ウイスキーの刻 ~Whiskyのとき~

耳を澄ませば聴こえるウイスキーのメロディ。
『ウイスキーの刻』は、その真実を探し求めていきたいと思います。

『アイリッシュ・コーヒー』⑩

2019-04-22 19:19:19 | 日記
 こんばんは。Aokiです。

 ここを知らずして、『アイリッシュ・コーヒー』は語れないでしょう。

 (※本文中、敬称略にて失礼いたします。)


☆☆☆

『La Giostra(ラ・ジョストラ)』


 路地裏探訪⑮として、2019年1月27日に掲載のお店です。

 世界NO.1バリスタとして、また、ワインやジンにも造詣の深い店主が淹れるコーヒーをベースにいただく『アイリッシュ・コーヒー』。

 いかなるものか・・・


 ・・・店主の時崎さんは不在でした。

 イベントに出席中とのことで、代わりにスタッフの方が淹れてくださいました。

 フランベしたアイリッシュウイスキーが、エスプレッソマシーンで淹れたコーヒーとひとつになり、ほどよく冷えたクリームと絶妙なデュエットを奏でる。

 まさに、芸術の域です。

 使用するアイリッシュウイスキーは、定番の『ジェムソン』ではなく、『タラモアデュー(Tullamore Dew)』。

 『タラモアデュー(Tullamore Dew)』は、直訳しますと「タラモア(地名)の露」。

 しかし、蒸溜所の当時のゼネラル・マネージャー「ダニエル・エドモンド・ウィリアムス(Daniel Edmond Williams)」の頭文字でもあります。


 立派なエスプレッソマシーンで、確かな技術に基づき淹れられたコーヒー。

 手際よく、手間を惜しまずに加えられた『タラモアデュー』。

 ホット&クール、黒と白、味わいと食感。

 異質なるものが二層になり、それが口中でひとつになる・・・

 別々の個性が、唯一つの世界を紡ぐことの不思議。

 カクテルの神髄が、ここにありました。


 そして、ここにきて、化学反応が起きました。

 『ラ・ジョストラ』の『アイリッシュ・コーヒー』が、これまでのピースを繋げてくれたのです。


◇『BAR THE EARTH(ジアス)』

 『ブッシュミルズ』のシングルモルト10年でつくっていただきました。
 程よい酸味が、上品で大人のスウィーツを演出する『アイリッシュ・コーヒー』。
 飲み進むうちに、次第にシングルモルトの重厚な香味が際立つのが特徴でした。

◇『Albion’s Bar(アルビオンズ・バー)』

 ゆっくりと、アルコールランプで熱せられた風味豊かなコーヒーに、個性的な『ティーリング』を合わせた、親子の共演。
 そして、これを一層引き立てる『エスプレッソ・チーズケーキ』。

◇『CACAOTAIL(カカオテール)』

 若草香るチョコレート『アルアカ』と、程よい酸味のクラッカー。
 控え目なまろやかさを感じる『アイリッシュ・コーヒー』に、少しビターで爽やかな潮風が流れるアンサンブル。

◇『Sanlucar BAR(サンルーカルバー)』

 青い炎が揺らめくグラスに注がれた、淹れたてのコーヒー。
 クリームを浮かべて完成した『アイリッシュ・コーヒー』は、究極の逸品。

◇『Mero's Bar』

 『ジェムソン』を使用したスタンダードなレシピながら、甘み控え目、ウイスキー多めな感じ。
 クリームは濃厚でありながら、ビターなコーヒーとの相性が良い「大人のアイリッシュ・コーヒー」。

◇『カラスの書斎』

 ダークブラウンのカウンターの上
 やわらかいオレンジ色の灯りに照らされ
 艶のある『アイリッシュ・コーヒー』が存在感を醸し出す・・・
 味だけではなく、この場所の、この刻だからこその一体感。


そして・・・『ラ・ジョストラ』。


 『アイリッシュ・コーヒー』の旅に出るにあたり、基本事項のおさらいをし、探求の視点を明確にしました。

 ひとつひとつの『アイリッシュ・コーヒー』を味わい、そのレシピ、つくり方、コンセプト等の違いを知り、マリアージュ、周囲との調和に至るまで、見える世界が広がりました。
 
 ひとつの事を疎かにしては、どれだけの事実に遭遇しても、身につかないものです。
 それは、事の起こりを遠巻きに見る群衆と同じだからです。

 その一方で、ひとつの事を知り、二つの事を知り、三つの・・・
 『知』は、経験に比例して、二倍、三倍・・・ではなく、ある時点で異次元へと変わるようです。

 経験を積む過程で、あるとき突然、扉が開くような感じです。
 それまでのピースが繋がり、全く別の世界が現れるのです。

 ひとつひとつに真摯に向き合うことは“蓄積”ではなく、羅針盤の“在処”を示す地図のピースを手に入れることなのかもしれません。

 全てのピースが揃わなくても、今、自分のいる位置から羅針盤の“在処”に辿り着く道順がわかれば、必ずしも地図を完成させる必要はありません。

 ただ・・・この時点では気づいていない、もうひとつのことがありました。

 それは、次回お伝えすることにいたしましょう。

 さて、『ラ・ジョストラ』でこれまでの地図を貼り合わせた結果、羅針盤に辿り着きました。

 しかし、その指し示す先は、言葉で表現することが極めて難しい領域です。

 勿体ぶっているのではなく、「現在の私の語彙力、表現力では、無理」と申し上げた方が的確かもしれません。

 唯一つ言えることは、「自ら踏み出す一歩が、真実の扉を開ける鍵になる」ということです。

 そして、“分かった”と思っても、そこが終着点ではないことを、後日知ることになります。


                           Z.Aoki
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