「廻」

螺子を廻して。。。???
瓶の中、僕を漬け込んで、ですよう。。。

2018-07-29。時

2018-07-29 01:27:38 | 九官鳥と地下室。

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どれくらいこうしていたのか、
体温が同じくらいになった頃、僕は矢張り
考えていました。地下に来た理由。。。
只ひたすらに全てから逃げて、消えたくなって。
、、、でも甘えてしまった。
独りの世界を望んでいた筈なのに、
彼が居る世界の素晴らしさを知っていたから
、、、呼んでしまった、です。

(今が狂っているのは僕の所為?
でも烏くんは僕が独りでも、同じ様な
対応をするのだろう。。。

「繋ぐ樹に向かう?一度、帰る?」

僕の思考を他所に、優しいユー君の声。
近くで篭って聞こえて、くすぐったいです。

「帰っても、良いのでしょうか?」

僕の問いに、ふふ、と笑うユー君。

「偶には、裏切らないと。
って、どちらに行くのが裏切りなのか
判らないけど(笑)。」

「確かに(笑)。」

ユー君は立ち上がると、
シャツを脱ぎ始めました。
僕にも脱ぐ様に促して、二人して裸体。。。

「取り敢えずシャツは取替えっこね。
はい、貸して?」

云われるがままに、シャツを渡しました。
僕はユー君のものを着て、
ユー君が僕のものを着る、、、。
って、着てないです。
肩から袖部分を首に廻して、前で
結んでいるだけ、、、。

「、、、っユー君!きちんと着て下さいです!」

「え、どうして?」

(どうしてって。。。

どうして???
目のやり場に困るから???
、、、いや、困らないですけど、少し、
驚いただけで。

「、、、風邪、引いちゃいますよう。」

「風邪?あぁ、まぁ、そうだね。」

スルスルと、シャツを着直すユー君。
その後、目を逸らしている僕に気付いて、
そっと寄ってきました。
僕は気配を感じてユー君の方を振り向きました。
にーっと笑っているユー君。

「さて、可愛い故鳥くん、帰ろうか。」

可愛い、の理由が何となく解ってしまい。
これは穴があれば入りたい、
と云うやつですねえ。

「、、、はい。」

いつもの様に手を繋いだけれど、何だか。。。

こんな僕、早く消してしまわないと。
ユウの前で何事も無く、平常心で居られた、
僕に戻らないと。

( "好き" と云うのは怖いものですねえ

そうこうしている間に、着いて。

(あ、そうだ、そう云えば、、、

僕はとある事を思い出し。

「ねえ、ユー君。横に倒れている瓶、
在るでしょう?」

「ん、あるね。」

「其れにクッションを敷き詰めたら、
ベッドにならないかなぁって。。。」

身振り手振りで、あれこれして見せる僕。

「あ、良いかも。試しに故鳥入ってみてー。」

「え、何も無い今です?」

きょとんとしながらも倒れている瓶の中に入り
寝そべってみる僕。
そこにユー君が入って来ましたです。

「固定されてて転がらないし、良いね。」

あ。
何だか充実感。僕は少しだけ笑いました。
ユー君は其れに気付いて、僕の髪を
撫でて。

言葉は要らなかったのですよう。
ずっと続かない時間だと何処か
気付いていながら、
僕らはただ "今" と云う時間の中を、静かに
過ごしていました。

久々に聞いたジジジッと云う監視の眼の音。

、、、僕らの時間は
奪えませんよ?









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