ウイスキーの刻 ~Whiskyのとき~

耳を澄ませば聴こえるウイスキーのメロディ。
『ウイスキーの刻』は、その真実を探し求めていきたいと思います。

シングルモルト第3弾⑪

2019-12-04 19:19:19 | 日記
 こんばんは。Aokiです。

 スコットランドやアイルランド、
 アメリカ、インド、台湾、タスマニアなど、
 近年の蒸溜所建設ラッシュは、凄まじいものがあります。

 日本も同様ですね。

 この波の始まりは、2014年頃からだったでしょうか。

 その2014年創業の『キングスバーンズ(Kingsbarns)』。

 『アナンデール(Annandale)』や『エデンミル(Eden mill)』と同じ
 ローランド(スコットランドの南部、エジンバラのある地域です)の蒸溜所です。

 大型の2基のポットスチルを有する『グレンキンチー(Glenkinchie)』や、
 3回蒸留が特徴の『オーヘントッシャン(Auchentoshan)』など、
 穏やかな酒質が持ち味の地域です。


☆☆☆

『キングスバーンズ(Kingsbarns)』


 札幌のウイスキー研究会に参加させていただく機会がございました。

 様々なウイスキーに、珍しいビール、絶品の牡蠣などを堪能いたしました。

 その中でも印象に残るウイスキーの1本が、
 『キングスバーンズ(Kingsbarns)』。


 何やら由緒正しい感じのネーミングですが、
 実際に、オーナーのウィームス家は、城主でもある名家です。

 「SPIRIT DRINK」と記されているとおり、
 いわゆるニューポット(ニュースピリッツ)で、
 「ウイスキー」は名乗れません。

 近年、日本の蒸溜所でも、蒸留したてのニューポット、あるいは、
 短期熟成ものなど、酒質を知るには良いラインナップが増えてきました。


 『キングスバーンズ』の特徴の一つは、
 発酵も蒸留もゆっくりと時間をかけて行うことです。

 特に、長時間発酵は、乳酸菌の働きが活発になりますので、
 酸味・旨味に富んだ味わいになることが予想されます。

 テイスティングをいたしますと、昆布出汁のような旨味が感じられます。


 これと同様の味わいは、2019.11.06掲載『街角の書棚』⑥に登場の
 『三郎丸 ニュースピリッツ』です。

 ということは、『三郎丸』も長時間発酵をさせているのかもしれません。

 日本の新規蒸溜所の「ニュースピリッツ」は、
 概ねテイスティングをいたしましたが、
 この出汁系の味わいは、『三郎丸』だけでした。

 『キングスバーンズ』に同じものを感じ、感慨深いです。

 この味わいが、どのような環境で、どのような樽で熟成されるのか、
 とても楽しみです。

 旅立つ前の旅人と、語らうようです。

 旅を経て、旅人はどのような人格となるのか・・・

 まるで、見送る親の心境です。


 『ウルフバーン(Wolfburn)』のラインナップも充実してきましたし、
 新たな潮流が大河となりつつあることを感じております。

 ウイスキーの新たな時代・・・刮目すべし・・・ですね。


                       Z.Aoki
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