684:【末期癌と免疫力】免疫力の種類とその働き～人はなぜ癌になるのか-4

■ 人はなぜ癌（病気）になるのか、どうしたら治るのか④

●免疫力の種類とその働き

体の表面で働く免疫力

ここで、免疫とは何かについてお話をしましょう。一般に、免疫力とは「自分の体を防御する力」と考えていいと思います。

これは、基本的には、体の表面で構築される免疫力（生体防御力）と、体内で構築される免疫力の２つに分かれます。

体の表面で構築される免疫力というのは、体の外側の体表と、消化管で働いている免疫力を指します。消化管は体の中にあるように思えますが、人間の体を大きな管にたとえると、消化管は口と肛門でつながって外界と接している管の内側といえます。

これらの部分で構築される免疫力は、体を守る最初のバリアーとして非常に大事です。

皮膚から分泌される汗や皮脂腺などにはリゾチームやIgAなどの重要な免疫物質が含まれ、また、皮脂腺から出る脂に含まれた脂肪酸にはカビを防ぐ力があります。ですから、皮膚についてはこれらの分泌能力を高めること、消化管においても、消化酵素や消化液がたっぷりと分泌されるようにすることが、外界から入って来る異物を排除するうえで、大変重要になってくるのです。

体内で働く免疫力

ところが、この生体防御の力を突破してくる病原体もあります。小さい順に挙げると、ウイルス、リケッチア、クラミジア、バクテリア、カビ、原虫、寄生虫といったものが絶えず私たちの体に入り、害を与えようとします。このような、皮膚のバリアーを打ち破ってくる病原体に対して、今度は体内で働く免疫力が作用するのです。

体内の免疫力には２つの種類があります。１つは液性の物質によるもので、これにはリゾチーム、インターフェロンなどのように幅広い敵に対抗するものと、ある特定の病原体だけを攻撃するものがあります。それらに加えて、補体という、効率よく病原体を破壊する力のある物質もあります。

体内で働く免疫力のもう１つの種類は、細胞性の成分です。これには、異物が侵入したときにそれを食べ、殺して分解する食細胞（捕食細胞）系と、外敵の細胞膜に穴を開けて殺してしまう細胞障害系の免疫細胞があります。

食細胞系にはおもに２つの種類があり、１つは白血球の顆粒球の一種である好中球です。これは、異物、とりわけバクテリアに対して非常に威力を発揮します。白血球のうち、好中球が55％ぐらいあれば、生体防御はまず大丈夫といえます。

もう１つの系統は、単球・マクロファージ系といわれる食細胞です。これは待ち構えて異物を捕らえて食べる機能のほかに、癌を攻撃する力（抗腫瘍活性）や、食べた異物の情報（抗原情報）をリンパ球に伝える機能をもっています。この細胞が正常に働かなければ、いくらリンパ球があっても免疫力はうまく働きません。

細胞性成分のうち、細胞障害系に関わるものにはリンパ球の中のＮＫ細胞、キラーＴリンパ球、ＮＫＴ細胞などがあり、これらがウイルスに感染した細胞やガン細胞を攻撃します。また、Ｔリンパ球そのものの機能を高めたり、抗体をつくるのを助ける働きをする細胞集団もあります。

このように、人間の免疫細胞はそれぞれの細胞の役割分担がはっきりしていて、分業化されています。とても巧妙なしくみができている一方で、１つの歯車が狂うとみんな崩れてしまう危険性もあるのです。

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※ 末期癌や病気と闘うためには免疫力や自然治癒力を高める必要があり、もし現在不幸にして癌や病気と闘っておられるのであれば、可及的速やかにそれを満たすべきであるのは言うまでもありません。積極的に「免疫力（マクロファージ、NK細胞、T細胞、B細胞など）」の活性化を計り、バランスの取れた栄養素や酵素を取り入れて身体が正しく機能するようにし、ホルモンバランスを正しく保ち、腸内環境も積極的に改善させるようになさって下さい。