山浦清美のお気楽トーク

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参議院定数6増???

2018-07-03 | 政治・経済・社会
 参議院定数6増法案が提出され、今国会成立を目指すそうです。私は、以前から主張しています通り、基本的に定数増には賛成です。(参考:「議員定数削減しか方法がないのか?」)
 しかしながら、今回の法案については選挙区の合区で弾き飛ばされた議員の姑息な救済手段としか思えません。本来ならば最高裁が指摘している違憲状態を解消するためには抜本的な改正が必要で、現在の選挙区制度を前提とするならば、大幅な定数増が必要なはずです。

 世の中の趨勢は議員定数削減であることを承知の上で、これまで疑問を呈してきました。今回は具体的な数値も交えて検討してみたいと思います。

 さて、国会議員一人当たりの年間経費は約1億円といわれております。この数値が正しいことを前提として議論を進めてみたいと思います。国会議員定数は衆議院議員465人、参議院議員242人の合計707人となっております。つまり、年間約707億円の税金が使われているということです。
 そこで、10%議員定数を削減すると衆議院議員418人、参議院議員216人、計634人となります。結果めでたく73億円減の634億円となります。これで果たした国会議員が身を切ったと言えるのでしょうか?
 身を切られたのは落選した議員だけなわけです。そしてその落選議員も小数であっても有権者の代表でもあったわけです。すなわち、支持していた国民も切られたことになるのです。そして、当選してきた議員は今まで通りの報酬を享受できるのです。

 一方、同じ73億円削減する方法として削減金額を議員定数で分け合うこともできるはずです。73/707≒0.1033ですので、議員一人当たり経費を年額1,033万円削減すれば実現できます。これでこそ本当に身を切った改革と言えるのではないでしょうか?
10%なんてケチなこと言わずに30%位削減してみてはいかがでしょうか。そうすれば年間約212億円が削減できますよ。

 要は政治に掛かる費用の年間総額を決めてしまえば良いのです。例えば、年間500億円としましょう。現在の議員定数であれば、議員一人当たり7,072万円です。総額を決めてしまえば、国会の物理的条件が許す限り定数増だってできてしまいます。えーぃ、一気に1,000人にしてみましょう。総額は500億円と決められていますので、議員一人当たり5,000万円となります。
 定数を増やすことができれば、議員本来の仕事である立法や行政に対する調査機能なども増強できることになります。議員の数が増えれば質が低下するといった議論がありますが、一方議員の数が減れば果たして質が高くなるのだろうかといった疑問だってあります。結局、このような議論は無意味であって、有権者が適切に判断できるかどうかにかかっています。

 このように私には、議員定数を削減しなければならないといった積極的な理由が見出せません。要は、政治に掛かる費用が高いということだけならば、総額を決める方法だってあるのに何故に議員定数を削減しなければならないといった世論形成がなされてきたのかという点が気になります。そこに何らかの隠された意図があるのではないかと勘繰ってしまいます。
 そういった場合一番疑われるのは、議員数が減った場合一番得する方々に他なりません。すなわち、政権与党ということになります。一々うるさい野党共がいなくなれば、やりたい放題ができるようになります。それに行政組織も同様です。しょっちゅういちゃもんをつけてくる議員が減れば、我が世の春を謳歌できますよね。

 このようなことで議員定数の削減を主張しているとすれば民主主義を否定していることに繋がります。多くの国民が賛同している議員定数削減ですが、今一度立ち止まって考えていただきたいと思います。

 今回の法案提出を契機として、選挙制度に対する抜本的な議論が巻き起こることを期待します。



 


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