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↓こちらにレビューを書いてみました。

【必読書150】石川啄木『時代閉塞の現状』(2)

―――“生れたまま”のはだかの魂


子供をできるだけおとなにならせないこと
生まれた時のままで大きくならせること
わたしの教育方針である」

啄木は言った。

渋民村の小学校で
生徒のストライキを指導して退職
した啄木は、北海道へ移る。
函館では《大火》で焼け出され、

社会統制から解放された民衆の助け合いを見て
無政府主義のヒントを得る。
小樽で日報紙の創刊に参加する。

 

圧政と戦う“自由”の神の子は

みずみずしい全裸、

右手に剣を左手に筆を握る

生れたまま」の姿は
啄木の自画像。

 

隠しもしない飾りもしない

ありのままの心、執着しない、

いつでも、すべてを捨てて

未開の土地へと移ってゆく

「植民地」北海道から啄木が得たのは

なにものにもとらわれない

“自由”な魂!