(国内初 民間ロケット発射場起工式 和歌山 串本町)
① ""国内初 民間ロケット発射場起工式 和歌山 串本町""
2019年11月16日 17時48分
和歌山県串本町では、キヤノンの子会社など4つの企業が共同で設立した「スペースワン」が日本で初めてとなる民間のロケット発射場の建設を計画しています。
16日は本格的な工事を前に、関係する企業の幹部や和歌山県の仁坂知事ら、およそ100人が参加して起工式が催され、玉串をささげるなどして工事の安全を願いました。
そして、そのあと開かれた祝賀会で、発射場の名称を「スペースポート紀伊」とすることが発表されました。
宇宙ビジネスをめぐっては観測用などの小型衛星の需要が伸びていて、国内でも民間企業の参入が増えています。
スペースワンは顧客の衛星を宇宙に打ち上げるための小型ロケットの開発を進めていて、2021年度中に最初の打ち上げを行い、2020年代の半ばには年間20回まで打ち上げを増やしたいとしています。
キヤノンの御手洗冨士夫会長は「日本のロケット技術は大変すぐれているが、いよいよ民間ベースで打ち上げができる時がきた。さまざまな顧客の注文通りに衛星を安全に宇宙に運べる会社に発展させていきたい」と話していました。
スペースワンとは
スペースワンは、世界的に市場の拡大が見込まれている小型衛星の打ち上げビジネスへの参入を目指して去年7月に設立されました。
キヤノン電子とIHIエアロスペース、それに、清水建設と日本政策投資銀行の4社が出資しています。
会社は顧客の衛星を宇宙に打ち上げるため、全長およそ18メートル、重さおよそ23トンの小型ロケットの開発を進めています。
そして、和歌山県串本町に国内初となる民間のロケット発射場を建設し、2020年代の半ばには年間20回の打ち上げを行う計画で、16日、発射場の起工式を行いました。
企業の参入相次ぐ宇宙ビジネス
宇宙ビジネスをめぐっては、地上の様子を観測して農業などに活用したり、インターネット網を構築したりするための小型衛星の需要が伸びていて、国内でも、こうした需要を取り込もうと民間企業の参入が相次いでいます。
キヤノンの子会社、キヤノン電子は超小型の人工衛星を開発し、2年前にインドで打ち上げが行われました。
また、国の主導で行われてきたロケットの打ち上げを民間企業で行おうという動きも出ていて、キヤノン電子などが出資するスペースワンは民間で初めてとなるロケットの発射場の建設を計画しています。
🚀 このほか、北海道のベンチャー企業、インターステラテクノロジズは、ことし5月、全長10メートルのミニロケットの打ち上げに成功し民間企業が単独でつくったロケットとしては初めて宇宙空間に到達しました。
2022年以降に人工衛星を積んだロケットの打ち上げを目指しています。