たった1つの「正しい情報」

100の「曖昧な情報」よりも、たった1つの「正しい情報」を目指します。

「その貯蓄計画は適切か?」が分かる、たった1つの質問。

3行まとめ

  • 「順調にお金が溜まっているか」をどうやって確認・判断するか?杓子定規に「年間XXX万円貯める」という目標の立て方もあるが、不必要に今の家計を圧迫するリスクがある。
  • 貯蓄計画において、もっとも課題となるのは老後資金。そのため、貯蓄計画が適切かどうかを判断するには、これから死ぬまでの収支シミュレーションを行い、老後生活に備えてどれだけの貯蓄が必要か見極めるしかありません。
  • 「その貯蓄計画は適切か?」が分かるたった1つの質問、それは「あなたは何歳まで生きるつもりですか?」この質問に即答出来ないならば、シミュレーションが十分ではない可能性があります。

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家計管理ってどうしてる? 年間の貯金額は?

私事で恐縮ですが、今度子供が生まれるということもあり、先日大幅な家計の見直しを行いました。(ちなみに、我が家は「会社員」+「専業主婦(パート)」という構成です。)

 

現在行っている家計管理は大きく2種類です。
①【月次】月初めに費目ごとの予算を設定し、翌月に夫婦で振り返りを実施
②【年次】年末に1年間の収支をチェックし、順調にお金が溜まっているか確認

 

意外と難しいのが②の「順調にお金が溜まっているか」をどうやって確認・判断するか?です。例えば、1年間で100万円増えれば「順調」なのか、500万円増やさないと「順調」にならないのか、あるいは、出産など特殊イベントが発生したため、1万円でも溜まれば「順調」と見做してよいのか。

 

もちろん、杓子定規に「年間XXX万円貯める」という目標の立て方もあるのですが、我が家の場合、「老後に備えて若い今を楽しめないのは勿体ない」という夫婦の共通認識があるため、漠然とした不安への備えで倹約に勤しむのではなく、本当に必要な貯蓄はいくらなのか見極めたうえで、それ以外のお金は「今」に使いたいと思っています。

 

で、何歳まで生きるの?

ということで、本題です。

「その貯蓄計画は適切か?」が分かるたった1つの質問、それは「あなたは何歳まで生きるつもりですか?」です。この質問に即答出来ないようであれば、現在の貯蓄計画は適切でない可能性があります。

 

多くの場合、健康に働ける期間は収入が望めるため、そんなに心配する必要はありません。(もちろん、出産/育児・介護による休業で収入が減るとか、受験期に子どもの教育資金が掛かるとか、住宅購入の頭金とか、個別の事情によって一時的に厳しい時期もあるとは思いますが。)

 

そうなると真剣に考えないといけないのは、収入が無くなる「老後」です。

 - 老後に一体いくら必要なのか?

ネットを調べれば様々な記事が出てきますが、正直あてにならないですよ。なぜなら、その金額の前提となる「老後の生活」は人によって全然違うからです。
 - 持ち家か賃貸か
 - 現在の生活水準は?
 - 旅行など余暇にどれほど費やしたいか?
など、「老後の必要資金」を変動させるパラメータはいくらでもあります。

 

我が家の場合は。90歳を寿命として、現在から90歳まで毎年どの程度の収入が見込めるのか、生活費にどれくらい掛かる見込みなのか、年別にどんなイベントが控えているのか、を全て洗い出し、収支シミュレーションを行いました。

生命保険に入っている人にとっては当たり前の作業かもしれませが、実際にそこまで計算して貯蓄計画を立てている人は少ないです。ですが、死ぬまでの収支シミュレーション無しに、貯蓄計画の善し悪しは語れないと思います。

 

収支シミュレーションと実際の家計管理は別

ちなみにですが、積み上げで収支シミュレーションをやると大抵の場合、家計が破綻します(笑)なぜなら、もともと「将来に対するお金の不安」が出発点なので、こういうシミュレーションをすると用心して「支出は多めに、収入は控えめに」設定することが多く、さらに、掛かる費用を「積み上げ」で計算してしまうと「結婚式に招待されるかもしれない」「家具が壊れるかもしれない」「入院するかもしれない」と不確定な支出までついつい乗せてしまうからです。(我が家の場合もそうでした。)

 

そのため、まずは不確定要素に対する備えは考慮せず、「生活に必要な金額」で収支シミュレーションを作成し、各年齢の時点でどの程度の貯蓄が必要なのかを計算。不確定要素やその他の贅沢は、その年齢別貯蓄金額を上回った部分で賄う、という考え方にする方が健全で、かつ、実際の運用にも耐えられるのではないかなと思います。

 

ちなみに我が家の場合、「ボーナス全額+月5万円」を貯金すれば、残りのお給料は使い切っても大丈夫、という結論になりました。(言い方を変えると、全てを毎月の給料-5万円で何とかするということ。)

決して楽ではないのですが、妻にとっては「出来る限り貯金を頑張る」としていた時代よりも気分は楽なようです。まぁ、考え方としては分かり易いですよね。

 

おまけ:「賃貸」vs「持ち家」の議論

こういう家計の貯蓄計画・収支計画関連の話になると、必ず「賃貸」vs「持ち家」の議論が出てきますよね。インターネットにも様々な情報がありますが、声を大にして言いたいのは『そこに「答え」はないですよ』ということです。
 - 老後も住み続けるのか、途中で売るのか
 - 仕事柄、転勤はないのか
 - 親の介護は発生するのか、どこで行うのか
 - 今後の収入はどの程度変動するのか
 - 本人・家族の家に対する嗜好はどうなのか
 - 子供の教育環境(学区)は影響するのか

など、ざっと挙げただけでも個人に依存する変動要素が多くあり、上記全てに前提をおいた上での「答え」なんてインターネットにはありません。

インターネットから得れる情報は「視点」や「メリット」「デメリット」などの「判断材料」のみで、「答え」を出すのはあくまで自分です。 

前提条件を無視して、どっちがいいとか、どっちが悪いとか議論している人や記事を見ると「なんだかなぁ…。」という気分になります。

 

本日は以上です。

 

2018/11/14(水) 総アクセス数:2728