十二月大歌舞伎「阿古屋」@歌舞伎座 | 明日もシアター日和

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壇浦兜軍記「阿古屋」

玉三郎/彦三郎/松緑

 

 玉三郎の阿古屋、幕見で観てきました……観てきたんだけど、重忠の彦三郎がとっても良くってー😊  姿や所作は颯爽としてシャープ、セリフはいつも通り低音で明瞭。今回は重さ(力強さ)もあって、威厳が感じられました。琴を弾けと言って三段に長袴の裾をササーッと垂らした型が美しく、音色に聞き入っている様子も立派。目を閉じて胡弓の音に耳を澄まし、真偽を判断している表情が誠実そうでとてもいい🎉  終盤、阿古屋の言葉に偽りなしと判断した理由を岩永に説明するときの、聡明なセリフ回しに説得力があった。彦三郎は声や姿に加えて品性や知性も感じられるから、こういう捌き役はぴったりですね😍  「先代萩」の細川勝元を見たいと思いました❗️

 

 もちろん玉さんの阿古屋、圧倒されました🌟  昨年は久しぶりの「阿古屋」だったので観る方も力が入っちゃったんだけど、今回は自然体で観られたせいか、その素晴らしさがシンプルに伝わってきた。捕手に囲まれながら花道を出たところから輝く大きさと艶やかさ✨ 豪華な衣装に負けないどころか、それが身体の一部であるかのような、大輪の花。三段に身を投げ出して上体を反らせた姿の美しいこと😯

 琴を弾く姿はひたすら景清を想い、重忠の存在を忘れた無心の境地という感じ。景清との馴れ初めを語る時の可憐さが可愛らしい。それでいて最後の、横座りで身体をそらし顔を懐紙で隠し恥じらいを見せるところが妙に色っぽいです😻

 三味線や胡弓では楽しんで弾いているように見えたけど、景清との逢瀬から別れを語るところに哀れを感じ、2人の儚い恋が、見ている方の脳裏にも浮かんでくる。演奏・技術については無知ゆえ語れませんが、胡弓の終盤、トレモロのところはこちらもやっぱり緊張するよね💦

 

 幕切れの絵面の見得が本当に美しく、まさに1枚の絵💫  あのままずっと観ていたかったです。「阿古屋」は後半に児太郎か梅枝のを見る予定。

 余談ですが、いつも言ってるけど、竹田奴が苦手~😓「キキキキ……」という声や、座っている時にユ~ラユ~ラ揺れている様子が不気味で、夢に出てきそう😣(そういうのではないことは分かってるのですが🙇‍♀️)。幕見席からだとあの奇妙な顔までは見えないのがせめてもの救いです、すいません🙏

 

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