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弧状列島,共助,「追悼C・W・ニコルさん」、生物の多様性の復興アファンの森

2020-04-06 18:46:20 | 連絡
<日本海海戦から第一次世界大戦まで続く日英同盟を破棄した犯人捜し物語は『大東亜戦争秘録 日本軍はこんなに強かった』に綴られているか>
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C・W・ニコル氏 作家。ナチュラリスト。1940年英国ウェールズ生まれ。カナダに渡りカナダ水産調査局北極生物研究所の技官として海洋ほ乳動物の調査にあたる。昭和55年、長野県で「アファンの森」づくりをスタートさせ平成7年、日本国籍を取得。
井上和彦氏 昭和38年、滋賀県生まれ。法政大学社会学部卒業。軍事・安全保障・外交問題でコメンテーターを務める。軍事漫談家。著書に『日本が戦ってくれて感謝しています』(産経新聞出版)『大東亜戦争秘録 日本軍はこんなに強かった』(双葉社)など。
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ニコル氏 ありがとうございます。第一次世界大戦は一九一四年に始まるのですが、Uボートがイギリスにとって大変な脅威だったことはすでに述べました。戦列艦「HMSアブーキア」が魚雷の被害を受けたときも巡洋艦「HMSクレッシー」や防護巡洋艦「HMSホーク」などが救助に駆けつけるのですが、その救助中にまたUボートにやられてしまうんです。そこで英国海軍は被害の拡大を避けるためにUボートに船が沈められても「助けには行くな」と命令を出したほどの衝撃だったのです。
井上氏 当時、地中海では英国だけで九十六隻の船舶を沈められているんですよね。でもそれにご親族が乗っておられたとは…。
ニコル氏 はい。水は冷たく海に放り出されると助からないんですよ。それにあの当時はライフジャケットやライフボートなどは全然足りてなかったですしね。そうした危険な海を日本の特務艦隊が護衛し、七十五万人の兵隊を無事に守るわけです。貨物船だと七百六十七隻。このうち六百二十三隻が英国の船でした。小さな艦隊でしたが日本が果たした役割は大きく私は戦争の結果を変えたとさえ思っています。
特筆すべきは日本海軍の駆逐艦「松」と「榊」でした。護衛した大型客船「トランシルヴァニア」が魚雷にやられてしまうのですが、沈み始めた「トランシルヴァニア」から「松」はロープなどを使って八百人を救助するのです。そこに魚雷が再び命中します。ライフボートには四十人が乗っていましたが爆発で人間の体がばらばらに吹き飛ばされてしまいます。そんな状況下でも「松」と「榊」の乗員による命がけの救助活動によって結局、二千九百六十四人もの兵隊の命を助け、六十六人の看護婦ら女性や三十六人のクルーを助けたのです。ここで私が強調したいのは日本海軍の行動は英国海軍の命令を無視して行われたことだったんです。
井上氏 こうした献身的な救助活動をつづけた日本海軍の第二特務艦隊は最終的に地中海で洋上から七千人もの人々を救助し、七十万人を超える連合国の兵士らを無事に目的地に送り届けたことを考えると、確かにニコルさんが言われるように、日本海軍の船団護衛任務は大陸での戦局を変えるほどの活躍だったといえますね。
ニコル氏 そう、さきのトランシルヴァニア号の救助では、「榊」と「松」が三千人近くを助けた報が英国に届くと、国会では「日本の艦隊は地中海で戦っている!」と称賛され、英国の国会議員によって日本語で万歳三唱が起こったほどでした。
井上氏 感動的な話ですよね。ニコルさんは『特務艦隊』の中で、マルタ島のカルカーラにある英連邦戦没者墓地内の日本海軍戦没者墓地で日本酒と梅干しなどをお供えし、そのとき、《この男たちは、故郷からかくも遠く離れて亡くなった。連合軍の勝利に多大な貢献をした。それなのに、ほとんど忘れ去られていた。第二次大戦のために、彼らの物語は歴史にうずめられてしまったのだ。涙が浮かんできた。》と書かれていますよね。当時、「松」の乗員だった片岡覺太郎中尉(最終肩書は中将)の手記も感動的です。やはりこうした埋もれた史実と感動秘話をもっと現代の日本人は知るべきだと思います。いまの日本人はあまりにもこうした歴史を知らなさすぎますよね。井上氏 最後にニコルさんにとって、日本のここが好きというお話をお聞かせ下さい。
ニコル氏 私はナチュラリストですからその観点でいえば、日本ほどすごい国はなかなかないんです。北には流氷があって南にはサンゴ礁がある。こういう島国はほかにありません。森林面積率も国土の六十七%と高いのですが、そこに植生する木の種類がはるかにヨーロッパより多いんです。
英国にもともとあった樹木というのは三十種類くらいですが、縄文時代の日本の樹木は千三百から千五百と言われています。つまり生物の多様性がすごいということです。この島国にこれほどの人間が暮らしているのに熊も二種類生きているでしょう。英国では千年前に絶滅していますよ。海にも同じことがいえます。ものすごく面白く楽しい国なのです。そもそも私の森づくりは、こうした豊かで素晴らしい生態系をもっている日本の森が高度経済成長期以降、摘み取られていくことを憂慮して始まったものです。
樹齢四百年以上のナラやブナ、トチなどの大木が一瞬にして切り倒され、スギやカラマツの人工林になってしまう。その人工林も、またもや経済的な理由で放置され、今や荒れ果てていく光景を目の当たりにし、美しかった本来の日本の森に戻したいという気持ちが高まっていたころに、故郷ウェールズにあった荒れ果てた森がみごとによみがえったことを知って決意したものです。アファンの森というのはウェールズにある森林公園になぞらえたネーミングで、ウェールズ語で「風の通るところ」という意味です。という意味です。日本には素晴らしい自然、豊かな生態系に加えてなおかつ言論の自由があって宗教の自由があって旅の自由があります。それから、もう戦争を七十年もしていない。本当に平和な国ですし、私の感覚でも日本に住んで、嫌な目に遭ったことが全くない。嫌な思いを味わっても面と向かって話せば、だいたい友達になれる。本当にあたたかいのです。

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2020/04/06 (月) 11:03/
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