ウイスキーの刻 ~Whiskyのとき~

耳を澄ませば聴こえるウイスキーのメロディ。
『ウイスキーの刻』は、その真実を探し求めていきたいと思います。

本とウイスキーのマリアージュ④

2019-02-16 19:19:19 | 日記
 こんばんは。Aokiです。

 本・・・ではありませんが、かつてTV放映されていたアニメの『一休さん』。
 印象的なお話があります。

 『かもめのジョナサン』や『舞台風景』とも繋がるところがありますので、ご紹介いたします。

 それは、身近なブレンデッドウイスキーの再発見にも繋がります。


☆☆☆

 歴史上の人物である一休さんを、とんち(頓智)の名手として、子供向けにアレンジしたのが、アニメ『一休さん』です。

 「このはし渡るべからず」の立て札にひるむことなく、はしの中央を堂々と渡るお話。

 「屏風の虎を捕えよ」という将軍の無理難題に、「捕えるから、屏風から追い出してくれ」と切り返すお話。

 などなど、様々な逸話があります。

 見方によりましては、とんちというよりも、詭弁や問題のすり替えともとれるお話が多いのですが、中には、共感できるものがあります。


 山海の珍味やご馳走を食べ飽きた将軍が、一休さんに「究極の料理」を所望しました。
 もちろん、一休さんが、これまで将軍が食べてきた以上のご馳走を用意できるはずはありません。
 しかし、一休さんは承諾しました。

 「ただし、ご馳走をいただく前の作法があります。」と、一休さん。

 「その作法に従おう。」と、将軍。

 そのお作法とは・・・

 将軍は、薪割りなど、労働をさせられます。

 将軍ですから、日頃、そのような雑務をすることなどありません。

 ほど良い運動をし、額にはうっすらと汗が・・・

 「一休よ、腹がすいたぞ。馳走はまだか?」
 と将軍が尋ねる頃に、待ちに待ったご馳走が用意されます。

 それは、どのように豪勢なものだったでしょう?

 実は、ご飯と漬物、味噌汁程度の質素なものでした。

 すでにお分かりかと思いますが、満腹のときにどんなご馳走を食べても、それほど美味しいとは思わないものです。

 逆に、空腹時ですと、白米だけで十分美味しく感じるわけです。
 逆転の発想です。

 当たり前と言えばそうなのですが、意外と忘れてしまうことですね。


 ウイスキーも同様です。
 年代物の銘酒もよいですが、実はスーパーで購入可能な安価なブレンデッドウイスキーも、飲み手次第で銘酒になります。

 「空腹」が“最高のご馳走”であるように、「渇望」は“究極の銘酒”です。

 労せず高いウイスキーを飲むことを良しとするか、そこに辿り着くまでの道のりを自ら歩き、ありきたりのウイスキーを銘酒にするかは、考え方次第ですね。

 何事も、バランスが大切ですが・・・


                       Z.Aoki
コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 『舞台風景』 | トップ | 本とウイスキーのマリアージュ⑤ »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

日記」カテゴリの最新記事