菅原伝授手習鑑、初日近くに観ましたが、今日、千穐楽を観てきました。今日になってエンタメ・アート系のイベントの中止が次々と発表されて落ち着かず、感想をじっくり書く気持ちの余裕がなくなってしまった💦 3月早々に明治座で歌舞伎を観る予定のほか、3月中旬までにたくさん観劇予定が入っているんですよー、心配で、心配で🙏
「加茂堤」
初日近くと比べて千之助と米吉がさらに良くなっていました。千之助は声が落ち着いてきていて(最初の頃はガラガラだった)動きも自然になり、古風な感じが増していました。何より、とても美しかった😊 米吉は牛車から出てアゴをクイッと上げた途端に高貴な人になったの、すごかったです✨ 立ち役を見て分かったのは、頬のラインが歌六さんに似ているっていうこと。ま、当然ですが😆 勘九郎の所作が柔らかく上品な色気があって良い桜丸だった。孝太郎との夫婦は、やはりいい空気感が出ていますね。
「筆法伝授」
筆法を伝授する時もだけど、仁左さまは後半もいいよね。流罪が決まり引き立てられてきた丞相様が梅王丸を諌めるときの諦観したような、凛とした気高い姿が尊いです🎉 そして、梅玉がさらに素晴らしくて涙。丞相様や園生の前に対する申し訳なさが痛いほど伝わってくるし、旧主の姿を目にして思わず後ずさりし平身低頭するところに、丞相様を神のように畏れているのが分かる。そして、何としても勘当を許して欲しかったんですねー😢 拒否された時のやりきれなさが切ない。橋之助が颯爽として、セリフも最初に比べるとクリアになり、荒事の梅王丸になっていました👏 源蔵と水無瀬が部屋を出て廊下を通り菅丞相の部屋に移動するときの、盆が回っていく演出が好き。
「道明寺」
仁左玉すごかったー😳 それぞれに子を思う気持ちと非情な運命に嘆く2人。玉さまのリアルな演技と、仁左さまの上方に突き抜けた感のある佇まいとの対照が印象的でした。2人の涙がほんと綺麗でー😭
今回、千穐楽なので奮発してセンター超前方席をgetしたんですが、やっぱり4階幕見席とは、物語への巻き込まれ方が全く違いますね😬 役者の心理がズンと直に響いて来る。仁左さまの、矛盾や理不尽など全てを抱えて去っていく姿に胸打たれたし、刈谷姫に対する愛情も、親の心情から普遍的なものへと変わっていくものを感じさせるラストでした。
そして、玉さまの迫力に心臓を掴まれた。娘の死の真相を知った瞬間の呆けたような表情、一瞬の驚きから悔しさに顔を歪めていき、そのあとの心を鬼にした形相での迫真の演技。どんなに無念だったことか……😖いや凄かったです。最後、仁左さまが花道をさった後、その後ろ姿に向かって芝翫がていねいに頭を下げる、それがすごく良かったわ〜✨ 何かジ〜ンときてしまいました。