著:村串 仁三郎(Murakushi Nisaburou)

 

1995年10月 初版発行

崙書房出版株式会社 発行

ドーンセンター情報ライブラリーより貸出

 

本書は大学教授の著者が

サバディカル休暇を得たのをきっかけに

夫婦でイギリスに在住している

孫を産んだばかりの娘の元で

1年滞在した時の日記です。

留学とタイトルにはありますが、内容は

孫の世話を中心とした在英記です。

 

著者の2人の娘は著者の在英研究留学を機に渡英します。

著者が帰国後は2人ともイギリスの大学に進学します。

長女は大学卒業後、イギリス人と結婚します。

次女はカーディフ大学に在学しています。

 

著者はリベラルを自称していますが、

今から考えると結婚観や夫婦のあり方は保守的です。

ただこの年代としては娘のおむつを替えたりと

子育てには関わっていて、その経験を活かし

生まれたばかりの孫の面倒を見ています。

 

次女もイギリス人の彼氏ができ、後に結婚します。

子どもが両方、国際結婚し外国に暮らす親の心情や

孫の世話を通して子育てを想い返す気持ちなど

親の気持ちの描写が見所です。

 

またイギリスの離乳食がまずく、

イギリス人は赤ん坊の時からまずいものを食べて育つから

味音痴になるという箇所(p.28)には笑えました。

 

それと日本ではグラバー邸で知られる

グラバーを調査するため、

グラバーの故郷アバディーンや

在野研究者に会いにグラスゴーに行くエピソードが

面白かったです。