サッカーの基礎

リフティング練習|サッカーの指導について

リフティング練習|サッカーの指導について

リフティングはボールを上手に扱うようになるうえで欠かせない練習です。

どのようなリフティングの種類があるでしょうか。

どのように実戦に活かすことができるでしょうか。

リフティングとは、手を使わないでボールを地面に落とさないようにすることですから、頭、肩、もも、足、もし可能なら背中やお尻も使えます。

でも、ここでは基礎技術をどのように向上するよう指導できるかについてふれましょう。

 

足を使うリフティング

 

足を使うのは最も基本的なリフティングです。

足の甲を使ってボールを上手にまっすぐ上に蹴りあげ続けることが必要です。

足の甲は平たくありませんので、それが意外と難しいのです。

恐らく最初はボールがなかなか思うように上に上がってくれないと思います。

その為に何ができるでしょうか。

つま先辺りで小さなリフティングの練習をしてみる。

ボールを上にあげる感触をつかむためにボールを小さく上げるリフティングをやってみましょう。

太ももの動きはほとんど使いません。

足首だけを使って、先につま先と書きましたが(実際は足の指の付け根辺りで)ボールをちょんちょんと浮かしてみます。

ボールを上げる高さはほんの少しです。

すると3-5回くらいは意外と簡単にできるのではないでしょうか。

これで少し足の甲のあたりでボールをつく感触とボールをコントロールする感触を体験できます。

足の甲で蹴るリフティングの注意点ですが、地面に落としたくないあまり地面から離れていることが保険のように感じてしまい、なるべく高いところでボールを蹴ろうとしてしまうかもしれません。

是非、そうする必要はないことを教えてあげましょう。

ボールを上手にコントロールして蹴り続けるには、無理な体勢はむしろ不利なのです。

自分が一番蹴りやすい高さでボールを蹴ることが一番ボールをコントロールしやすいことを教えましょう。

少し我慢して一番楽な姿勢で蹴れる高さまでボールが落ちてくるのを待つ必要があります。

これは、ほかのシーンでも、自分に一番有利な姿勢でボールを蹴れるまで一瞬のタメを作る必要があることに当てはめることが出来ます。

利き足でない側の足も少しづつ使ってみるよう教えましょう。

これは私の個人的なパターンですが、リフティングを続けていくと上手にコントロールできる位置とそうでない位置、ボールの動きが少し乱れてしまう足とそれを調整する動きを繰り返す時があります。

例えば左足でけると少し乱れる、それを次に右足で調整し、整ったらもう一度左足、また少し乱れる、また右足で調整。

といった具合です。

それでも、次第に左足の使い方も上手になっていくものです。

ですから両足を交えて蹴ってみるように勧めましょう。

 

太ももを使ったリフティング

 

足の甲で行うリフティングの次は太ももでリフティングです。

最初は自分で手で落として太ももでリフティングを始めてみるとよいでしょう。

太ももといってもあまり手前にすると詰まってしまい上にあげにくくなってしまいますので、膝のお皿の少し体側、大きな筋肉が左右に分かれる辺りを使ってボールを蹴りあげてみると良いでしょう。

太もものリフティングはコントロールしやすいので、足でけったボールが乱れたとき、太ももで一度ボールを受けて動きを抑え、再度足でリフティングを続けるといったことができます。

太ももの筋肉の分かれている位置でボールを受けることに関して言えば、試合中、強めのボールが自分の体正面に飛んでくるといった状況で使うことができます。

比較的ボールの勢いを殺しやすいのです。

太ももでトラップし体を上手に使って自分の足元にボールを収めるといった動きをする助けになります。

 

ヘディングでリフティング

 

ヘディングシュートなどでボールを強く飛ばすには、ボールに対する恐れを除いてあげる必要があるかもしれません。

リフティングはその助けになります。

最初は自分の手でボールを少し中にあげてそれを一度ヘディングしてみるという動きをしてみるとよいでしょう。

最後までボールを見続けるように頑張ることを教えましょう。

ボールがおでこに当たることに慣れてきたら、ボールを少しだけ突き上げるようにして、小さなリフティングを何回出来るかやってみましょう。

常に体が(特に頭が)ボールの下にいるように注意します。

その他のリフティング

例えば、ヘディングでのリフティングから肩を使ってのリフティングに移動できるでしょうか。

頭→右肩→頭→左肩→頭、といった風にできるか挑戦してみましょう。

さらには胸でボールを受けることもできます。

胸トラップをリフティングに混ぜることもできます。

ボールを高めに蹴って、それを胸で受けもう一度リフティングを続けるといったことが出来ます。

胸で受けるときは胸の正面で受けるか、左右のどちらか正面よりも筋肉の発達した部分で受けるといったことを試し、得意な方法を探ってみることが出来ます。

胸でボールを受けることはそれほど難しくないので、試してみると体全体を使ってボールを扱うという感覚を培う助けになるかもしれません。

サッカーの試合中、ボールを受けた時に顔を上げて辺りを見るのが難しいのはなぜでしょうか。

それは、一つにボールをコントロールできなくなるのが怖いからです。

またはボールからどのタイミングで目をそらしていいかがわからなくて下を向いたままになってしまうこともあります。

それを克服するためにリフティングを取り入れることが出来ます。

ボールを蹴り、ボールが宙に浮いている間に敢えて視線をボールから逸らせてみるのです。

目に入るものは何でも大丈夫です。

ただ、単純に顔を動かすのではなく、目でボール以外を見て何を見たか認識できるように練習してみましょう。

そして、落ちてきたボールを引き続きリフティングし続けます。

もちろんある程度安定したリフティングが出来るようになった後の練習ですが、実戦に活かすことが出来ると思います。

リフティングは20-30回出来るようになれば、おそらくその後は集中力と体力の問題です。

100回リフティングを出来る人と200回出来る人との間の技術的な差はあまりないと思います。

とはいえ、ある程度のリフティングが出来るようになることは試合中助けになります。

トラップに自信を持てるからです。

自分のほうに飛んでくるどんなボールであっても基本的にはコントロールできるという自信は試合中のプレーに有利に働くでしょう。

加えて、リフティング中は多くの場合足を上げていますので、片足で立っていることになります。

それにはバランス感覚が求められますので、結果的にバランス感覚を培う助けになると思います。

リフティングは基本的な技術を磨くことのできる一人でできる遊びということが出来ます。