-フェミニズムと芸術-

 

著:若桑みどり・萩原弘子

1991年1月 発行

ウイメンズネットストア 有限会社松香堂書店

 

読了しました。

アートフェミニズムについて学びたくて購入しました。

本書は1990年に開催された女性学シンポジウム、

「フェミニズムと芸術」の講演と討論会を纏めたものです。

出版されてから少し年数は経っていますので、

述べられている研究状況は

現在とは少し異なっていると思われます。

 

若桑みどり氏は主に西洋美術史における

女性芸術家の存在とフェミニスト批評を語っています。

この論だけでそもそもアートフェミニズムについて

概ね理解できます。

実際の作品の批評もされているので

芸術作品の解釈の勉強になりました。

 

萩原弘子氏は西洋美術における

ブラック・アーティストを専門にされてます。

若桑みどり氏は女性の表象やアートフェミニズムで

高名な方なので著書を読んだことがありますが、

萩原氏は寡聞にて存じませんでした。

英国美術において、黒人がどのように画かれてきたか、

また当時の現代美術における黒人芸術家の

作品の紹介と批評をしています。

関心をあまり抱いたことのない内容でしたが

大変面白く拝読しました。

 

フェミニズム、フェミニスト批評、美術史、

黒人カルチャーに興味がある方にお薦めです。

口語文体なのでさくさく読める短い本です。