週刊少年ジャンプ2019年49号分の感想です。
ネタバレを含むので、自分で買ってから読んでください。 





扉絵連載の方は、ベッジと共にローラ捜索を続けるヴィトゴッティ
前回のベッジ同様、意味があるんだか無いんだか分からない変装をしてますね。
うーむ、一時とは言えガスティーノを味方に加えていただけあって、変装の質もシーザーレベルと見える。

特にゴッティ、あんたせっかく腕のマシンガンを隠すために布か何かで包んでるのに、肝心の銃口部が丸見えだから台無しだよ。頭隠してなんとやら。


何やら身体にキスマークの付けられた男達がバタバタと倒れているけど、これはローラの仕業……なのか?

確かに『求婚のローラ』と呼ばれる程に見境なく惚れこむ人だけど、そんな性犯罪紛いの行いにまで手を出す人だっけ…?
と言いたいところだけれど、イボイノシシ時代は気絶したアブサにさえキスしまくってたな。

ブルックの影を入れられたリューマが本人より多少お堅めな雰囲気になってたり、ゾンビに入った影は張本人とは少し違った性格になっている印象があったのだが、ローラのアレは本人の素質そのままだったんだろうか。

まあ、ローラっぽいと見せかけた別人の仕業なのかもしれないけど。





さて本編。
前回に続いて光月おでんの過去回想と言う事で、都に現れてしまった『山の神』なる巨大猪をどうするかという問題。
……猪、イノシシか。案外扉絵連載のローラとリンクさせてるのかもな。まあ別に意味のあるものじゃないし、偶然かもしれないけど。


結論から言うと、真っ二つにぶった斬っちゃったぜ。
パンクハザードのドラゴン十三號と同等ぐらいのデカさを誇る猪を。流石おでん様、今日は猪鍋パーティだ。

まあ山の神は攫われた子供を助けに来ただけなので完全な被害者なのだが、まあ致し方ない。
都に甚大な被害をもたらしたのは事実だし、どの道こんなバケモノがいつ暴れるか分からないとなれば、おちおち暮らしも出来ない。どの道討伐の必要性はあっただろう。所詮、害獣と人は共存できない運命なんだ。たぶん。

……というかよく見ると、おでんの手元から離れ自由の身となった子猪は、目の前から親が向かって来ているというのに明後日の方向に向かって逃げて行ってしまっている。
この子猪、言うほど親に懐いてもいなかったのでは……というか過保護にも周囲を破壊してまで自分を助けに来る親に、内心ビビッてたのかもしれないな。


そんな邪推はさておき、山の神を両断したおでんの剣術は、『おでん二刀流』
おでんが二刀流使いと判明した時から「そうだろうな」とは思っていたけれど、やはり現将軍黒炭オロチが使うとされる『オロチ二辺流』……もとい『オロチ二刀流』の原型は、おでんが使った剣術なんだろう。


そのおでん二刀流の技の1つであり、山の神を直接討ったのは『桃源白滝』という技。
しかしコレ、よく見ると剣の軌道がよく分からない。

技の動きとしては、まず両手に持った剣のうち右手を前方に、左手を後方に突き出した構えから、一度両方の剣を身体の左側(首の後ろあたり)にまで引く。
そして跳躍と共に、覇気を纏った刀身を振るい敵を両断……という流れ。


この時、身体の左側に構えた剣を振るっているのだから、普通なら両手共が身体の右側に向かって動くのが自然。だがこの『桃源白滝』の技後のコマでは、両腕を大きく開いた体勢で締めとなっている。
これでは、右手の刀はともかくとして、左手の刀は満足に威力を発揮しない。端的に言えば、『煩悩鳳』の構えから『鬼斬り』を放つ様なものだ。体勢として無茶が過ぎる。

きっと漫画上では省略されているだけで、この「構え」と「振り抜き」のコマの間には、何かもう1つ動作が加わるんだろう。
というか、この煩悩鳳の様な構えは精神統一などを目的としたルーティンの様なものであり、跳躍時に空中で別の構えを取り直してるのかもしれない。アニメとかで、その辺の動きが補完されないかな、とちょっと期待。


……という、読んでいる8割から「どうでもええわ」の声が聞こえてきそうなツッコミは置いておくとして、やっぱり『桃源白滝』の名からは、後におでんが作り上げたと言う『桃源農園』を連想するなぁ。
「桃源郷」とかから来る言葉なんだろうけど、何かこだわりというか、おでんが理想とする桃源郷でもあるのかしら。おでんの理想国家といえば、たぶん鎖国体制から解放された窮屈さの無い国なんだろうけども。



そんなこんなで、父スキヤキからの絶縁・都追放を言い渡されながらも、人々の心はガッチリと掴んだおでん様。
その陰に隠れる事にこそなったが、鶴を救うために錦えもんも頑張った。まあ、元凶はお前なんだけどな。

現在では狐火流なる剣術を会得した錦えもんだけれど、この時点での実力はまだまだみたいね。
錦えもんも二刀流の使い手だし、この後おでんに師事し、力を増して行ったのかな。


未だ謎の多い傳ジローの方は、実はこの一件の前からおでんに憧れを抱いていた様で。
「全ての愚かな大人達を見下す」と自称してしまう見事なクソガキっぷりだが、そんな傳ジローをも惹きつけてしまう魅力が、おでんにはあったと。流石は覇王色の持ち主。


そして、最後のページには若かりし日のオロチも登場。
現在とはヒゲや髪型がまったく違っているが、鼻や歯の形状に面影がある。元は康イエのコマ使いだったのね。

死の直前、康イエはオロチについて「おでんに大恩ある」と語っていたが、なんだろう。コマ使いの身から、武士として取り立てて貰った経緯でもあるのかな。
オロチ二刀流はおでんから学んだ剣術なのか、あるいはオロチが勝手にその名を拝借しているだけなのか。後者だとすると、その心境はどういうものなんだろうな。コンプレックスに近いのかな。



と言ったところで、次回は休載だそうで。
おでんとオロチの因縁がどういった動きを見せていくのか、楽しみです。