昨日、ふしぎなことがあった。
ある、お気に入りのお店があるのだが、
そこへたまたま訪れたという人がきた。
しかもそれはこようと想ってきたと言うより、
まるで呼び寄せられるようにやってきた
感じだった。
その男性はアメリカ人の方で
寡黙でアカデミックな知性を兼ね備えた
男性だ。
じつは彼とは１年前
あるライブイベントで出逢っていた。
そのとき彼は日本人・外国人が
ざったに混じるなかで優雅に、
スマートに受け応えしていた。
その姿を観て私は、
＜僕も社交的にはできはするが、
あんなにはできないな＞
と想った。
グラス片手にさまざまな人と交流する姿は
ある意味自分とは違う流暢さがあったから
だ。
もうひとり仲良くする外国人とは
ちょっと毛並みが違う。
たぶんこの人とは相性も
ウマも合わないだろうな、
と勝手に想っていた。
ところがだ。
たまたま立ち寄ったという彼は
そのときとは雰囲気が違っていた。
パーティーとは違うせいかもしれないが
なにか、繊細な顔に観えたのだ。
それで英語と日本語を交えて
話しかけた。
ひ「Ｊさん。この間逢いましたね。
覚えてます？」
Ｊ「あぁそう言えば何となく……」
ひ「じつは正直、あのとき話しかけにくいな
って想ったんですよ。
だってＪさん、とてもスマートにみんなと
交流してたから」
Ｊ「あぁそうでしたね。でも違うんですよ。
ほんとは友だちすごく少ないんです！」
ひ「えっ！ ホントですか！
そんなには観えない……」
Ｊ「いえそれが真実です。
人と合わせるのが苦手なんです」
ひ「えーーーっ それが意外！
むしろ僕のほうが苦手だけど
一所懸命に合わせてるのに対して、
Ｊさんはカンタンにできてるように
観えたケド……」
Ｊ「ソンナコトナイヨ。ひろさんのほうが
社交的ですよ」
ひ「なんか面白いですね。
Ｊさんのほうが日本人みたい」
Ｊ「そうね、ひろさんのほうが
典型的アメリカ人という感じですね」
ひ「まぁそれはあるかもしれません。
というか日本ではなかなかわかって
もらえないんですよ。
すぐに心情を話すから。
なんか日本人らしくないと警戒される」
Ｊ「面白いね、日本人のひろさんが
アメリカ人で僕が日本人みたいで……」
ひ「でもこうして話せてよかった。
もし話せてなかったら誤解してた。
これからもよろしく」
Ｊ「コチラコソ」
そう言ってハグしました。
私は想うのです。
よく相談を受けるときに
「きっとそれはこうだ」とか
「こうに違いない」と決めつけます。
でも真実はぜんぜん違うところに
あることも少なくない。
返信がこない、
うわの空で聴かれた、
スルーされた、
それはもしかしたら
ぜんぜん違うことなのかもしれません。
あなたを嫌っているわけではなく
むしろ好意を持つ可能性だって
あるかもしれない。
そこへの入り口の扉を
そっと押してみる。
怖いけれど、自分の心情を伝えながら
前に進んでみる。
そうしてタイミングが合えば
パーっと道がひらけていくかもしれない。
そうしたとき
誤解は氷解し、目の前の人と出逢って
いけるのです。
なんか最近、感慨深いな。
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