己が温泉巡り開眼したのは、塩原温泉様の存在に他なりません。
たまたま当時の仕事上、那須塩原駅界隈への日帰り出張が散発し寄っていた縁もあるのですが、兎に角、原体験の思い入れが格別な温泉地な訳です。
近年は全国方々の温泉巡りをしていた為ちょっと疎遠になっていたが、久々に此処に“帰って”来た想いで、今般10月初旬に滞在してみました。
新湯(あらゆ)温泉地区の共同浴場は好物の白濁強酸性温泉であり、第一優先で浸かりに行きたい場所。畑下温泉のぬりやさんをチェックアウトしてから訪れたところ、三軒ある共同浴場(いずれも小さな湯小屋レベル)のうち一番沿道に近い 寺の湯 からは入浴者の馬鹿デカイ声が響いていて、ポカ~ン…
背後に湯煙立ち込める爆裂火口跡がある好立地なのですけれどね。
道路向かいの階段を降りて行くと別の共同浴場、むじなの湯 があって、ここは幸い無人のタイミング。
激熱のお湯を張っている途中だったが、遠慮せずホースで加水して味わいました。共同浴場って、湯加減が常に適温で管理されている訳でない、という傾向は有りますね。
この“新湯”に対して、“元湯”と言われるエリアが数キロ離れた所にあって、三軒の旅館がやはり白濁の硫黄泉を提供してくれています。但し、こちらはPH的には中性になります。
今般入浴したのはゑびす屋さんで、真隣りに 元泉館、更に奥には 大出館 と並んでおり、後者へは高台を回り込まないと辿り着けない。
ゑびす屋さんの渋い湯処を味わったが、三軒とも重要文化財級の名湯と思っております。
館内に掲示してあった、往時の元湯古絵図。秘湯そのままに三軒のみ現存する状況と比べると、凡そ考えられない賑わいっぷりが描かれています。
江戸時代に塩原温泉の元祖として開湯したが、1683年の日光大地震でほぼ壊滅→先ほどの新興地区で改めて温泉宿が開業し、“新湯”と呼ばれるようになった複雑な歴史があるのです。
現在、我々がこうした良泉を享受できるのも、沢山の先人達が苦節を乗り越えて下さったからこそ…、という点を忘れてはいけませんね。
ちなみに今回の初GoTo…、では千円単位の地域共通クーポンも宿泊宿で貰っており、塩原もの語り館(観光協会)で土産の買い物をしているが、一袋単位で売っている温泉の素が、額面金額のロスを避ける調整に便利でした(例:1,600円の買い物をして2,000円分の券面を出しても差額の400円が帰ってくる訳ではなく、ドブに捨てるかどうかという事)。
売られていたのはいずれも先ほどの元湯の旅館の温泉。実際、お家に帰って楽しめるのだし、とても有難いですわ。
自分が、温泉初心者の分際で塩原に惹かれた理由の一つは、当時、河原の無料寸志風呂が充実していたこと。でも今は、塩原もの語り館対岸の もみじの湯 は、コロナ禍を理由として入浴不可。
以下の二湯は、かつてはこの駐車場所を基点にして箒川沿い遊歩道を歩いてアクセスしていたもので、そこが健在だったのは良いとして…
一番己の好みにフィットしていた 岩の湯 は、崖崩落の危険性により入浴不可。個人的にも、崖上からカモシカに小石をポロポロ落とされた思い出があるんですね、ココは(笑)。
こちらも、寂しくお湯が完全に抜かれた状態になっていた 不動の湯。バカップル達の痴態で閉鎖になったと聞いて何年か経つ。
様々な世相を表した現在が、そこにある様です。
久々のご当地グルメも味わいに来ました。見事、お昼時と重なってしまい30分待ち。秋の行楽に合わせて経済が回っているんだ! と喜ぶべきところでしょうか。
初めて食べたときは、焼きそばのソース味が見事に液状化したスープの味わいに感激したものですが、ちょっと記憶違いだったかな。それでもこれは純粋に美味な逸品として味わえまっせ!
以下は、塩原温泉郷の大好きな風景群。決して意図している訳ではないが、ホテルニュー塩原の建物が中心になってしまう。
ここら辺は、塩化物泉・炭酸水素塩泉の宿がひしめく塩原温泉郷の中心部で、“顔”とまで言えるでしょうか。
その昔、プロレス好き少年は、テレビ東京の国際プロレス中継を毎週見ていて、関東ローカルのCM放送の中にこのホテルニュー塩原も毎週流れていたものです。なので、温泉など全く興味のない時分からも塩原温泉だけはずっとインプットされていました。それが、時を経てこうした縁で結び付いたりしちゃうのですね。
当然、大江戸温泉物語の傘下に入っていない頃になります。
自分が印象に残っているCMは、とあるお姉さんが露天風呂に入って
♫ しおば~らは~ お湯もたっぷ~り~ 自然たっぷ~り~
と詩吟タッチで口ずさんでいた映像なのですが、チョロッと動画検索しても見つからなくて残念。
那須塩原側から温泉郷に入るとき、一番最初に位置するのが 湯守 田中屋 さん。今季始めは、心無き輩による被害に遭われてしまった所ですね。
無断キャンセルなくす契機に 旅館8軒賠償提訴 宿泊業界泣き寝入り大半
キャンセル料請求の連絡も不通で、
犯人はキャバクラ事業者と報道されている。新宿あたりでコロナ感染を振り撒いた事象もあるし、全くクソ迷惑な業界ですね。こんなのとかホストクラブ事業者へのコロナ禍においての休業補償など、今も大反対です。今日、話題を振りまいている学術会議にしても、税金の使われ方に対して目を光らせ、我々は厳格に声を挙げるときはあげなきゃならないのではないでしょうか。
ところで田中屋さんの建物対岸には、渓谷沿い露天風呂があり、ココは是非立ち寄りたいな…と思ったが、現在は宿泊者専用となってしまっている様でした。
吊り橋が多い事でも定評のある塩原。下流域にはダムが有って、東京電力のTEPCO館なんて展示資料館もありましたね。原発事故の関係で、そんな施設を持っているのは許さん、って世相になって閉めちゃったのだろうけど。
温泉郷からは脱出し、たかはらオートキャンプ場をチラ見訪問。非・温泉らしいが浴場付きで、そのうち堪能してみたい処だったりして…
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