UCHIMACHI BASE

主にバイクやその他の趣味について書いてます。

01:CD125Tレストア記。 

昨年夏、CD125Tというビジネスバイクを買った。

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 元々、バイクという乗り物に関心が無かった私が「バイクに乗るのもいいなぁ」と思い始めたきっかけがこのCD125Tである。以前1年間だけ京都に住んでいたことがあるのだが、ある日道路で颯爽とこいつが走っているのを見かけ、そのあまりにも古めかしいフォルムと125ccとは思えない存在感にすっかり惚れ込んでしまった。

 その後、どうにかしてこのバイクが買えないかとあちこちを探し回り、昨年春にようやく地元のバイク屋で見つけたのがこの個体である。

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もちろん不動、しかし部品の欠品はなく、最近まで動いていたらしい。バイク屋の店主曰く、前オーナーは88歳のおじいさんであったとのこと。店に売られたのが2~3年前のことだと店主はいうが5年以上は経ってそうな感じである。当時88歳なら今は・・・

 

 

 メーターは1万1千㎞辺りを指していたが、前オーナーが大阪までこれで遊びにいっていたというエピソードから察するにおそらく10万kmを越え、一周しているだろう。

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 元々現状6万円ということで買ったのだが納車当日、引き渡される瞬間になって5万5千円に減額された。同情して値引きするくらいボロかったということだ。自分でも直せるか正直分からない。

 

 

 

 CD125Tといえばまずシルバーメッキのタンクが思い浮かぶが、この車体のタンクはメッキではない。タンクが黒いのは1977年式の初期型と1979年式のCD125Tzというモデルのみである。

 レッグシールドがついていたのと、タンクのラインの配色、エンジン左側のダイナモカバーの形状からこの車体は1979年式のCD125Tzだと分かった。今年が2020年なので1979年といえば、実に41年前である。私の生まれる20年近くも昔だ。

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この年式の特徴としては電装6V、4速ロータリーミッション、そしてポイント点火ということくらいだろうか。

 

 パッと見の外見はまぁまぁ綺麗であったが、近くで見てみるとため息が出るほど汚い。フレームの錆び方がまるでトタン屋根のそれであった。今時こんな錆び方をするバイクもずいぶん珍しいと思う。

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 車体重量140kgの鉄の塊、2気筒の125ccバイクなんて今後作られることがあるだろうか。エコだとか資源の節約だとか、そういう時代のバイクではない。最近は車さえも土に還る環境に優しい樹脂素材なんかが使われているが、このバイクはどこに埋めてもしつこく残るだろう。

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 肝心のエンジンは、思っていたほど悪くなかった。キックがスカスカなのは元からなのか、11万km走った代償なのかは不明である。ネットでは「CD125Tのキックは軽い」という意見が散見されるが、何と比較してそう言っているのかよく分からないのでなんとも診断できない。もし駄目なようだったら、もっとマシな純正中古シリンダーを買うか、通販で兄弟車であるCB125T用の補修用シリンダーセットが売っているので買って試してみようかと思う。互換性があるかは分からないが。

 

 

 

とりあえずオイルを交換した。

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 腐ったミルクティーみたいなオイルが出てきた。うまく写真に写らなかったが、所々白っぽくなっており、どうやら雨水でも入り込んで若干乳化していたようである。

この車両の放置期間がバイク屋の店主が言った期間より実際はもっと長いのではないかと思ったのはこのオイルを見たからだ。

 

 

オイルを交換した後、キーを回してキックをすれば火が飛ぶようだったので試しにエンジンを掛けてみた。


CD125Tエンジン始動1

元がどんなもんか分からないが、思ったよりも弱々しい感じがする。

ポイント部のコンデンサーに寿命が来ているらしく、接点からバシバシと火花が散っていた。

 今まで整備経験のあるCD50sやタウンメイト、スーパーカブc50などは、点火と灯火で回路が分かれており、バッテリーが無くても問題なくエンジンが始動し走行もできたが、どうもこのCD125Tはバッテリーが弱っているとスパークも弱くなる。動画中でストールしたのはヘッドライトのスイッチを付けて電力が足りなくなったからだ。

 せっかくエンジンが掛かったので「どれ、吹かしてみよう」と思いスロットルを捻ったが全く反応がない。このバイクのキャブは負圧キャブなのでダイヤフラムが破れているか、スライドピンが錆びて固着しているか、もしくはエンジンの吸入負圧が弱すぎるらしい....ドライバーをキャブに突っ込んでスライドピンを動かすとちゃんと吹け上がった。しかし、どうやらオイル上がりを起こしているようで右側のマフラーから青い煙がもくもくと出ている.....。

 

 しばらくエンジンを掛けて遊んでいたが、ある時を境にプスンと止まってそれ以降全く掛からなくなってしまった。きっと久しぶりに動かしたから何処かの電子部品が壊れたのだろう。部品の規格が古く絶版パーツも多そうなので、汎用品で代用できるように改造しなければならないし、フレームの奥のほうから汚く錆びているのも気になるので、今回のレストアは全部分解して清掃、塗装した後、再度組み上げることにした。

 

 

 

 まともに買えば20万円以上、最近では40万円を超える個体まで出てきたCD125T、あの日京都の町中で見たように颯爽と走れる日が来るのだろうか・・・。

 

 

               

 

 

                ~つづく~