ちるはら
ふっと顕れる眼前に
ひらちら
宙で瞬くように翻し
するいら
浮き廻り漂いそっと
紛れ込む
斑点模様の黒絨毯へ
零れ静かに
降りてゆく花片達
傍えだけの桜並樹
柵に沿い林道の半ば
立ち留まり眺め
その儚く麗しい姿を
辺りに立ち込める
甘い香りと
幻景が誘う束の間
夢心地で見詰めた
どこへも届かぬ想い
淡紅の彼方に昇る
ぴりりと苦い
踊る紫煙と共に
当てなき旅路の途中
朽ち果てるまで
この身がやがて
咲き誇る無尽の春に
いつまでも溺れていたい
※As the flower pieces fall
…花片の零るままに