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ロイター ; (最重要記事/見えない経済反転と恐怖心) 5月25日18:07分、 コラム:見えない7‐9月経済反転、刷り込まれたウイルスへの恐怖心

2020-05-25 22:25:49 | 経済;投資、負け犬個人投資家の必死の反撃、統計・CP/AIを活用…

 ◎◎  コラム:見えない7‐9月経済反転、刷り込まれたウイルスへの恐怖心

 

2020.5月25日18:07分

[東京 25日 ロイター] -

 

◐◐  緊急事態宣言が全面的に解除され、いよいよ日本も経済の本格的な再開に向けたスタートラインに立った。だが、日本人に植え付けられた新型コロナウイルスへの「恐怖心」は鮮烈で、個人消費が戻るには相当の時間がかかりそうだ。また、世界最大の市場である米国経済の立ち直りのめども見えず、大幅悪化が不可避の4─6月期に続き、7─9月期の日本の国内総生産(GDP)の行方にも暗雲が漂っている。

  

<4-6月期、GDPはマイナス20%台か>

  首都圏よりも一足先に緊急事態宣言が解除された関西圏では、繁華街の飲食店に客が戻り始めた。だが、多くの店でコロナ前の売上高を取り戻せていない。ドイツや韓国などで強い規制を緩和した直後にコロナの感染が増えたケースもあり、「揺り戻し」を警戒する人たちが、予想以上に多いことをうかがわせている。

日本国内の景気がどうなるかは、GDPの6割を占める個人消費の帰すうにかかっている。4、5月と緊急事態宣言が継続したため、4─6月期の個人消費は大幅なマイナスが予想されている。また、欧米を中心にロックアウト(都市封鎖)を実施した影響で世界経済の落ち込みも深刻で、米国は同じ期間にGDPが40%台のマイナスになりそうだとみらており、外需不振も深刻。日本はマイナス20%台の落ち込みになるというのが、コンセンサスになりつつある。

普通のマクロ経済の軌跡であれば、マイナス20%の次の四半期はその反動でプラスが見込める。しかし、今回はどうも様子が違う。

 

<真夏イベント中止の波紋>

  最大の要因は、政府が緊急事態宣言を解除しても、多くの日本国民の心の「緊急事態モード」が解除されていないことだ。連日、新聞やテレビがウイルス感染の拡大の様子を報道。国内での死者は800人を超え、感染者も1万7000人に迫っている。「3密」な場所に行って、感染したくないとの恐怖心は、相当程度に浸透したと思われる。

その結果、昨年の夏休みと同じようなレジャー計画を立てている人々は、少数派に属しているのではないかと予想している。

8月の高校野球選手権大会(夏の甲子園)も中止となり、関連する消費の落ち込みは避けられない。今年は隅田川の花火大会も早々に中止が決まり、夏のイベント中止が目白押しだ。例年実行されてきたイベントが中止や規模縮小に追い込まれると、個人消費に与える影響は、統計上の季節調整のくせも相まって、かなり大きくなりそうだ。

 

また、すでに解雇された正規社員や非正規社員も相当数に上り、そのニュース自体が多くの雇用者や企業経営者の心理を悪化させるスパイラルが進行する。夏のボーナスも大幅な悪化が見込まれ、雇用・所得環境の悪化は消費を冷え込ませる。

消費の悪化が避けられないと見れば、企業の設備投資はどうしても手控えになる。個人がリスクを感じている以上、民間住宅投資が上向くはずはない。7─9月期の内需はよくて横ばい、マインドが悪化していれば、マイナスの展開もあり得そうだ。

 

<米国発のマイナス連鎖>

一方、外需は中国がコロナ感染から真っ先に抜け出し、世界経済のリード役に躍り出るとの期待感があった。ところが、中国から見て最大の輸出先である米国経済は、失業者の急増で4─6月期にマイナス40%の大失速に直面しそうで、対米輸出が予想を超えて不振だ。一部の報道では、コロナ感染の終息を受けて農村から都市部に帰ってきた労働者が、製造業の稼働率の低さで農村に戻っているとされ、 グローバル化した世界経済で中国が独り勝ちできない構図を浮かび上がらせている。

この状況が7─9月期に急速に回復するのは難しそうだ。となれば、日本にって輸出で内需不振をカバーするのは難しく、内外需ともに横ばいか、よくて多少のプラス、南半球のコロナ感染が悪化した場合は大幅なマイナス成長になることも覚悟が必要だ。

 

<恐怖払しょくへ、「検査と隔離」政策に転換すべし>

根底にあるのは、個人が持っているコロナへの抜きがたい「恐怖心」だろう。これを薄めるには、ウイルスの陽性者と陰性者を完全に区分けできる「大規模検査」の実施と、陽性者の完全な隔離の実行が必要だ。

その場合、政府が「自粛」と「クラスターつぶし」というこれまでの基本政策から決別し、「大規模検査」と「隔離」を新しい2本柱とする政策に転換したと国民に強く訴えることが必要だ。隔離が円滑に実施できれば、恐怖心も次第に弱まり、少なくとも国内の移動に関しては、おびえることなくできるようになり、経済活動もかなり活発化しているだろう。

その時になれば、政府の景気振興策も実を結ぶことが可能だ。恐怖心理の抑制政策が景気回復にとって、回り道のように見えて、近道であると主張したい。

●背景となるニュース

・ 全都道府県の緊急事態宣言解除、諮問委が了承=西村再生相

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編集 高木匠

 

 

 


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