😆 フィンはストームトルーパーだったときの識別番号が「FN-2187」で、同僚のトルーパーから「エイト=セブン」と呼ばれていたんです😅 で、その新十郎さん、セリフも所作も美しく力強く、きっちり歌舞伎していて凄く存在感ありました👏
3つの見せ場ですが、ハン・ソロが奈落に落ちていくところはカメラワークがポイントを外していてよく見えなかった。スノークはライトセーバー(ここでは赤いレーザー光線)で胴が真っ二つに斬られるのは映画通り、そのあと歌舞伎の様式でとどめを刺すという形でなかなか良い。 続く、カイロ・レンとスノーク衛兵たちとの立ち回りはダイナミックで華やかでしたね。最後、ルークとの戦いでは海老さん早替わりで2役(カイロ・レンとルーク)を演じていて、ここは歌舞伎まんま。しかも、ルークを剣で刺しても手応えがない(実体がない)という、映画を踏襲した所作にちゃんとなってた😄
さて、ようやくここでカンカン登場~❗️ カイロ・レンの幼少時の役(ヴィジョン)です。高みにすっくと立った姿が可愛いカッコいい~✨ そこで見せる見得のリズム(緩急)もきちんとできてるし、セリフも棒読みではなく力強い🌟 でも、そのセリフがね……💦「私は引き裂かれた、父からも母からも。それ以来、私を包むこの苦しさは……。この苦痛から逃れる術をお前は教えてくれるか?」と師匠ルークに問いかける。カイロ・レンの闇がとても深いことを象徴する幼い頃からの心の叫びなんだけど、一部がカンカンのリアルライフと繋がって辛い😖 感受性の豊かなカンカン、どんな気持ちで言ったんだろうと思うと、ちょっと胸が痛みました😢
不満としては、トルーパーたちの出撃や、ジェダイとオーダーとの戦闘シーンなど、アニメ映像が多かったこと。ちょっと安易に過ぎないか? 他の方法で見せることはできなかったのかな。演技中の背景もフラットで、もう少し歌舞伎風セットで見せて欲しかった。まあ、1回限りの公演だからあまりお金はかけられないのでしょうけど😑 あと、海老さんなら宙乗りは絶対にやると思っていたんだけど、劇場の構造上、それは無理でしたね。