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山歩家はかく語りき

-晴登雨茶- 明日やれることは無理して今日はやらない主義です

「魚籠を花入にして楽しむ」

   

私が餌竿をテンカラ竿に持ち替えたのは二十数年前のことであるが、その前は餌釣りを何年間かやっていた時期がある。その当時は釣れたイワナやヤマメを魚籠に入れて持ち帰り、ありがたく頂戴していたものだ。

世の中は飽食の時代である。そんな時代であっても、ほどよく焼いたイワナやヤマメほど美味いものはないと確信している。しかも自分で釣った魚であればなおさらだ。

「魚籠を花入にして楽しむ」

しかし、テンカラに転向してからは自然にC&Rになっていったため、いつしか魚を入れる魚籠を使う必要もなくなり、愛用の魚籠はずっと押し入れにしまいっぱなしになっていた。

その魚籠がこのたび再び日の目をみる機会を得たのである。

というのも・・・

実は先日、私が席主となって某所でお茶会を開催したのだが、その席の趣向を「渓流釣り」とした。そこで例の使わなくなった魚籠を引っ張り出してきて花入れに見立てて使ったのである。魚を入れる穴に野の花を入れ床の間にかざってみたが、なんとも侘びて風情があるものだった。
 
二十数年経ってこんな使い方をされるとは魚籠自身も思いもしなかったことだろう。

「魚籠を花入にして楽しむ」

ちなみに茶席でのお菓子は琥珀糖を用意した。何を隠そう私の手作りである。 

寒天をとかし、砂糖を加えて煮詰める。それを固めて、適当な大きさに切り分けたら、10日~2週間程かけてじっくりと表面を乾かし、砂糖を結晶化させる。 外はシャリシャリ、中がしっとりとした涼味のあるお菓子だ。

「魚籠を花入にして楽しむ」

いまは、茶会を開くにも、市販品を取り揃えれば大概のものは間に合う時代だが、昔の茶人はいろんなものを自分の手で用意して客をもてなした。自ら野に分け入り、清水を汲み、席にかざる花を摘み、竹を削り、茶を挽き、魚を釣り、そして料理や菓子を作ったのである。それこそがまさに「馳走」の原点だ。 

そんな昔の数寄者に及びもせぬが、私も茶を嗜む端くれとして少しでもそれを見習いたいと思い、お菓子の手作りに挑戦してみた次第である。

「魚籠を花入にして楽しむ」

出来栄えは上出来、お客さんからも大好評だった。
こんなに喜んでもらえるとは茶人冥利に尽きる。
苦労した甲斐があろうってものだ。

「魚籠を花入にして楽しむ」

そして唐突だが…

今日はその苦労に対する自分へのご褒美に、大好きな渓に行って来た。

「魚籠を花入にして楽しむ」

木漏れ日(今回の茶杓の銘がまさに「木漏れび」だった)がきらめく流れに立って、毛鈎を振り、渓魚たちと戯れながら次の茶会のアイディアをあれこれ考えていると、あれもやってみたい、こんなテーマも面白そう…と、楽しい趣向が次々と浮かんでくる。

「魚籠を花入にして楽しむ」

イワナたちも私を労うように毛鈎に反応してくれて、ほんの二時間足らずでダブルつ抜けの釣果を得ることが出来た。しかも8寸から9寸といった良型がほとんど。

茶会の疲れを癒やしてくれる最高の釣行となったのは言うまでもない。
実にたのしいひとときを過ごすことが出来た。






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