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陳情する工場労働者、鎮圧する騎馬警官
『悪霊』 1988年フランス映画 アンジェイ・ワイダ監督

 





↓こちらにレビューを書いてみました。


【必読書150】ドストエフスキー『悪霊』(3) 

―――真理はわれらを自由にする、か?


ツァーリ専制のもと、奴隷的境遇から
脱しようとする農奴、ひたすらに
皇帝の慈悲を信じて強訴する労働者、
文明開化の空想にふけり
民衆を軽侮し恐れる“自由主義者”たち。

そうしたロシアの現状に飽き足らない
2タイプの青年たちがいた:


自称“革命家”テロリストたちは
愛も友情も否定し、いっさいの
人間的感情を排して、皇帝と
「裏切者」の殺害につきすすむ。


そのテロリズムにも、“自由主義”にも、
教会にも解決を見いだせない者は
何を信じたらよいのか?

今回は、著者ドストエフスキーが
自身を投影した登場人物をとりあげます。
《農奴解放》に揺れるロシアの社会、

救いのない袋小路に立って、人間の真実を
どこに見いだすことができるのか?