ウイスキーの刻 ~Whiskyのとき~

耳を澄ませば聴こえるウイスキーのメロディ。
『ウイスキーの刻』は、その真実を探し求めていきたいと思います。

『チーズの世界』プラトー④

2019-12-03 19:19:19 | 日記
 こんばんは。Aokiです。

 今回のチーズプラトーには、ついにウイスキーがお供をいたします。


☆☆☆

 まずは、チーズのご紹介をいたします。

 左から、「マンステール」、「ピラミッド」、
 「パパイヤ入りクリームチーズ」です。

 ウイスキーの『ラガブーリン(Lagavulin)』とのマリアージュを
 イメージして、タイプの異なるチーズをセレクトいたしました。

 『ラガブーリン』は、個性際立つアイラモルトの中でも、
 一目置かれる存在です。

 しっかりと、ピーティー。

 けれども、それに依存することなく、
 落ち着いた風格は、懐の深さを感じさせます。

 『ラガブーリン』とそれぞれのチーズが、どのような共演を果たすのか、
 そもそもウイスキーとチーズは分かり合えるのか・・・

 改めて、そのテーマに踏み込みたいと思います。


◆「マンステール」

 フランスの東部、アルザス地方のウォシュタイプ・チーズです。

 柔らかくクリーミーな「いぶりがっこ」を
 イメージしていただけますと、近いと思います。

 藁ぶき屋根の古民家の軒先で、「いぶりがっこ」をいただき、
 吟醸酒をグビッと。

 続いて、マンステールの香りを楽しみ、
 口に含んだ後のフレーバーを堪能しましたら、
 ゆっくりと『ラガブーリン』のストレートを。

 至福の刻が、待っています。


 そんな妄想から現世に戻り、改めて味わいを愉しみます。

 これは、相性が良いですね。


 ウォッシュタイプとはいえ、
 マンステールは過度にクセのあるタイプではなく、
 田舎のおばあちゃんが丁寧に干した大根を、
 娘さんが囲炉裏で丹精込めて燻す・・・
 んっ?やはり、「いぶりがっこ」・・・の如しです。

 そこに息子さんが『ラガブーリン』を携えて帰郷する・・・

 和気あいあいと『ラガブーリン』を囲んで夕食・・・

 でも、『ラガブーリン』を飲むのは息子さんだけ。


 「飲み過ぎに気をつけろや」と、おばあちゃん。

 「そんな煙くさいもん、どこが美味いんかね?」と娘さん。

 「女、子供にはわからんたい。」


 「夜更かしせんと、早よ寝ろや」と、おばあちゃん。

 「目にくまが出来とるやなか」と娘さん。

 「そんなことないきに。」


 「しばらく、こっちにおられると?」と、おばあちゃん。

 「雨戸の建付けが悪うなっとるで、
  東京に戻る前に直したってや」と娘さん。

 「ええから、ええから、
  こっちにいるときくらい、ゆっくりしていき」


 『ラガブーリン』の香りは、囲炉裏を囲む団らんの刻。


◆「ピラミッド」

 「ヴァランセ(Valencay)」という、
 フランスのシェーブル(山羊乳)チーズがございます。

 ピラミッドの頭を切った形で、木炭粉をまぶしてあります。

 ほど良い柔らかさと、シェーブル特有の、
 やや野性味のある味わいが秀逸です。

 「獣臭」という表現もありますので、
 好みは分かれるところかもしれません。

 
 「ピラミッド」は、その「ヴァランセ」を
 セミハードにしたような感じです。

 『ラガブーリン』には、少し幼い感じがいたします。

 「ヴァランセ」ですと、丁度釣り合うかな?
 というのが、偽らざる感想です。


◆「パパイヤ入りクリームチーズ」

 ウイスキーのイベントで試食させていただいた
 『ラガブーリン』入りクリームチーズは、とても美味しかったです。

 市販されていないのが残念です。

 市販のものであれば、チェダーチーズをベースに、
 『ラフロイグ』や『スプリングバンク』が含まれたチーズが
 ありますので、是非、お試しください。


 さて、「パパイヤ入りクリームチーズ」と
 『ラガブーリン』のマリアージュは、いかがでしょうか?


 ふむふむ。。。


 パパイヤのフルーツ感が、少々浮足立つ感は否めません。

 そこで、まずは、パパイヤとクリームチーズのマリアージュを楽しみ、
 少し落ち着いてから、『ラガブーリン』をじっくりと味わってみました。

 口中に残るパパイヤの酸味と、クリーミーな記憶が、
 渋い『ラガブーリン』おじさんの淡い青春時代を映し出すようで、
 これはいけます。


 マリアージュは、タイミングを変えることで
 調和が生まれることもあります。

 「AとBのマリアージュ」という単純な構図ではなく、
 「AとBを同時に」、
 「Aの後、少し間をもってB」、
 「AをCと合わせた後にB」、
 「予め加水したBとA」
 といったように、工夫をしてみると、発見があるかもしれません。


 人間関係にも通じることですね。

 不愛想な人が、ワンコと一緒だと目尻が下がってフレンドリーだったり
 ・・・とか。


 今回の試みは、マリアージュの奥深さを知るきっかけになりました。


                          Z.Aoki
コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 『書斎』⑦其の二 | トップ | シングルモルト第3弾⑪ »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

日記」カテゴリの最新記事