◎◎ 日本株は小反落、英行動制限や米経済対策遅れ懸念-自動車、銀行安い
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★★ 23日の東京株式相場は小反落。欧州での新型コロナウイルス感染再拡大や、米追加経済対策の遅れが景気回復に影響しかねないとの懸念から、自動車や建設など景気敏感株を中心に売られた。また、海外大手金融機関の資金洗浄(マネーロンダリング)疑惑や海外金利の低下で銀行などの金融株も安い。一方、4連休中の国内の人出回復を確認し、陸運、小売、サービスなどは上昇した。
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<きょうのポイント>
¤¤¤⇨ T&Dアセットマネジメントの浪岡宏ストラテジストは「欧州での新型ウイルス再拡大、米国での追加経済対策の動向が見えにくく、マネーロンダリング疑惑で銀行株が嫌気されるなど、グローバルではリスクを警戒している」と指摘。「保守的なバレット氏が連邦最高裁判事候補に挙がっており、議会でもめると、結果として追加経済対策の議論にも影響が及ぶ可能性があり、日本株も慎重にならざるを得ない」と話した。
¤¤¤⇨ TOPIXや日経平均は午前中こそ軟調に推移していたが、午後に入ると下げ幅を縮小し、一時プラスに転じる場面もあった。一方、東証マザーズ指数は2.5%上昇し1212.99ポイントと、2018年3月以来約2年半ぶりの高水準となった。浪岡氏は「米国株の動向からみて国内でもバリュー株よりはグロース株が選好されやすい」と語った。
¤¤¤⇨ 岡三証券の松本史雄チーフストラテジストは午後の日本株下げ幅縮小について「富士フイルムのアビガンのニュースが好感されたほか、日銀のETF買い入れの観測や、配当など権利取りの可能性もある」と指摘した。
⇨⇨ マネーロンダリング疑惑の影響について松本氏は「英独米の大手金融機関が関与しており、日本への影響は少ないが、間接的に金融不安から景気への影響が懸念される」と述べた。ブルームバーグ・インテリジェンスの田村晋一アナリストは銀行株の下落について、マネロン疑惑に加えて、「米国10年国債利回りが8月下旬の0.7%から0.67%までやや低下し、銀行、保険など金融株全体が下げている」と指摘した。
- 東証33業種では鉱業、鉄鋼、、非鉄金属、保険、建設、不動産、銀行などが下落
- 陸運、小売、海運、卸売、サービスは上昇