山浦清美のお気楽トーク

省エネ、農業、飛行機、ボウリングのことなどテーマ限定なしのお気楽トークができればと思っております。

佐賀弁・筑後弁お国言葉比較考(16)-「はんぎー」と「はんぎり」

2019-10-10 | うんちく・小ネタ
 樽を半分に切ったようなもの、盥の大きいものと思っていただければと思います。これを佐賀弁では「はんぎー」と言います。筑後弁では「はんぎり」となります。おそらく樽を半分に切ったようなものだからだと思います。

 小学生の頃、この「はんぎり」に乗って菱の実採りをよくやっていました。私の生れ故郷はあちこちに灌漑用のクリーク(私達は堀と呼んでいました)が張り巡らされており、そのクリークには菱が植え付けられておりました。母は船酔いするので、代わりに私がやらされていたのです。
 この「はんぎり」漕ぎはなかなかに難しいのです。はんぎりに乗り込むだけでも不安定で、そう簡単なことではありません。少し身を乗り出して手で水を掻いて進むのですが、慣れないとクルクル回ってしまうだけです。
 菱の実も小さいのから鬼菱といわれる大きいのまで何種類かあって、それぞれに異なった味わいがあります。小さい菱は、小腹がすいたり喉が渇いた時などにはんぎりに乗ったまま採れたてのものを生で食べておりました。少し渋い味がするのですが、ほんのりと甘みがあって、懐かしく思い出されます。今から考えるとよくお腹を壊さなかったものだと思います。
 菱の実は湯がいたり、蒸したりして食べておりました。栗に似た食感がありますが味は全く異なります。佐賀でも神崎や千代田あたりで栽培しているということを聞いたことがあります。

 最近ではほとんど口にしなくなった食材です。今となっては懐かしい思い出ではありますが、是が非にでも食べたいとまでは思いません。

 そうそうクリークで思い出したのですが、私は船の櫓を漕ぐことができます。これも小学生のころ近所の家に船があって、悪童連中と勝手に乗り回しておりました。クリークは水の流れがほとんどありませんので、船を漕ぐ練習にはもってこいです。櫓だけではなく棹で漕ぐ練習もしました。棹は櫓よりも格段に難しいのですが、ひと夏の内に両方とも操れるようになりました。
 その後は、船とは無縁の人生を送っております。子供の頃の原体験は、妙な自信に繋がるとみえて、今でも櫓を操って船を漕ぐことができると思っております。




 

 




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