UCHIMACHI BASE

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06:CD125Tレストア記。 ~エンジン腰上オーバーホール 組み立て編~

 前回の記事。

akiyuki2119067018.hatenablog.com

 

前回はエンジンの塗装をした。

今回はピストンリングを交換し、エンジンを組み立てていく。

 

 

塗装をしてきれいになったエンジン。

覗いてみると内部もそこそこ綺麗だった。コンロッドのがたつきも多分大丈夫だと思う。ガタガタでも部品がないし直せないだろうと思い、あまり確認しなかった。

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こちらはピストン。11万㎞走っているという割には状態が良い。若干擦れたような跡はあるが目立った傷はなく、十分再使用できると思う。というか使うしかない。

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ピストンリング。未だに新品部品があるのが嬉しい。

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リングをピストンにはめていく。トップリング、セカンドリングと位置が決まっており、またそれぞれ上下の向きがある。メッキがトップリング、刻印が上と覚えれば多分間違わない。

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オイルリングも。

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ピストンリングの合口が重なるとそこからエンジンオイルがシリンダー内部に入り込み、オイル上がりの原因となる。組み付ける際は合口同士が被らないようにそれぞれ120度ずつずらすようにする。

 

ピストンを取り付け。INとあるほうがインテーク側。

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ガスケットを入れて

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シリンダーに組み入れていく。

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このエンジンは2気筒360°クランクなので2つのピストンを同時にシリンダーへ入れなければならない。これがかなり難しく、どこかが引っかかって一向に入らなかった。

結局一度ピストンをコンロッドから外し、シリンダーにあらかじめ入れた状態にしてまたコンロッドに取り付けるという方法に変えて何とか挿入できた。

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クランクを回してピストンがスムーズに動くか確認する。

後はガスケット取り付け→ヘッド取り付け→カムシャフトなど諸々という流れである。

早速ガスケットを取り付けようとしたところ、問題発生。買ったガスケットとシリンダーのノックピンの数が違う...

 

年式によってノックピンの数が異なるというのは以前から知っていた。初期のモデルはノックピン4つ、途中から2つに減らされているらしい。私のCDは1979年式のかなり初期のモデルであるのでノックピンは4つ、その年式のパーツリストを見てガスケットを注文したのに届いたのはノックピン2つ仕様...

 

注文を間違えたかと焦っていたら部品に同封されていた説明書に「ノックピンが4つの車体は2つに減らしてください」と書いてあった。

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若干不安に思うものの、ホンダが言うのだから多分大丈夫だろう...大丈夫でなくては困る。

 

説明書の通りにノックピンを減らし、ヘッドを組み付けた。

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後は上死点を合わせてカムシャフト等を取り付ける。

まずポイントの奥にあるTマークをエンジン本体の印に合わせる。これでピストンが上死点の位置に来る。

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この状態でカムスプロケットの〇印がシリンダーに対して水平になるように組み付ける。

もしくはカムシャフトの"コ"となっている切り欠き部分を写真のようにシリンダーに対して水平になるようにすれば上死点が出る。

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とにかく、シリンダーが一番上に来ていてカムシャフト、カムスプロケットの印がシリンダーに対して水平方向になれば良い。

一番簡単な方法は分解する前に油性ペンか何かでカムチェーンとカムスプロケットに位置合わせのための印をつけておくことである。

 

最後にロッカーアーム等を取り付けて規定トルクでボルトを締めれば完了。

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フレームに載せてみた。

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綺麗。

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早速キックを取り付け、数回蹴ってみた。明らかに以前よりキックが重く、スッカスカだった圧縮がしっかりある。

特に変な音もしないので正常に組み付けられているようだ。

 

 

こうして、エンジンの腰上オーバーホールが完了した。すぐにでもエンジンを掛けたかったのだが、電気系の不良やキャブレターの故障等により実際エンジンが掛かったのはこの作業の半年以上後のことである。


CD125T エンジン音01

動画はある程度の修理が終わりエンジンが掛かるようになった時のもの。まだキャブレターの調整が上手くいっておらず吹け上りが悪い。

 

 

次回はフレームなどの整備をしていく。

 

 

               ~つづく~