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スピノザの部屋(レインスブルフ)

隣室に見えるのは、レンズ研きの手動装置



↓こちらにレビューを書いてみました。


【必読書150】スピノザ『エティカ』(11) [完結]―――
―――「市民国家(キヰタス)」と“友愛のグローリア”


 

“国家なき社会”の実現可能性―――

はたしてどんな結論が出たのか?

ネタバレになるので、ここには書きません。

リンク先をご覧ありたく。。。

 

『エティカ』「第2部」 から「第5部」前半まで

ひたすら展りひろげられてきた

理性感情のたたかい

人は《神すなわち自然》必然性が見えないために

自分は自由だと思いこみ

人は自由で、善意悪意で動くものと思いこみ

たがいの憎しみ衝動翻弄される

理性はつねに無力であり

感情はつねに理性をうわ回る。

 

ところが「第5部」後半

いよいよこの著作が終るころになって、

理性に代って登場するのは直観の知性

 

かつてスピノザはカバラーと自由宗教家たちの

影響のもと、《神》との神秘な合一による幸福を

唱えていた。その直観知の夢が再来したかのようだ

 

しかし『エティカ』スピノザは、もはや神秘主義者ではない

《神》を知りたければ、《神すなわち自然》の現れであるこの

世界のあらゆる「個物」、身近な「個人」を知らなければ

ならない。数多くの「個物」を体験し

それらの、《神》の本質を直観することによって

《神》への知的愛が生まれ、それは同時に

《神》の無限のでもあるという。それこそが

『聖書』にいう「グローリア(神の栄光)」

にほかならぬ 〔第5部・定理36・註解〕

 

正直言って、『エティカ』のこの部分は難しい。

どれだけ理解できたかわからないが

これをもって、全11回のレビューの

しめくくりとしたい。