長男と次男がケンカしている。 

居間でしばらく聞いていたが 

意を決して彼らの部屋に入ると 

二人がにらみあっている。

掛け時計が

次男の机の上に落ちている。

「どうしたの?」と尋ねると

「うるさい!
 母さんには関係ないから出てってくれ」


と言う。

一歩下がると、バタンとドアが閉められ

しかたなく居間に戻り

大きな声をしばらくの間、聞いていた。



次男の夏休みの宿題が

かなり残っている。

少しずつ進めているけれども、

「このままのペースでは
 終わらないんじゃない?」


と、たずねると 

「自分で考えてやっているんから
 口出さないでくれ!」


と言う。

丁寧に説明したり、優しく声をかけたりしたけれど

それ以降、返事がなかった。





なんか寂しかったし、悲しかった。

「少し私の話を聞いてくれてもいいじゃん。
なんも聞いてくれないし、介入の余地もない…」


と、その時

お盆だからだろうか…。

幼少時の苦しい思い出 

次々とフラッシュバックしてきた。


そして、

 

私の中の小さな子どもが

シクシクと泣き始めた。




長男と次男のケンカ。

…なのに、その大声から

祖父、祖母、父、母が

大声で言い争っている場面
を思い出す。

自分には何もできなかった…、あの無力感



次男との会話。

…なのに、返事がないその態度から

母や弟たちと対立する場面を思い出す。

拒否された、あの孤独感

そして、怒りに覆われた悲しい気持ち





それらの記憶にどっぷりつかってしまい

どうにもこうにも抜け出せなかった…。

布団にくるまってシクシク泣いて

夜が明けて、少しすっきりした




今年は帰省しなかったから

遠くから祖父、祖母を静かに送り

自分の子どもをゆっくりと癒したい。

 

 


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